消費科学講座
直線上に配置

 日本繊維製品消費科学会は、商品の企画・設計から生産・販売までの基礎知識、及び、最近の動き(トピックス)に関し、ものごとの本質を理解するための催しとして「消費科学講座」を企画しています。このページでは、過去に開催された「消費科学講座」について、新しい順に掲載しています。

第50回 環境配慮型素材PartU〜サステナブルファッションと次世代の素材
第49回 製品開発に欠かせない法律知識・ファッションロー
第48回 私たちを守るワークウエア−求められる機能とニーズの変化
第47回 繊維産業成長戦略を考える〜成長シフト化に向けて〜
第46回 コロナ後のアパレル産業〜withコロナから未来のアパレル産業を望む〜
第45回 環境配慮の考え方と素材例
第44回 女性のウエルネス課題をテクノロジーで解決する〜フェムテック〜
第43回 第三者認証による公正なコミュニケーション〜サスティナブル/エシカルな製品の認証〜
第42回 どうなる? 繊維リサイクル
第41回 「繊維は酷暑を克服できるのか?」−夏場の運動やビジネスシーンにおける最適な衣料とは−
第40回 新型コロナウイルス対策のために −「マスク」と「抗ウイルス加工」−
第39回 アパレル産業のパラダイムシフトを考える −誰もが望んでいた 働き方・ライフスタイルが実現する社会とは−
第38回 「繊維は酷暑を克服できるのか?」−夏場の運動やビジネスシーンにおける最適な衣料とは−(中止
第37回 「健康に生きる」〜生涯現役社会の実現〜
第36回 SDGsに取り組む企業の革新
第35回 テクノロジーが拓くファッション産業の未来
第34回 健康とストレッチ素材
第33回 『心に響く情報の伝え方』〜受け取る情報と受け取らない情報
第32回 2020年に向けた暑さ対策の最前線」−夏場の運動とスポーツ観戦における最適な衣料とは−
第31回 特殊ユニフォームの開発とビジネス価値の創出
第30回 我が商品・技術の「想い」と「こだわり」を語る−これまでの実績とこれからの展望−
第29回 『売れる、買われる仕組みの作り方』〜選ばれるブランドや店舗とは〜
第28回 「不当景品類及び不当表示防止法」〜一般消費者の選択を歪めない表示をするために〜
第27回 日本のアパレル産業の今後を考える〜日本の「縫製」が世界と伍して戦っていくために何をすべきか
第26回 アパレル製品・シューズの安全リスクを削減するために〜
第25回 『マーケティング3.0:顧客共創のマーケティング』〜成功事例に学ぶマーケティング戦略〜
第24回 世界に誇れる日本のクオリティ“スマートテキスタイル”
第23回 衣料・雑貨の副資材”縁の下の力持ち
第22回 羽毛(ダウン)製品特集・原毛から製品まで
第21回 データ、市場、売れている商品から読み解く、ヒットに必要なこと
第20回 “こだわり”の商品開発 第二弾
第19回 健康関連製品と薬事法
第18回 売るためのヒント、消費者の気持ちを掴むためのアプローチ
第17回 アパレル製品の付加価値を高める最新2次加工技術と課題
第16回 進化する繊維分野における多機能加工―そのブレークスルーポイントと発想の原点を語る
第15回 危害を防ぐ―ウイルス/花粉などの防御性・バリア性機能について
第14回 消費者ニーズから商品開発へのアプローチ
第13回 こだわり”の商品開発 第一弾〜身のまわりの繊維製品は、このようにして開発された!
第12回 繊維製品の安全性と化学物質―グローバルな規制化に向けた最近の動き
第11回 節電時代における夏の衣服の着方とあり方を探る
第10回 機能性素材の評価方法の最前線
第9回 製品検査の基礎講座
第8回 これなら使えるスーパー繊維
第7回 アパレルの品質苦情に学ぶ(part2)アパレル製造ならびにクリーニングに起因する品質苦情
第6回 人工皮革・合成皮革に関する消費科学
第5回 拡大する無縫製の最新技術
第4回 アパレル商品の縫製不良に関する知識
第3回 繊維特性に起因するアパレルの品質苦情(東京開催)
第2回 ナノテクノロジーが拓く「機能性」加工の最前線
第1回 繊維特性に起因するアパレルの品質苦情
  
