第34回クリーニングに関する情報セミナー
〜新しい取扱い表示記号で×をつけることに関連させて〜
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クリーニングに関する情報研究委員会       
                   委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)


 衣料品の取扱い表示は、JIS L 0001 (以下新JISと言う)に基づく表示が、平成28年12月1日から始まります。前回のセミナー(第33回)では、単に表示記号の意味の理解や、どのように表示をつければいいのかといったノウハウの把握だけではなく、新JISへの本質的な認識につながるような情報提供を行いました。
 新JISは、これまで「取扱い方法を指示」という「指示(推奨)表示」であったものから「回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理・操作に関する情報を提供」という「上限表示」に変わりました。これまで、例えば、実際には水洗いできるのに、消費者による乱暴な取扱いによるトラブルを避けるため、あえて水洗い不可とし、ドライクリーニングを推奨するような表示もありました。この場合、水洗いするというより厳しい操作の方が上限ですので、新JISでは認められない表示ということになります。また、新JISには、「表示には(特に×をつけるなら)、根拠・裏付けを持つことが望ましい」旨の注記があり、×をつけるためには、より明確な判断が求められることになりました。ただし、JISの記述における「注記」は義務ではないため、どうなるかは未知数ではあります。
 家庭洗濯×、漂白×、タンブル乾燥×、ドライクリーニング×、ウエットクリーニング×といった「×」は、どのような場合につけられるのでしょうか。また、それはなぜなのでしょうか。そのためには、それぞれの操作の中身を根本から把握しておく必要があります。今回のセミナーでは、これらのことを念頭におきながら、漂白、水洗濯、タンブル乾燥、ドライクリーニングについて、トラブル事例の紹介も含め、掘り下げていただきます。

[日時・会場]
大阪会場 2016年12月12日(月)  13:15〜16:50(受付開始13:00)<終了しました>
 大阪産業創造館 5階研修室A・B (大阪市中央区本町1-4-5)
   交通アクセス:地下鉄「堺筋本町駅」より徒歩約5分
東京会場 2016年12月19日(月)  13:15〜16:50(受付開始13:00)<終了しました>
 日本女子大学新泉山館1階大会議室 (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
   交通アクセス:JR山手線目白駅 徒歩15分又は都営バス5分
           東京メトロ副都心線 雑司ヶ谷駅 徒歩8分
           東京メトロ有楽町線 護国寺駅  徒歩10分
[内 容]
13:15〜13:30 開会の挨拶および今回のセミナーの意図
 ・・・・・ クリーニングに関する情報研究委員会委員長(武庫川女子大学) 牛 田 智
13:30〜14:50
1.講演「家庭用漂白剤(塩素系・酸素系)について」
  ・・・・・ 花王(株) ハウスホールド研究所 野村 昌史
 漂白剤には塩素系、酸素系があり、これまでのJISでは塩素系の可否のみが表示されていた。新JISでは、酸素系の可否の表示が加わった。酸素系漂白剤は、ほとんどの衣類に使用可能と考えられるが、中には使えないものもある。この講演では、漂白や漂白剤の基礎的・原理的な内容から、どんな場合に漂白剤が使用できないのかについて、詳細にご説明いただく。

15:00〜16:00
2.講演「水洗い可否の判断、水洗いによるトラブル」
  ・・・・・洗濯工房ラスカル 吉瀬史康
 どのような衣類が水洗い不可なのか、家庭での水洗いができない場合でも、商業クリーニングのウエットクリーニングが可能な場合があるし、ウェットも不可の場合もある。どう異なるのか。水洗いによって生じたトラブルの実際の事例(商業クリーニングにおける事例)も紹介いただきながらご説明いただく。

16:00〜16:50
3.講演「タンブル乾燥について−ドライクリーニングとも関連させながら−」
  ・・・・・洗濯工房ラスカル 吉瀬史康
 ドライクリーニングは水洗いよりも事故が少ない洗い方だが、中にはドライ×の表示の衣類もある。どんな場合だろうか。ドライクリーニングは、溶剤の空中への放散は好ましくないため通常タンブル乾燥が為されることが望ましいが、ドライ表示であるにもかかわらず、タンブル禁止の記載がある場合がある。タンブル乾燥しない静置乾燥も行われているが、商業クリーニングでは実際にはどのように乾燥が行われているのだろうか。家庭洗濯におけるタンブル不可の事例も含め、お話しいただく。

〔定 員〕 各会場80名
〔参加費〕 会員:5,000円, 非会員:7,000円, 学生:2,000円

 過去のセミナーについては、クリーニングに関する情報研究委員会のページ