テ−マ：家庭用洗剤の昨日・今日・明日
クリーニングに関する情報研究委員会
委員長 牛田 智（武庫川女子大学・教授）
クリーニングに関する情報セミナーでは、商業クリーニングを中心に取り上げてきましたが、今後は、家庭洗濯に焦点を当てる機会も設けようと考えました。家庭洗濯も、洗濯機の高度化、洗剤の多機能化が進んでおり、なかなか全容がつかみにくい状況です。そこで、次回のセミナーは、家庭用合成洗剤に焦点をあて、洗剤メーカー大手３社の方にご登壇いただき、ご講演いただきました。
家庭用洗剤は、ソフト化、無リン化(1980年以降)、酵素の本格的配合(1980年頃から)、コンパクト化(1987年)といった大きな変化を経てきましたが、さらに技術開発が進み、漂白・除菌・柔軟・香りなどの効果をプラスした複合的多機能型が展開されています。ここ10年を振り返ってみても、いろいろな新製品が登場してきました。この際、どのような意図で新製品が発売されたのか、新しく加わった機能はどのようなものであったのか、家庭用合成洗剤の最近10年程度、あるいは10数年の開発・改良を整理し、振り返っていただきました。
また、家庭用洗剤には、粉末・液体、漂白剤の有無、蛍光剤の有無、柔軟剤の有無、配合されている酵素の違いなど様々な商品が市場に出ています。消費者は、漂白剤の入っている洗剤で洗ってもいいのだろうか、蛍光剤はどうなのだろうかなど、なかなか判断がつかない状態です。配合されている色々な成分について解説をしていただくとともに、その活かし方や効果などを、洗剤使用にかかわるアドバイスにも言及していただきながらお話しいただきました。
[期 日] 2006年10月24日(火)10時30分から17時＜終了しました。＞
[会 場] 扇町インキュベーションプラザ 会議室
530-0052 大阪市北区南扇町6-28 水道局扇町庁舎
http://www.mebic.com/access/
[内 容]
10:30 開会挨拶（受付開始は、10:10）
10:40-12:10 １. 講演「家庭用合成洗剤のこの10年と今−花王の場合」
・・・・花王(株)ハウスホールド研究所 主任研究員 蓮見基充
良きモノづくりにおいては、絶えざるイノベーションが不可欠であるが、成熟市場にあっては、技術開発の停滞が生じがちである。しかしながら、衣料用洗剤分野においては、世界初のコンパクト洗剤「アタック」を始めとして数々の技術が投入され、消費者に新しい価値を提案してきている。本セミナーでは、最近１０余年の、花王が衣料用洗剤に投入してきた衣料用粉末洗剤のコンパクト化技術、ノニオン界面活性剤高配合技術、新規ビルダーの開発、高速溶解洗剤の開発について紹介をする。併せて、漂白剤の技術についても紹介を行う。
− 昼 食 −
13:10-14:40 ２. 講演「家庭用合成洗剤のこの10年と今−ライオンの場合」
・・・・ライオン(株)ファブリックケア研究所 主任研究員 大熊洋一
衣料用洗剤分野は成熟市場といわれて久しいが、今までに数々の新技術が開発されてきた。例えば、環境問題を機に取り組んだ、無リン化技術やコンパクト化技術等があるが、本セミナーではライオンが開発してきたMESを代表とする界面活性剤技術や酵素技術を中心に紹介を行うと共に、時代のニーズにマッチした製品開発事例として部屋干しトップを取り上げ、その開発の背景や技術内容について紹介する。併せて、生活者の洗濯行動変化についても報告する。
14:50-15:50 ３. 講演「家庭用合成洗剤のこの10年と今−Ｐ＆Ｇの場合」
・・・・Ｐ＆Ｇ清潔生活研究所 熊谷善敏
Ｐ＆Ｇは世界160カ国で消費者向けの製品を販売している、グローバル企業であり、約11万人の社員を持つ。Ｐ＆Ｇにおける開発は、まず時代とともに変化する消費者の潜在的ニーズを理解・探索することから始まり、グローバル規模での技術・知識を導入し、消費者ニーズにあった製品の開発を行っている。このような努力により、これまで、日本で初めて除菌や柔軟機能を持った洗剤、防臭機能を持つ柔軟剤等を市場に投入してきた。本セミナーでは、このような新機能を持つ製品の紹介とともに、特に、洗濯用洗剤での除菌効果およびその消費者便益について紹介する。
16:00-16:50 ４. 質疑応答
質問については、各社に共通のこともありますので、最後にまとめて質疑応答を行いました。
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[定 員] 50名
[参 加 費] 会員(学校・官公庁関係)5,000円、会員(団体・企業関係)7,000円、 非会員9,000円、学生2,000円（いずれもテキスト代含む）
