第40回クリーニングに関する情報セミナー
〜衣料用洗剤の現状の理解〜
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  今回のセミナーでは、衣料用洗剤を取り上げることにしました。家庭用の洗剤は、粉末が主流でしたが、2011年以降は、液体洗剤比率の方が高くなりました。液体洗剤は、様々な進歩を見せ、2009年には濃縮型の液体洗剤が発売され、また、2019年にはワンハンドプッシュボトルの洗剤が発売されました。
 コロナ禍の中、家庭での洗濯は増えているのではないかと思います。まずは、汚れをしっかり落とすことが求められます。その主成分は界面活性剤ですが、現在では、これまで用いられていたものとは異なるものも使われており、現在の洗剤が、洗浄性をどう発揮しているのかをまず把握したいと思います。洗剤の機能として、汚れ落としはもちろんのこと、除菌・抗菌、部屋干し臭の軽減、洗剤残りの解消といったことが表に出されています。最近の洗剤は、いろいろな特性が備わり、同じブランドでも、異なる特徴を持った商品があります。様々な機能をどう発揮させているのかも伺うことにします。
 商業クリーニングにおいても洗剤は使われますが、プロ仕様のものは、家庭用の洗剤とは何が異なるのでしょうか。洗浄方法と関連させながら、解説いただきます。また、ドライクリーニングにもソープと呼ばれる界面活性剤が使われますが、その役割や特徴をご紹介いただきます。
 洗濯には環境負荷が伴います。サステナブルがキーワードになっている昨今の状況に対して、どのような取り組みをされているかもご紹介いただきます。

[日 時] 2021年12月13日(月) 13:30〜17:00<終了しました。>
[会 場]オンライン形式(Microsoft Teams会議使用)
[内 容]
(13:30〜13:35) 開会挨拶
(13:35〜14:35) 1.講演「最近の花王の衣料用洗剤」………花王(株) ハウスホールド研究所 伊藤 将嗣
 花王は、アタック、ニュービーズ、エマールといったブランドを展開しています。2019年発売の液体洗剤には新たな界面活性剤(洗浄基剤)が配合されていたり、ドラム式洗濯機専用の洗剤があったり、これまでのアタックとは全く異なるものとなっています。現在発売されている花王の洗剤について、界面活性剤の基礎的な事項に触れながら、発揮される機能についてお話しいただきます。

(14:45〜15:45) 2.講演「最近のライオンの衣料用洗剤」 ………ライオン(株) 研究開発本部 ファブリックケア研究所 渡辺 英明
 ライオンは、トップ、ブルーダイヤ、アクロンといったブランドを展開しています。使われている界面活性剤も様々です。また、部屋干し時の生乾きのイヤなニオイを防ぐという機能を有する洗剤は以前から販売されてきましたが、最近は、「全部無臭化洗浄」を実現した洗剤も開発されています。現在発売されているライオンの洗剤について、それぞれの特徴を比較いただくとともに、発揮される機能についてお話しいただきます。

(15:55〜16:55) 3.講演「商業クリーニングで用いられる洗剤」………日華化学(株) 化学品部門 界面化学研究所 近藤 志郎
 商業クリーニングでの水洗いには、どのような洗剤が使われ、また、使い分けられているのでしょうか。また、抗ウイルスやプロの仕上がりにつながる仕上げ剤についても紹介いただきます。ドライクリーニングでも界面活性剤が用いられますが、そのドライソープは、水洗いの場合とは異なり、洗浄以外の目的もあります。どのようなソープが市販されており、それらの特徴はどのようであるのか、また、現場では、どのように使い分けられているのか、解説していただきます。

(16:55〜17:00) 閉会挨拶

〔参加費〕会員:5,000円,学生(会員):2,000円,非会員:7,700円, 学生(非会員):2,200円 ※会員は不課税、非会員は税込金額です。


 過去のセミナーについては、クリーニングに関する情報研究委員会のページ