第11回クリーニングに関する情報セミナー(2004.3.5)
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クリーニングに関する情報研究委員会       
                   委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)

 クリーニングに関わるクレームは、いっこうに減りません。同じようなトラブルや、同種の原因によるクリーニングトラブルが繰り返されますし、新しい加工や素材に関するトラブルも数多くあります。これらは、充分な情報が、生産者・消費者・クリーニング業者に行き渡っていないということなのだと考えられます。
 本学会においては、長年「クリーニング研究会」という名称のセミナーが続けられてきましたが、様々な立場の人間が情報交換をして議論しあえるような場であるべきだとの考えから、「情報」という語を会の名称に加え、1998年からは、「クリーニングに関する情報セミナー」と名を改め、現在まで10回開催されました。
 クリーニングされる繊維製品は多種多様であり、消費者が満足するクリーニングが行われるには、単にクリーニング業者のみが気をつければいいという問題ではなく、生産者や消費者もクリーニングのことを考えてものを作り、ものを選ばなくてはなりません。そのためには、クリーニングに関する情報を様々な立場の人たちが共有していく必要があると考え、今後はテーマを絞り、衣料品を生産する立場、購入・消費する立場、クリーニングする立場など、様々な立場から問題点を浮き彫りにして行きたいと考えました。 

 今回のセミナーではプリーツ加工、顔料プリント、新しい加工など、問題の起こりやすい加工、課題をかかえる加工をテーマとして取り上げました。これらの染色加工は、ファッショントレンドを反映すべく行われますので、まず春夏物のファッショントレンドを把握した上で、各お立場から「染色加工とクリーニング」をテーマに基調講演をしていただきました。その後、講師の皆さんとともにパネルディスカッションを行いました。なお、このパネルディスカッションは、違う立場の対立する意見を単に述べあうということではなく、ファッション性の高い加工衣料の生産や取扱いに関しての情報の交流をいかにすべきかも含め、トラブルを未然に防ぐ方策を探ることを目的としました。

 今回のセミナーは、「染色加工」を中心に据えましたが、今後、別のテーマによるセミナー、より深く現状を把握できるセミナーなどを開催していきたいと考えています。

[日時] 2004年3月5日(金) 10:00〜17:00
[会場] 大阪市立北区民センター (大阪市北区扇町2−1−27  TEL.06-6315-1500)、JR環状線天満駅すぐ

[内容]
 テーマ:  「染色加工とクリーニング〜春夏物のトレンドから見た」
  9:30 受付開始
 10:00−10:05 開会あいさつ
 10:05−10:55 今年の春夏物のファッショントレンド 
          (株)キング ダ トラサルディ事業部 尾崎 滋 氏 
    アパレルの現場からの最新情報をわかりやすくお伝えいただけることになりました。
 11:00−12:00 染色加工とクリーニング(アパレル業界の視点から)
          (株)キング 品質管理室 本郷利明 氏
   昼食休憩(12:00−13:00)
 13:00−14:00 染色加工とクリーニング(クリーニング業界の視点から)
          (株)クリーンサワ 代表取締役 澤 浩平 氏
 14:10−14:50 染色加工とクリーニング(消費者の視点から)
          関西消費者協会理事 入口ユキコ 氏
 15:00−16:50 講師によるパネルディスカッション