 次回の掲載が決まれば、学会行事のページでお知らせします。

第50回消費科学講座
「環境配慮型素材PartU〜サステナブルファッションと次世代の素材」


 環境配慮型素材に注目する理由は大きく三つある。一番大きい理由としては、世の中でサステナビリティやSDGs、カーボンニュートラルというキーワードが広がり、ビジネスの中で取り組まなければいけないという潮流が高まっていること。二つ目は、この潮流の中でファッション産業が抱える大量生産・大量消費・大量廃棄が問題となってきたこと。三つ目は、アジア各国でも、従来は環境に対する配慮が伴っていない発展をしてきたが、それではいけないということで、環境配慮型の素材に切り替えようとしている。
本講座では、繊維素材、製品開発、流通、販売に関わる方々に向け、今注目を集める環境配慮型素材やその機能、国内外のファッション素材の考え方、サステナブルな提案も含め、多面的に学び、これからのサステナブルファッション開発の新しい考え方を探る機会としたい。

〔日  時〕2024年1月19日(金)10:50〜16:45<終了しました>
〔会  場〕ド−ンセンタ−4階大会議室1、オンライン併用(Microsoft Teams使用)
     (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
      交通アクセス:京阪天満橋・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分
〔内  容〕
(10:50〜11:00)開会の挨拶
(11:00〜12:00)講 演1.「3Dプリンタで服を作る試みについて」(オンライン講演)
   …………共立女子大学 被服学科 教授 村瀬 浩貴
3Dプリンティングは新たな製造技術として急速に普及しており,ファッションの分野も例外ではない.3Dプリンティングにより自宅で服を作ることができるようになると,サイバー空間からダウンロードしたデータを基に完全に自分の体型にフィットした服が手に入るSociety5.0の衣生活を実現するほか,縫製ロス低減など環境負荷低減にも貢献することが期待できる.3Dプリンタで服を作る国内外の事例および本学での取り組みについて紹介させていただく.

(12:00〜13:00)昼食休憩

(13:00〜13:50)事例紹介1「優れた速乾性とドライ感を有する繊維素材「エプシロン」の開発」
   …………株式会社クラレ 西条事業所クラベラ生産開発部 加藤 雅也 
 「エプシロン」は出光興産(株)の製造するシンジオタクチックポリスチレン(SPS)を原料とし,クラレの特殊溶融紡糸技術を掛け合わせることで生まれた繊維である.エプシロンは原料由来の軽量性やドライ感を有するだけでなく,従来のポリプロピレン繊維では達成できなかった可染性・耐熱性を備えており,ポリエステルや綿と組み合わせたテキスタイルの提案が可能である.本講演では,上記特性を活かした衣料・スポーツ分野への取り組みのほか,エプシロンの素材撥水性を活かしてPFAS代替として技術開発を進めている事例も含め,エプシロンの幅広い活用事例を紹介する.

(13:50〜14:40)事例紹介2「環境指針と羽毛にかわる中わた素材の開発」
   …………株式会社ゴールドウイン 商品本部 商品部  米澤 智之
 ゴールドウインは,環境指針としてPLAY EARTH 2030を掲げ、グリーンデザインの推進、脱炭素社会の実現、循環型社会の実現を目標としており、この取り組みを紹介する.また,開発品としてリサイクル原料(リサイクルポリエステル)を使用し、羽毛に近い構造を作りあげ、繊維内に光電子を練りこむことで遠赤外線効果による快適なぬくもりを実現した、新中わた「ENERGY COCOON(エナジーコクーン)」を紹介する。

(14:40〜15:00)休憩 
(15:00〜15:50)事例紹介3「ECOARCHの展開とサステナビリティへの取り組み」
   …………スタイレム瀧定大阪株式会社 業務推進部 環境品質管理室 室長 森田 芳弘
 環境や社会に配慮したテキスタイルとマテリアルを「ECOARCH(エコアーチ)」と総称し展開している.持続可能なサプライチェーンの実現に尽力し時代の先をゆく魅力的な商品でよりよい社会への架け橋となれることを掲げ,環境配慮,オーガニック,森林保護,リサイクル,動物愛護の5つのカテゴリーに分類し社内承認を実施,国内外へ提案を行っている.「ECOARCH」を軸に繊維専門商社の現在地を紹介する.

