第32回クリーニングに関する情報セミナー
−商業洗濯の現状とこれからを見据えて−
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クリーニングに関する情報研究委員会       
                   委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)


 取扱い表示記号に関するISOとJISの整合化が,2014年10月に着地点を迎え,取扱い表示記号に関する新しいJISが,JIL L 0001及び関連規格(以下「新JIS」という)として制定されました.その後,2015年3月31日に,取扱い表示を,2016年12月1日以降に表示する商品から,従来のJIS L 0217 に基づいてではなく,新JISに基づいて表示するよう,家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規程が改正される旨の告示がなされました.
 この新JISでは,表示の図柄が変わるだけでなく,考え方などもこれまでとは異なるものとなりました.まず,適正な取扱い方法を指示する「推奨表示」ではなく,回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい取扱い方の情報を示す「上限表示」となりましたし,家庭洗濯における取扱い方法だけでなく,商業クリーニング(ドライクリーニング及びウェットクリーニング)における取扱い方法も表示対象となりました.表示者側としては,実際の商業クリーニング処理を想定して取扱い表示記号をつける必要があります.
 そこで今回のセミナーでは,商業クリーニングで,水洗い・ドライクリーニングがどのような薬剤を用いて,どのような機器で行われているのか,さらには、仕上げはどうされているのか,商業クリーニングの現状を基礎から明らかにするとともに,今後の課題や,どのように変わっていくかなど,将来への見通しを模索しました.

〔日時・会場〕
2015年12月10日(木) 13:15〜16:50<終了しました>
 大阪会場:追手門学院大阪城スクエア 大手前ホールC・D
  (〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-20)
   交通アクセス:京阪電車「天満橋」駅下車 東出口14番より東へ徒歩7分
    大阪市営地下鉄谷町線「天満橋」駅下車 1号出口より東へ徒歩7分

2015年12月11日(金) 13:15〜16:50<終了しました>
 東京会場:ボーケン品質評価機構東京事業所 4Fセミナールーム
  (〒135-0001東京都江東区毛利1丁目12番1号)
  交通アクセス:都営新宿線・東京メトロ半蔵門線 住吉駅 徒歩3分、JR総武線 錦糸町駅 徒歩9分

〔内 容〕
13:15 開会挨拶(受付開始 13:00)
13:20〜14:10 1.講演「商業クリーニング用洗剤の基礎知識と動向」
 ・・・・・日華化学株式会社 吾田 圭司
 商業クリーニングの水洗い(ランドリーやウェットクリーニング)では,どのような洗剤が,どのような意図で用いられているのか.その際,添加物の効果や洗浄の条件はどのように考えたらいいのか.また,ドライクリーニング用にも「ソープ」という洗剤に類するものが添加されるが,これはどのようなものか.これらのことを,基礎から今後の動向まで含めお話しいただきました.

14:10〜15:00 2.講演「ドライクリーニング溶剤の基礎知識と動向」
 ・・・・・株式会社アイナックス 今泉 篤重
 ドライクリーニング溶剤には,石油系溶剤やパークレンなどがあるが,それぞれの特徴や,どのような機械でどのように使われているのかを基礎から解説していただきます.またドライクリーニングの今後の動向についても触れていただきました.

15:10〜16:00 3.講演「新JISと商業ウェットクリーニング」
 ・・・・・株式会社TOSEI 須田 雅太郎
 ウェットクリーニングとはどんな洗い方か,JISに記載されている試験方法(ウェスケーター洗濯機使用)と実際の商業機の違いを,繊維・アパレル業界の方にも,クリーニング業界の方にもわかりやすくお話しいただきます.また,商業ウェットクリーニング機の動向や最新機種についても触れていただきました.

16:00〜16:50 4.講演「商業クリーニングでの仕上げ」
 ・・・・・株式会社三幸社 陣内 貴弘
 商業クリーニングの仕上げについて,仕上げ機の解説や,アパレルの製品作りの際の仕上げとはどう違うのか,手で仕上げることとの違いは何かなど,プロの技である仕上げについてお話しいただきました.特にウェットクリーニングは水洗い,乾燥,仕上げが一体となって成り立つものであり,しっかりした対応が必要です.

〔定 員〕 各会場80名
〔参加費〕 会員:5,000円, 非会員:7,000円, 学生2,000円

 過去のセミナーについては、クリーニングに関する情報研究委員会のページ