
東北地方を襲った未曾有の「東日本大震災」から2年半が経ちましたが、現地は未だに様々な復旧・復興の難問に直面しています.
本学会ではいち早く学会誌において、「大災害後の持続可能な社会と消費科学」をテーマとした特集号を組みました.現在も「震災と繊維」を連載し、学会として震災からの復興に貢献することを目指してきました。しかし、会員の方々からの更に深く「大震災と衣服」について考える機会はできないかという問題提起を受け、協議の結果、現地を実際に視察することで、繊維製品消費科学の視点から復興における問題点や課題を整理し、貢献策を提案できるのではないかとの考えに至り、この研修会を企画致しました.
また南海トラフ巨大地震等の発生が懸念されている現在、この研修会に参加された方々が、大震災における衣服の備えや役割を自分の問題として捉え、考えるきっかけにしていただけたと思います.
この研修会は、東北福祉大学の全面的なご協力をいただきました.厚く御礼を申し上げます.
〔開催日〕2013年8月27日(火)・28日(水)<終了しました。>
〔場 所〕東北福祉大学ステ−ションキャンパス(〒981-8523 宮城県仙台市青葉区国見1丁目19-1)
交通アクセス:JR仙台から仙山線「東北福祉大前」駅(12分4駅)下車すぐ
〔定 員〕50名
| 〔内 容〕 8月27日(火)11:00〜18:15 1.10:20〜17:00 宮城県本吉郡南三陸町視察 JR仙台駅中央改札口前(2階コンコースのステンドグラス前)に集合 |
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| 10:20 | 48名が乗車した大型観光バスで南三陸町へ(仙台東ICより三陸自動車道、桃生津山IC経由) 車内では、東北福祉大学地域共創推進室の千葉英俊先生により、車窓の説明や、被災地の被害状況の説明を受けた。JR気仙沼線沿いに国道45号線を戸倉地区へ |
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| 海岸の近くも通り、どのあたりまで津波が到達したのかの説明も伺った。峠を越えて志津川地区に入ると、下り坂の途中から、津波の被害を受けた地域が始まり、その痕跡が見られた。JR気仙沼線は、一部は線路を舗装してバスが走っているが、一般道にも迂回する部分も多く存在する。そのバスとも何度かすれ違った。海岸に到達すると、まだ津波で破壊された堤防などが見られた。市街地はほぼ更地の状態になっており、避難者が集まっていた公立志津川病院は撤去され、コンクリートの建物としては、病院に隣接の高野会館のみであった。 | |||
| 12:05 | 南三陸町・志津川地区 旧防災対策庁舎前着。15分ほど下車。 | ||
| 今回訪れた防災庁舎は、今回の震災の悲劇を極めて強く印象づける所。3階建て庁舎屋上を2mも上回る津波が押し寄せた。助かったのは、アンテナにつかまることができた人と手すりで必死に耐えられた人たちだけだったという。2階の防災無線の放送室では、危機管理課の女性職員が高台への避難を繰り返し呼び掛けていた。 | |||
| 12:25 | 高台にあり、避難所となった体育館(ベイサイトアリ−ナ)を経由して、志津川中学校へ | ||
| 12:40 | 高台にある志津川中学校で下車。町内を一望し、震災前と現在を比較 | ||
| 13:00 | 南三陸さんさん商店街着 「志のや」にて昼食(海鮮丼)、商店街の見学と買い物 | ||
| 南三陸さんさん商店街:2012年2月25日に、南三陸町の志津川地区にオープンした仮設商店街で、福興をになう地元の事業者30店が軒を連ねている。 | |||
| 13:40 | 「志のや」の店主高橋修氏の被災体験講話、 | ||
| 高橋修氏は、この商店街の敷地の地権者の一人であり、設立に深く関わった方。仮説の店舗では席数に限りがあるので、大型バスの団体やボランティアが立ち寄ることを考え、フードコートの設置を提案したとのこと。自らが津波で流された体験のお話しもしていただいた。 | |||
| 14:30 | 南三陸さんさん商店街発、YES工房へ | ||