(15:50〜16:40)事例紹介4「圧電抗菌繊維「ピエクレックス」および循環インフラ「P-FACTSTM」」
   …………株式会社ピエクレックス シニアスペシャリスト 今川 真之
「ピエクレックス」は,ポリ乳酸を主成分とし,その圧電性によって加わった力を電気エネルギーに変え,抗菌効果を発現する繊維である.各種シャツや靴下,マスクなどの繊維製品に用いて着用し,身体を動かすことにより高い抗菌効果を得ることができる.原料が植物由来である,抗菌剤を使用しないなどの点で環境に配慮した繊維「ピエクレックス」と,さらにその生分解性を活かした,堆肥化できる素材で構成された製品づくり,使用後の回収,分別,堆肥化,堆肥利用を含む循環インフラ「P-FACTSTM」を紹介する.

(16:40−16:45)閉会の辞 
〔参 加 費〕会 員(学校)9,000円,会 員(企業・団体・官公庁) 13,000円,会員(学生)3,000円,
  非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,非会員(学生)3,300円
  ※会員は不課税,非会員は税込金額です。


第49回 消費科学講座
製品開発に欠かせない法律知識・ファッションロー
法の専門家が語るデザインの模倣〜プロモーションの現代的課題〜生成AIまで

 繊維・ファッション産業では,ファストファッションの台頭,ラグジュアリーブランドの拡大など,海外需要・グローバル化に拍車が掛り,更にはSDGsに代表される環境意識の変化など,ビジネス環境の様変わりは激しいものがあります.このような状況下,経済産業省は2023年3月,日本初のファッションローガイドブックを公開しました.
われわれが馴染んでいる法律としては特許・商標・意匠・実用新案・著作権などの知的財産法ですが,公正な競争を確保するための不正競争防止法やこの10月に施行されたステルスマーケテング(景品表示法),雇用問題(外国人労働者受け入れ等),さらに環境規制等も“ファッションロー”に含まれています.
生成AIは,あらかじめ学習したデータを基に,文章や画像,音楽など新たなデータを作り出す人工知能(AI)の総称ですが,昨今はバーチャル,メタバース,チャットGPTとさまざまなツールの躍進が目覚ましく,ここ数ケ月の進捗を見ると世界が変わる勢いがあります.
最新のテクノロジーによって繊維産業・ファッション産業がどう変わるのかは別途取り上げるとして今回の消費科学講座では,「ファッションロー」の中で,アップデートな話題を中心にお話を伺います.
ファッションロー ガイドブックを担当された経済産業省,ファッションロー ガイドブック作成に関わられた各分野のスペシャリストの方々に,さまざまな課題・事例を交えてお話をお聞きすることが実現しました.

