第16回クリーニングに関する情報セミナー
−商業クリーニングの実態−

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クリーニングに関する情報研究委員会       
                   委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)

  一言で「クリーニング」と言っても、洗い方は様々です。ランドリーとドライクリーニングがあり、ドライの溶剤には石油系やパークレンがあって、、、という大まかな違いは容易に把握できますが、ランドリーといっても、使う機械、洗剤、洗濯条件等々、多種多様です。また石油系溶剤で洗うと言っても、機械の違い、溶剤温度の違い、浴比の違い、溶剤の汚れ方の違い等々により、洗濯の結果は異なってきます。衣服についている洗濯絵表示には、溶剤の種別の指示はあるものの単に「ドライ」としか記されていませんが、その「ドライクリーニング」もいろいろである、ということです。同じ商品をドライで洗った場合、出す店によって、事故になる場合もあればならない場合もあるということは、よく聞く話です。
 そこで実際のクリーニングではどういう洗い方が為されているのか、どういう過程を経て洗われているのか、少し基礎的な知識も含め、その実態を整理し、洗い方がどのように多様であるのか、またそのことがクリーニングに関わる事故や苦情とどう関係してくるのかを、現場をよくご存じの方にまとめていただきました。
 こういった細かい違いは、実際にクリーニングに携わっていない者にはなかなか把握できていないというのが実情です。それだけでなく、クリーニングに携わっている専門家の間でも認識の差があるようにさえ思えます。実際の現場ではどのような方法でクリーニングが行われているのか、クリーニング業からは遠い立場の方にもわかってもらえるようにお話をしていただきました。

  過去のセミナーについては、クリーニングに関する情報研究委員会のページ


[日 時] 2007年3月27日(火)13:00から17:00<終了しました。>

[会 場] 扇町インキュベ−ションプラザ 会議室
   530-0052 大阪市北区南扇町6-28 水道局扇町庁舎 http://www.mebic.com/access/
[内 容]
13:00 開会挨拶(受付開始は、12:30)
13:10-14:30  1. 講演「小規模クリーニング業者から見た日本のクリーニングの問題点」
             

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・大阪繊維商品めんてなんす研究会 西山 誠

 小規模クリーニング店を営んでおられるお立場から、クリーニングの実態をお話しいただきます。講師は、大阪市内でクリーニングショップひまわりを経営しながら、繊維製品品質管理士(TES)や大阪繊維商品めんてなんす研究会の会員として、クリーニングに関する様々な課題に取り組んでおられます。
講演内容
  ・石油系ドライクリーニングの何が問題なのか
  ・ドライクリーニングの再汚染事故は何故起こる?
  ・ドライクリーニングにおける吸着剤の問題、水分管理の問題、臭気(脂肪酸臭)の問題、タンブラー乾燥の問題
  ・ウェットクリーニングの実態
  ・ランドリーの実態(主にワイシャツ洗浄・プレスの問題)

 − 休 憩 −

14:40-15:15  2. 講演「商業クリーニングの実態−大規模業者の立場から」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(株)大軌(大阪繊維商品めんてなんす研究会)斉藤 幸子

 大規模クリーニング業者のお立場から、クリーニングの実態をお話しいただきます。講師は東大阪市で、大軌クリーニングの経営者の一員として経営に携わる一方、大阪繊維商品めんてなんす研究会を主宰、またFMCのメンバーとしてクレーム問題・品質問題に熱心に取り組んでおられます.
 講演内容
  ・クリーニング業は二極化に進みつつある
  ・クリーニング業の説明責任はどこまで果たせるか
  ・クリーニング衣料は着る人の心がこもっているもの
  ・大型店の安さと早さだけでは,もう消費者の心は動かせない

 − 休 憩 −

15:25-17:00  3. パネルディスカッション

[協 賛] 繊維製品技術研究会(ATTS)、繊維学会、日本繊維機械学会、全国ドライ新聞社
[参加費] 会員(協賛団体の会員も含む)3,000円、非会員5,000円、学生2,000円(いずれもテキスト代含む)