| YES工房: 廃校になった入谷中学校の特別教室を利用た工房で、「オクトパス君」というタコをモチーフにしたキャラクターグッズなどを製作している。このキャラクターは、「置くと(試験に)パス」するという真っ赤なタコの文鎮が震災前から人気で、震災後は、東北の復興に寄与すべく、販売促進が展開されている。この工房を運営する南三陸復興ダコの会の会長は、前出の「志のや」店主の高橋修氏。 | |||
| 15:25 | YES工房を出発して東北福祉大学へ(登米ICより三陸自動車道、仙台北部道路経由仙台宮城ICより) | ||
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| 2.17:30〜18:15「震災から3年目を迎えた南三陸町」 ……………………東北福祉大学 千葉 英俊 |
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| まず、志津川地区に津波が押し寄せた時の動画を見たのち、被害状況の説明、避難状況、ボランティア活動、復興事業などの説明をしていただいた。 | |||
| 18:30〜20:30 情報交換会(東北福祉大学ステーションキャンパス1Fの居酒屋風学食にて) | |||
| 8月28日(水) 9:00〜15:00 1. 9:00〜 9:50 「東日本大震災の実体験と今後の課題」 ………………まごのてくらぶ(東北福祉大学指定団体)石原 尚生、 東北福祉大学 金 義信 石原尚生さん(震災当時は学生で、現在は東北福祉大学地域共創推進室所属))と金 義信先生の震災翌日から現在も続いている対外震災ボランティアの実体験を語って頂きました.活動内容の一つに、ボランティア活動のためのボランティア(シャトルバスでの送迎支援など)もあり、災害時の衣服として、ボランティアのユニフォーム、ビブスがとても重要だということでもあった。 2.10:00〜10:30「被災時の衣服と寝具」 ………………東北福祉大学 水野 一枝 津波の被害のない地域の震災時の衣服と寝具に関する事例、避難所での寝具についてを講演いただきました。 3.10:30〜11:00「被災時の支援のあり方(衣類等)」 ………………尚絅学院大学 久慈 るみ子 津波被害のあった地域(名取市、石巻市)での、震災後の支援(衣類等)実態調査を中心にした研究報告です。 4.11:10〜12:00「被災地での支援物資の実態と問題」 ………………女川社会福祉協議会 阿部 恵子 女川町の被害状況、被災地に送られてきた毛布や衣類を含めた様々は支援物資は、どのように配布されたのか等の実態と問題点について講演いただきました. 12:00〜 昼食(東北福祉大学ステーションキャンパス1Fの居酒屋風学食にて) 5.12:30〜13:00 ポスター発表「東日本大震災−被災地へのボランティア巡回洗濯支援」 ………………株式会社 TOSEI 開発技術1部 洗機開発課 須田 雅太郎 業務用の洗濯機・乾燥機・発電機・水タンクを搭載した、自己完結型の洗濯乾燥車による、被災地(多賀城市)における洗濯支援でのボランティア活動の実践報告をしていただきました. 6.13:00〜14:00 「災害と共存して『生きる力』”とは「『生きる力』の普及の方策について」 ………………東北大学 災害科学国際研究所 保田 真理 東北大学 災害科学国際研究所が推進する自然災害科学研究とは、事前対策、災害発生、被害の波及、緊急対応、復旧・復興、将来への備えを一連の災害サイクルととらえ、それぞれのプロセスにおける事象を解明し、その教訓を一般化・統合化することです。当研究所の最新の研究テ−マは、“災害と共存して『生きる力』”であり、このコンセプトの下に、新たな防災・減災システムの構築を目指して運動を展開しておられます.今回の講演では、“災害と共存して『生きる力』”のコンセプトと「『生きる力』の普及の方策について講演いただきました。減災絵本や減災風呂敷などの「生きる力」普及の具体的な方策についても紹介いただきました. 7.14:00〜15:00 パネルディスカッション 講演者全員にご登壇いただき、京都女子大学諸岡晴美教授の司会のもと、「震災と衣服」に関して、様々な意見発表や提案・議論をしていただきました. 〔研修会参加費〕15,000円(含む視察バス代)学生12,000円 〔情報交換会費〕5,000円(学生2,000円) |