[日時] 2023年12月1日(金)13:00〜18:00<終了しました>
[会場]  日本女子大学 新泉山館2階会議室,オンライン併用(Microsoft Teams使用)
  (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
   交通アクセス:JR山手線「目白」駅徒歩15分, 東京メトロ副都心線「雑司ケ谷」駅徒歩8分
          東京メトロ有楽町線「護国寺」駅徒歩10分
[内容]
(13:00〜13:05)開会の挨拶
(13:05〜13:20)「ファッションローガイドブック作成にあたって」
   …………経済産業省商務・サービスグループ・ファッション政策室 前川 恭徳
 経済産業省では,ファッション領域において人々が創造性を発揮できる基盤の整備と,更なる海外需要の獲得・デジタル市場への展開を通じて,持続的な価値創造を実現することが重要であると考えており,それを実現するため,昨年度「ファッションローガイドブック」を取りまとめました.今後,ファッション産業に関わる個人・事業者が,国内外で不当に不利益を被ることなく,健全な発展を目指すために,法的論点等の整理及び行動指針として策定したガイドブックを是非ご活用いただければと存じます.
(13:20〜14:30 講演1.「ファッションデザインの模倣を考える」
   ……経済産業省ファッション未来研究会ファッションローWG委員
    群馬大学情報学部 内田・鮫島法律事務所 カウンセル弁護士 山本真祐子
 ファッションデザインの保護に関する法律というと,著作権を思い浮かべる方も多いかもしれません.しかし,日本では,ファッションデザインを含む実用品のデザインは,極めて限定的にしか著作権によって保護されておりません.むしろ「不正競争防止法2条1項3号」のほうが重要です.そこで,不正競争防止法2条1項3号とは何か,法的に規制される「模倣」とはどのように判断されるのかについて,実際の裁判例から考えていきます.
 また,ファッションデザインを戦略的に守るという視点も重要です.ファッションデザインに関連する法律は複雑に絡み合っていますが,裏を返せば,少しでも知識を持っていることが大きなアドバンテージになります.デザインを守る方法はアイテムや時期などによって変わります.時間が経つと取り返しがつかないケースもありますので,最低限必要な重要ポイントを知っていただけたらと思います.
(14:30−14:40)休憩
(14:40−15:50)講演2.「ファッションプロモーションの現代的課題」
   ……経済産業省ファッション未来研究会ファッションローWG副座長
     三村小松法律事務所 弁護士/ファッションエディター 海老澤美幸
 近年のインターネットやSNSの発達により,ファッションプロモーションの手法は大きく変化し,それに伴いさまざまな課題が浮かび上がっています.たとえば,インフルエンサー等を活用したマーケティング手法が発展する中,広告であることを隠す「ステマ」への規制がスタートしました.また,コミュニティ特有のモチーフやスタイルを利用して利益を上げる「文化の盗用」や,根拠なく環境に配慮しているように見せかける「グリーンウォッシュ」も世界的に大きな問題となっています.そこで,本発表では,これらの3つのトピックを取り上げ,ファッションプロモーションにおける現代的課題について皆さんと一緒に考えたいと思います.
(15:50―16:00)休憩
(16:00―17:10)講演3.「ファッション業界における生成AI,メタバースと著作権」
   ……経済産業省ファッション未来研究会ファッションロ−WG委員
     三浦法律事務所 弁護士 池村  聡
 昨今,Chat GPTやMidjourneyをはじめとするいわゆる生成AIやメタバースが大きな話題を集めており,ファッション業界でもさまざまな活用の動きが出ています.他方で,生成AIやメタバースに関しては,著作権を始めとした種々の課題が指摘されており,利活用に際して留意すべき点も少なくない.
 本発表では,生成AIやメタバースを巡る最新の状況や議論につき分かりやすく整理するとともに,ファッション業界でこれらを利活用するためのヒントを提示したいと思います.
(17:10−17:20)休憩
(17:20〜17:50)総合討論 講師を交えての意見交換会
 ・(司会)繊研新聞社 特別編集員 藤浦 修一
 ・群馬大学情報学部 内田・鮫島法律事務所 カウンセル弁護士 山本真祐子
 ・三浦法律事務所   弁護士 池村  聡
 ・三村小松法律事務所 弁護士/ファッションエディター 海老澤美幸
(17:50〜18:00)閉会の挨拶

〔参 加 費〕会 員(学校) 9,000円,会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,会 員(学生)3,000円,
非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,非会員(学生)3,300円
 ※会員は不課税,非会員は税込金額です.


第48回消費科学講座
「私たちを守るワークウエア−求められる機能とニーズの変化」

 ユニフォーム業界では,従来の作業服からカジュアルやスポーティーなデザインへと,ニーズに合わせて変化してきており,作業性においても,より動きやすく,快適に作業が行えるよう求められる機能も日々進化をしています.また,SDGsに対する取り組みとして,学生服を中心としたジェンダー問題への取り組みや,バリアフリー衣料品開発など,多様性に対する動きが昨今加速しております.そこで本講座では,ユニフォーム業界で現在求められているデザインや昨今話題となっている暑熱対策機能,学生服業界で取り組みが進むジェンダーレス制服の導入背景や,ワークウエアに求められる機能やニーズの変遷および業界の最新情報について紹介します.時代とともに変化するワークウエアに求められる機能,ニーズの変化や多様性への取り組みについて,一緒に考える機会としたいと思います. 

〔日 時〕 2023年10月6日(金) 11:00〜16:55<終了しました>
〔会 場〕 ド−ンセンタ−5階大会議室2、オンライン併用(Microsoft Teams使用)
     (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
      交通アクセス:京阪天満橋・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分
〔内 容〕
基調講演  「私たちを守るワークウエアに求められる機能やニーズの変遷」  
   ………… 一般社団法人 日本ユニフォーム協議会  参与 佐野 勝彦
 スポーツやアウトドアアパレルで培われたハイエンド素材の普及、熱中症対策や防寒デバイスの一般化、カジュアルでスポーティな味付けのデザインなど、ワーキングアパレルの進展が著しく、企業ユニフォームに取り入れる動きも盛んである.一方で、コロナ禍を契機にユニフォームの価値観が変化し、従来では考えられなかったアイテムの台頭と、伝統的旧来型スタイルの退潮があり、また、従来は男性の牙城であった職場である建築やトラック輸送などへ女性が進出することによる、ユニフォーム選定の戸惑いなども生じている. 学校制服では、男女差を際立たせるようデザインされた詰襟、セーラー服に代わり、ジェンダーレスを重視したユニセックスのブレザースタイルを制定する学校が増えている.一般ファッションでは、服を見る目からうろこが落ちた生活者が増えている現実を踏まえ、従来の差別化や意味性、トレンド重視から、衣服の原点に立ち返った商品企画が増え、社会的ムーブメントであるエコ化やSDGsへの取り組みなど、後戻りできない変化が静かに進行していることなども報告したい.

