一般社団法人日本繊維製品消費科学会は、今年創立60周年を迎えました。これを記念し、『創立60周年記念快適性とスマートテキスタイル国際シンポジウム』を開催しました。
第4次産業革命に入り、世の中はAI、ロボット、IoT、クラウドなどのキーワードに代表されるように、急速にデジタル化が進んでいます。繊維産業もICT(情報通信技術)の飛躍的な進歩を背景にスマートテキスタイルの開発が世界的に活発化し、介護・リハビリなどのヘルスケア分野やスポーツ分野をはじめ、幅広い展開が期待されています。
このように大きな変革の中、本学会の次の10年に向けた課題の明確化と更なる発展に向けて、グローバルかつ幅広い交流の場となることを期待して、スマ一トテキスタイルに関連する分野でご活躍の方々をお招きし、本シンポジウムを企画しました。
初日の特別招待講演では、大阪大学栄誉教授 石黒 浩氏をお招きし、アンドロイドやスマートテキスタイルの将来についてご講演いただきました。また、海外からの招待講演者からは、ドイツが推進するインダストリー4.0とスマートテキスタイルに関するご講演や、GoogleやBMWでご活躍の方々によるスマートテキスタイルの最先端情報の紹介をいただきました。
2日目は、欧州スマートテキスタイルワークショップ(日本化学繊維協会共催)と快適性ワークショップ(日本繊維製品消費科学会の快適性・健康研究委員会主催)の2つのワークショップを行いました。
スマートテキスタイルワークショップでは1日目から引き続き、スマートテキスタイルの介護・リハビリなどのヘルスケア分野やスポーツ分野をはじめ、幅広い展開の可能性について紹介いただきました。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。高温多湿の炎天下のスポーツ時や観戦時には、選手、応援する観客ともに熱中症のリスクが高まります。したがって熱中症発生のメカニズムを正しく理解し、熱中症の予兆の早期把握と、その予防システムの構築など対策を講じる必要があります。快適性ワークショップでは暑熱環境下のヒトの体温調節のメカニズムと着衣による予防対策のヒントを学ぶワークショップを開催しました。スマートテキスタイルを予防対策に応用する可能性につながるヒントがワークショップの中で見いだされることにつながったものと思います。
開催地には、古都奈良東大寺の近くに位置する奈良春日野国際フォーラムを選びました。本学会60周年記念事業に対する皆様のご理解とご協力、積極的な御参加により、無事終了致しました。
〔主 催〕 (一社)日本繊維製品消費科学会
〔共 催〕 (一社)繊維学会、(一社)日本繊維機械学会、スマートテキスタイル研究会、日本化学繊維協会、(特非)ウェアラブル環境情報ネット推進機構、(特非)ナノファイバー学会、在日フランス大使館貿易投資庁・ビジネスフランス、ドイツ
ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州経済振興公社
〔協 賛〕 (一社)日本家政学会、日本感性工学会、(一社)電子情報技術産業協会、(株)フューチャーラボラトリ、日本生理人類学会、(公社)日本生気象学会、(一社)繊維評価技術協議会、(公社)化学工学会超臨界流体部会、日本熱物性学会、人間-生活環境系学会、(公社)空気調和・衛生工学会
〔日 時〕 2019年 9 月5 日(木)~7日(土)<終了しました。>
〔会 場〕 奈良春日野国際フォーラム(〒630-8212 奈良県奈良市春日野町101)
〔内 容〕 内容の概要は次の通りです。詳細は公式ホームページをご覧下さい。
9月5日(前日)受付、展示準備、ウエルカムパーティー
9月6日(一日目) 招待講演・ポスターセッション・企業展示・記念祝賀会
9月7日(二日目) 基調講演・ワークショップ・ポスター発表・企業展示
詳細は公式ホームページにてご確認下さい。
このシンポジウムに関連した新聞記事
◆「スマートテキスタイルが拓く繊維の未来」(PDF)(繊研新聞 2019年9月19日・20日付)