第2回消費科学シンポジウム
2009年9月開催
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 我が国のアパレルファッション界では、消費者の多様なライフスタイルに応えるべく、多くの感性商品、機能商品が開発され、グローバルな地域で製造販売されています。一方、行政においては、消費者行政の一元化を目的とする「消費者庁」の設置が今秋にも検討されているのはご承知の通りです。本学会では、今日、我々に課せられているテーマが、「持続可能社会の創造」「製品の安全性」の2つであることを強く意識し、昨年の第1回のシンポジウムでは「持続可能な社会のあるべき姿と生活・消費を考える」をテーマとして「地球環境問題」を取り上げました。当学会では「消費科学シンポジウム」を通じて、社会的に大きな影響を及ぼす課題をピックアップし、会員の皆様と一緒に考えていきたいと思います。

〔日時〕  2009年9月10日(木)10:00〜17:00(受付開始9:30〜)<終了しました。>
〔会場〕  大阪産業創造館 会議室(大阪市中央区本町1-4-5  TEL:06-6264-9800(代))
       地下鉄 中央線・堺筋線「堺筋本町」(2)(12)出口 徒歩5分
〔協賛〕  繊維学会,日本繊維機械学会,日本家政学会

《テーマ:安全・安心を創る》
趣 旨: 商品が高機能化、複雑化する中、企業ではCSRの観点から広い視野で欧米諸国の安全規制などを考慮しながら、商品を通して生活者に満足と安全・安心を提供することが求められています。さまざまな業種で企業のあり方を根本的に考えていくべき問題が散見される今日、安全・安心なものづくりとはどうあるべきなのか、各分野の第一人者の方々からご講演いただく機会を設けました。今回のシンポジウムでは、今後の我々の行動指針を示唆すべく「安全・安心」を鋭く語って頂く予定です。
基調講演では、持丸先生には生活者の安全安心を確保するため、研究者の立場から、一般消費財に対して、我々が何をすべきかを、大いに語っていただきます。一般講演でも、消費者行政、公的研究機関、アパレル、他業界(育児用品)、消費者など、より専門性の高い講師5名の方から、「製品の安全・安心」に関して具体的な提言をして頂く予定です。今後、消費科学に関する研究および開発を進める上で、避けては通れない製品の安全・安心に関して有益なお話が聞けるものと考え、本シンポジウムに是非ご期待頂きたいと考えます。会員各位の幅広い聴講をお待ちしています。

 挨拶(10:00〜10:10)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・本学会会長(日本女子大学教授) 島ア恒藏

<基調講演90分(質疑応答を含む)>
1.基調講演(10:10〜11:40)
 「安全安心製品で付加価値市場を創成する」
   ・・・・・・・産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター 持丸 正明
 子どもの傷害事故に関する調査データと事例研究から、消費者の安全安心確保のために、製品開発としてどのような点に配慮すべきか、安全のための標準化にどのように取り組むべきか、さらには、そのようにして開発した安全安心製品でいかにして付加価値市場を創り出すかについて講演する。

(11:40〜12:30 昼食・休憩)

<一般講演50分(質疑応答を含む)>
2.(消費者行政の立場から)(12:30〜13:20)
  「消費者政策の現状と消費者庁構想」
   ・・・・・・・・・・・・・・・日本女子大学准教授 細川幸一
 福田政権になって突如、消費者行政の一元化という政権公約が出現し、関係者を驚かせた。それまでは行財政改革の中で、消費者行政の予算、人員は削減の方向にあったからである。消費者問題を専門に扱う消費者庁を設立し、29の消費者関連法律を他省庁から消費者庁に移管し、その他の各省庁の施策については消費者庁を指令塔として機能させるというものである。ここでは、消費者政策の現状と消費者庁構想の意義について考える。

3.(公的機関の立場から)(13:20〜14:10)
  「繊維製品に含有する化学物質の安全性について 」
   ・・・・・独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 佐々木和実
 日本の繊維製品は、過去に皮膚障害を発生させた経験があり、その都度、対策を行ってきた。しかし、最近、繊維製品からのホルムアルデヒドの検出やアレルギー発症事例が相次ぎ、製品回収等、多大なる損失が発生している。ここで、繊維製品に含有する化学物質による事故事例や原因究明事例、対策を再度整理し、これからの繊維製品の安全性向上について考えてみる。

4.(アパレル企業の立場から)(14:10〜15:00)
 「人にやさしいインナーウェア」
   ・・・・・・・・株式会社ワコールデューブルベ 松村 昭子
 「オンナの身体は十人十色」既存の商品に身体を合わすのではなく、年齢や個人のライフスタイルの中での希望のシルエットや着け心地に合わせて作れるセミオーダーインナーだから、まるで着けていないような心地良さ。たくさんのデザインやパターンが揃っているので、「求めていたサイズやスタイルがそこにあります。」
ブラジャーだけでなくインナーウェアをトータルに、アイテムに求められる使用素材にもこだわってそれぞれの顧客とコミュニケーションをとりながら個客(こきゃく)それぞれの満足から安全・安心を提案します。
(15:00〜15:10休憩)

5、(他業界の立場から)(15:10〜16:00)
  「育児用品開発は赤ちゃんを知る事から」
   ・・・・・・・・・・・ピジョン株式会社 甘利 和久 
 話す事や気持ちを言葉で正しく伝えられない乳幼児の使用する商品の開発は、先ず赤ちゃんを知る事からスタートします。赤ちゃんの成長発達の各段階と、発達段階での行動を知る事により、潜在的ニーズを探り出す事で独自性を持った商品を開発する事が可能になります。同時に潜在的リスクを知る事も可能になり、商品の材質・形状・使用用途と言った安全品質要件を事前に確認でき、より安全な商品を提供する事ができます。

6、(消費者の立場から)(16:00〜16:50)
  「消費者が望む企業のあり方や企業活動」
   ・・・・・・・・・(社)日本消費生活アドバイザ−・コンサルタント協会 西日本支部 総務委員長  糸島 節子
 近年、企業では消費者志向経営がうたわれCSR活動も活性化してきました。しかし、企業の不祥事や消費者の安全を脅かす事故も多数報じられております。今の企業のあり方は、はたして本当に消費者の望む姿といえるのでしょうか。同協会では、消費者利益と企業活動の調和を図りながら健全な消費社会の形成に向け、企業訪問や企業活動に対するアンケート調査など様々な活動を行なっています。本シンポジウムでは、主にその活動を通して、消費者として望む企業のあり方をお伝えしたいと思います。

〔定員〕   80名(定員になり次第締め切ります)
〔参加費〕会員(学校,官公庁)7,000円,会員(団体,企業)10,000円,非会員13,000円 学生会員2,000円,