事例紹介1 「スポーツ衣料での動的機能や機能素材を応用したワークウエア」
   …………ミズノ株式会社 田中 啓之
 様々な環境下で使用されるワークウエアは、競技スポーツと同様、作業者のパフォーマンスを高める機能が求められる.弊社では、スポーツウエアの設計技術を応用し、身体の動きや状態を可視化・数値化することで「動的快適性向上」「身体負荷軽減」を目的とするワークウエアを開発している.今回は、独自の設計手法による製品開発事例と、新たな研究開発拠点ミズノエンジンでの今後の展望について紹介する.

事例紹介2 「多様性に対応するジェンダーレス制服の紹介」 ………… 菅公学生服株式会社 川井 正則
 多様性への配慮を目的に誕生した,性差を感じさせない「ジェンダーレス制服」.近年はSDGsの浸透もあり採用校が増加しています.「生徒の個性や意思を尊重した取り組み」との評価がある一方で、「奇異の目で見られないか心配」といった懸念する声もある.制服の製造販売を行う観点から,「ジェンダーレス制服」誕生の背景や正しい運用について紹介する.

事例紹介3 「ワークウエアにもとめられる暑熱機能の最前線」 ………… 株式会社リブレ 堀井 邦彦
 ワークウエア業界では夏用作業服の暑熱対策がとられており,これまで電動ファン付きウエアが広く着用されてきた.昨今の酷暑対策として,新たに水冷服やペルチェ素子を使用した暑熱対策服が開発されている.空調・水冷・ペルチェ素子の機能の違いや,それぞれに適した作業環境の違いについて紹介する.

事例紹介4 「食品工場のユニフォーム〜安心・安全な食品を作る為の特別なウェア〜」 
   ………………… ミドリ安全株式会社 吉田孝保
 訪日客土産に人気のスナック菓子、低価格・高品質のコンビニ飯、技術の結晶フリーズドライ・インスタント食品など、世界に誇る日本の加工食品.それは、多くの事件や事故を経て求められてきた厳しい衛生管理対策に依るものである.それを支えて来たのが食品工場専用のユニフォームであり、一般ワーキングウェアとは全く違う進化をしてきた.独自の進化を遂げた食品工場ユニフォームの基本的な考え方と、近年の動向、今後の展望と可能性を紹介する.

16:50〜16:55 閉会の挨拶 

〔参 加 費〕会 員(学校)9,000円,会 員(企業・団体・官公庁) 13,000円,会員(学生)3,000円,
非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,非会員(学生)3,300円
※会員は不課税,非会員は税込金額です。


第47回消費科学講座
繊維産業成長戦略を考える
〜成長シフト化に向けて〜


 近年,日本国内の繊維産業の衰退が顕著である.経済産業省発表の「2030年に向けた繊維産業の展望」いわゆる「繊維ビジョン」において,国内繊維産業 市場規模は,約30年前から半減.また,国内繊維工業事業所数も,約20年前から半減したことが示されている.これらは,国内繊維産業の縮小を統計的に示 すに留まらず,日本国内の繊維産業を支えてきた人材,生産設備,技術(研究知見,知財権)も,急速に減少していることを示すに他ならない.この理由とし て,この展望では,人口構成変化,グローバル化,環境配慮型社会への対応,デジタル化,生活者の行動変容などが,大きく影響していると考えられている.今 後の国内繊維産業の発展を目指す上では,この展望にある「デジタル化」「サステナビリティ」「海外進出」といった方向性を軸に,繊維産業以外の産業種から 繊維産業への取り込みを計るなど,繊維産業がその枠を超え,成長産業へのシフトを果たすべき必要がある.
 本講座では,「繊維ビジョン」の示す今後の展望への具体的アプローチとして,生活様式の変化や人材育成にかかる提言を含め,大学の研究教育者に基調講演 をお願いした.続いて海外市場への参入として日本の伝統工芸が世界で評価されている事例,そして商品のライフサイクルを切り口として,長く愛される商品や ブランドの価値,老舗百貨店が挑むファッションのサブスクサービスの事例,最後に今後可能性が期待されるメタバースの事例を紹介し,これからの日本の繊維 産業の発展と未来に向けて,共に考える機会としたい.皆様のご参加をお待ちしております.

