第24回クリーニングに関する情報セミナー
−伝統と先進の中から考えるクリーニング−
直線上に配置

クリーニングに関する情報研究委員会       
                   委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)

 今回は,京都の伝統を見据えながら,先進技術・クリーニングといったことを学べるセミナーを,新築された京都市産業技術研究所で行いました.同研究所は,2010年10月1日,旧繊維技術センターと旧工業技術センターが立地的に統合されたもので,新たに京都リサーチパーク内に移転しました.旧繊維技術センターは長年にわたり京友禅,西陣織などの地場伝統産業を支える機関としての役割を担ってきた組織ですが,立地的に統合したことにより,両センターがこれまで養ってきた技や知恵を融合し,新しい技術の創造やイノベーション創出を目指す機関になっています.

  過去のセミナーについては、クリーニングに関する情報研究委員会のページ

[日 時] 2011年3月29日(火) 13:15〜17:00(受付開始:13:00)<終了しました。>
[場 所]  京都市産業技術研究所 2階多目的ホール(京都リサーチパーク9号館南棟)
 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91
  JR嵯峨野線 丹波口駅(京都駅より1駅)下車,西へ徒歩約8分 アクセス
[内 容]
13:15 開会挨拶
13:20〜14:20 1.講演「環境対応型撥水・撥油剤の現状と特性」
  ・・・・・・・・・・・ 明成化学工業(株)技術開発部 フッ素ケミカルGグループマネージャー 川上 一裕
 一般的・全般的な撥水・撥油剤の機能とその加工方法に関する基礎的な事柄とともに,フッ素系撥水・撥油剤を取り巻く現状,特に撥水加工剤に微量に含まれるPFOA(パーフルオロオクタン酸)に発がん性の疑いがあることが指摘され、生産中止が進んでいることについて、その事情を詳細に説明いただきました。さらに、その代替として開発された、環境対応型撥水・撥油剤の開発状況を,クリーニングに対する性能例等も交えながらご説明いただきました.

14:30〜15:30 2.講演「新しいデジタルプリント技術の開発について」
  ・・・・・・ 京都市産業技術研究所 研究担当課長 早水 督
 捺染の生産量が世界的には増加している中、国内は減少傾向にあります。スクリーンプリントの短所を補う技術としてのデジタルプリントについて、その特徴、世界の現状とその方式の技術的な説明をいただきました。その中で、当研究所が数年来研究・開発を進めて来られた、革新的なプリントシステムとしての電子写真方式のプリントについて、これまでに開発された湿式方式と現在取り組んでいる乾式方式を、原理も含めご説明いただきました。京都の伝統を継承しながら、新しい時代の先進産業技術の創造するという同研究所が目指している方向を具現化するものであると感じられました。

15:40〜17:00 3.見学「京都市産業技術研究所内の見学」
  ・・・・・・ 京都市産業技術研究所 研究部長 浜中 裕
 研究所の概要説明のあと,所内をそれぞれの部署の担当職員の方にご説明いただきながら見学しました.
 見学内容:新しく導入した高速FT-IRイメージングシステム(繊維・高ン分子材料の定性分析と添加物等異種成分の分布状態の可視化や,タンパクの経時的構造変化を測定する装置),最新KESシステム(布帛の風合い測定装置),その他施設全体を見学しました.

[定 員] 80名
[参加費] 会員4,000円,非会員5,000円,学生2,000円(いずれもテキスト代含む)