[日 時] 2023年2月10日(金)11:00〜17:10<終了しました>
[会 場] オンライン開催(Microsoft Teams会議使用)
[内 容]
(11:00〜11:10)開会の挨拶

(11:10〜12:10)基調講演 「2030年に向けた繊維産業の展望(繊維ビジョン)を受けて 〜生活様式の変化と人材育成〜」
  ・・・神戸大学 人間発達環境学研究科教授 井上真理
 繊維ビジョンの狙いと,その目指すもの.消費者を中心としたニーズや消費行動,特に,消費科学(人,モノ,情報,生活)に関係した話題を提供する.繊維産業の発展を目指す上で必要な,人材の教育,育成のあるべき姿についても,衣環境や感性工学的な見地から提言したい.

(12:10〜13:10) 休憩

(13:10〜14:00)海外市場参入テーマ 事例紹介1.「世界で戦えるファブリックとは」
  ・・・株式会社細尾 金谷博
 西陣織の職人である同氏が,東京オリンピックの衣装を手掛け,また世界の有名ブランドや高級ホテルからの引き合いが止まらない.西陣織の価値をいかに表 現するか.また,新たな用途展開に応じて,その織物の表情を進化させる技術力・芸術性の高さは,世界から認められるものであることを実証している.様々な トライアンドエラーを繰り返し,西陣織の新たな市場獲得にチャレンジし続ける同氏に,今,メディアの注目も集まっている.今後の繊維業界の未来について迫 る.
※本講演は,座長との質問形式で行います.

(14:00〜14:10) 休憩

(14:10〜15:00)商品ライフサイクルテーマ 事例紹介2.「時を生きる価値と永く愛される価値:ブランドビジネスの栄枯盛衰とこれからのトレンドを占う」
  ・・・HERALBONY 川ア瑶子/鎌田玲子
 世界的ラグジュアリーのリテールを歴任してきた目線と,日本の繊維産業でデザイン,ブランド構築に長年従事してきた2つの異なる目線.知的障がいのある アーティストが描き出すアートをプロダクトやアパレルに落とし込み社会に一石を投じるブランドHERALBONY.これまでのブランドビジネスとは一線を 画した,福祉を超えた唯一無二の価値創造.異なる道を歩んできた2人がちがう世界を描き出すHERALBONY に参画したのは?デザインとブランディングの両側面からこれからのファッションビジネスの方向を紐解く.

(15:00〜15:10) 休憩

(15:10〜16:00)サステナビリティテーマ 事例紹介3.「創業400年超,老舗百貨店が進める社内ベンチャー型ビジネスモデル変革 ファッションサブスクリプション AnotherADdress」
  ・・・株式会社大丸松坂屋百貨店 経営戦略本部 DX推進部 アナザーアドレス 事業責任者 田端竜也
 大丸松坂屋百貨店が2021年3月に立ち上げた「百貨店初のサブスクリプション事業AnotherADdress(アナザーアドレス)」。なぜ老舗百貨店がものをシェア/レンタルする,サブスクリプション型の事業に参画したのか,事業立ち 上げの経緯や意図は?また,2年間で見えたインサイト,既存事業とのシナジーについて講演する.

(16:00〜16:10) 休憩

(16:10〜17:00)デジタル化テーマ 事例発表4.「BEAMSメタバース店とは---メタバースでの役割を見出す」
  ・・・・・株式会社ビームス 社長室コーポレートコミュニケーション部 広報課 木下香奈
 2020年から5度のバーチャルマーケットへの出店を経て,メタバース店の役割を見出しつつあるBEAMS.バーチャル接客でエンゲージメントを高め, デジタルツイン商品をD2A(direct-to-avatar)販売し*,ファッションコミュニティに寄り添う企画を続け,リアルとの境界が曖昧になり 始めた.無限大の可能性に挑戦する楽しさを語る.本講座では,実際にバーチャル空間をデモンストレーションし,その世界を体感いただく.(*:店舗で販売 しているリアル商品を3DCGに起こし,お客様のアバターがメタバース内で着用するアイテムとして販売すること.)

(17:00〜17:10) 閉会の挨拶

〔参加費〕 会 員(学校) 7,000円,会 員(企業・団体・官公庁)10,000円,会 員(学生)2,000円
  非会員(学校)11,000円,非会員(企業・団体・官公庁)15,000円,非会員(学生)2,200円
  ※会員は不課税,非会員は税込金額です.


第46回消費科学講座
『コロナ後のアパレル産業』
〜withコロナから未来のアパレル産業を望む〜


 新型コロナ感染症の拡大は、マスクなど個人を含む防護具の需要を喚起し、抗菌や抗ウイルスといった安全性に関わる加工や素材を浸透させるなど繊維製品そのものの需要に影響を与えている。
 一方、最近こそ行動制限が緩和され人流も活発になってきているが、感染症拡大初期は極度の外出制限を行い、買物という消費行動が制限された。そんな中、 活発になったのがe-コマースなどECサイトの拡大である。通信販売自身は珍しいものではないが、衣類の通信販売(ECサイト)は生地の触り心地が分から ない、サイズがあうか分からないという不安から中々拡大しなかったが、現在では気楽に返品・交換できる体制も整い、衣類のECサイトは一般的になってき た。この流れは今後も一定水準は継続されると思われる。
今回の消費科学講座では、コロナにより変化した消費行動を支えるアパレル側の研究や、安全・衛生に工夫を凝らした素材を紹介する。

[日 時] 2022年11月25日(金)12:50〜17:10<終了しました>
[会 場] オンライン開催(Microsoft Teams会議使用)
[内 容] 
(12:50〜13:00) 開会の挨拶
(13:00〜14:00) 基調講演 「繊維産業の進むべき方向性」〜withコロナから2030年までを見据えて〜
  ・・・・・・・・・・経済産業省 製造産業局 生活製品課 課長補佐 吉村 晃一
 経済産業省では未来に繋がる繊維技術の創出や繊維産業の国際的競争力維持の観点から2022年5月に『繊維技術ロードマップ』を取りまとめた。本講演では、この中から、コロナ以降のアパレル産業の方向性についてサステナビリティやデジタル化の動きを踏まえ紹介する。
(14:00〜14:10) 休憩
(14:10〜14:50) 事例紹介1 「衝撃吸収素材“スパンドール”」
  ・・・・・・・・・・クラレ西条(株) クラベラ工場 クラベラ生産開発部 山ア 康平
 コロナ禍で人混みの中に出かける機会が減る一方で、登山やマラソン、自宅でのフィットネス等のスポーツ需要が増えてきている。
 スポーツなどで使用されているインナーソールや靴下は衝撃吸収性を持たせたいが、一般的な素材では通気性が低く快適性が不足する課題がある。これらの課題を解決するため、クラレトレーディング(株)は衝撃吸収樹脂を繊維形状にした衝撃吸収素材〈スパンドール〉を開発した。本講座では、衝撃吸収〈スパンドー ル〉の機能性と共に衣料用途だけに限定しない、資材向けなどの新たな用途展開について紹介する。
(14:50〜15:00) 休憩
(15:00〜15:30) 事例紹介2 「ECサイトにおける布の風合い表現と消費者の意識」
  ・・・・・・・・・・鎌倉女子大学 谷 祥子
 ECサイトを利用した衣服の販売において、布の風合い情報を消費者に伝えるのが難しい。ECサイトでは「商品画像」と「商品に関する説明」により、布の 風合いが表現されているが詳細な指標はない。一方、消費者は風合いに関する情報、特に「厚さ」、「透け感」、「ドレープ」や「ハリ」についてより詳細な情 報を求めていることが判明した。
(15:30〜15:35) 休憩
(15:35〜16:15) 事例紹介3 「タオルを育てるコト」
  ・・・・・・・・・・(株)英瑞 代表取締役社長 佐藤 昌子
 タオルメーカーとして50年歩んできて、果たしてこのまま大量に生産し続けることが正しいのか、タオルの進化はこれ以上あるのかと立ち止まった時に出 会った新しい糸。消耗品として生産してきたタオルたちを愛用品に変えてくれた出会い。そこから生まれた「育てるタオル」を育んできた10年とこれからの 「育てるタオル」を語る。
(16:15〜16:20) 休憩
 (16:20〜17:00) 事例紹介4 「ヒトの体温を感知して、触れたカラダをやさしく包み込む新触感素材-HUMOFITのご紹介-」
  ・・・・・・・・三井化学(株) ICTソリューション事業本部 企画管理部 新製品開発G 上田 剛史
 新型コロナ及びCE・CNと言った激変する環境下、三井化学は素材メーカーとして保有する製品・技術等を活用、従来の視点を大きく変え、新しい価値を提 供できる製品創出に取り組んでいる。「HUMOFIT」は、「フィット感」と「ホールド感」といった感覚的価値を尖った形で提供でき、昨今の機能的価値 から情緒的価値へのパラダイムシフトに呼応した新素材である。
(17:00〜17:10) 閉会の挨拶

〔参 加 費〕会 員(学校) 7,000円,会 員(企業・団体・官公庁)10,000円,会 員(学生)2,000円
  非会員(学校)11,000円,非会員(企業・団体・官公庁)15,000円,非会員(学生)2,200円
  ※会員は不課税,非会員は税込金額です.


第45回消費科学講座
「環境配慮の考え方と素材例」


 地球環境問題が深刻化している近年、環境保全の意識が高まってきており、企業・個人にも積極的な取り組みが求められています。その中で繊維産業分野では『環境配慮型素材』が一つのキーワードとなっています。『環境配慮型素材』と一口に言ってもリサイクル素材、生分解性素材、カーボンニュートラル素材、海洋プラスチック汚染対策素材など様々なアプローチがあり、製品開発が行われています。また、製品の環境に対する側面を表示/発信するための「環境ラベル表示」については、ISO14020に、第三者認証、企業の自己宣言、LCA(ライフサイクルアセスメント)データ表示の3つのタイプが規定されており、このような考えに基づき、各企業が製品やサービスに『環境配慮型』の環境ラベル表示をする例が増えてきております。
 製品開発や外部への発信において、環境対応の重要度が増す中、この分野の基本と動向を知る事は、企業・個人にとって欠かせません。そこで本講座では境配慮型素材に関する世界の動きや基本ルールを化繊協会の大松沢技術グループ長に、環境ラベル表示についてはエコマーク事務局の佐野様に、また、バイオマス原料を100%用いた製品や生分解性素材、製品廃棄段階のCO2削減に特徴を持つ製品事例について、各メーカーの講師様からご講演いただきます。
 なお、環境配慮型素材の主軸であるリサイクル素材については,第42回消費科学講座(2021年7月15日開催)で取り上げましたので、そちらの行事レポート(学会誌2021年9月号)をご参照下さい。
 本講座の最後には各講師を交え、総合討論も行われます。皆様が、環境配慮型素材の現状と今後の展開を考える機会としたいと思います。ぜひご参加ください。

〔日 時〕 2022年5月18日(水) 10:55〜17:00<終了しました>
〔会 場〕 オンライン開催(Microsoft Teams会議使用)
〔内 容〕
10:55〜11:00 開会の挨拶
11:00〜12:00 基調講演1 「化学繊維産業のサステナビリティ取組みについて」  
  ………… 日本化学繊維協会 技術グループ長 大松沢明宏
 近年、気候変動や水不足、資源の枯渇、大気汚染、海洋汚染などの地球規模の環境問題の深刻化を背景に世界の持続可能性への懸念や関心が高まっている。こうした中、日本の化学繊維産業は低炭素型・資源循環型の持続可能な産業を志向して転換を進めている。石化由来原料から植物由来原料へのシフト、再生原料の利用、繊維to繊維リサイクルの実現などをはじめ、省資源、省エネ、低炭素化、空気や水の浄化等に寄与する繊維素材や製品の開発を通じてその寄与を高めていくことが期待されている。
 化学繊維産業のサステナビリティ取組みの現状と今後の方向性、環境問題に寄与する繊維の類型や考え方について解説する。
12:00〜13:10 休憩 
13:10〜14:10 基調講演2 「エコマークを通じた環境ラベル・環境宣言の基礎と素材評価について」  
  ………… 公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局契約監査課 佐野裕隆
 持続的に発展可能な社会を目指して地球環境保全に取り組む企業は多く、取組をステークホルダーと共有するために、適切かつ効果的な環境コミュニケーションが求められています。国際規格ISOが作成した環境ラベル及び宣言規格14020シリーズは、購入者等が製品・サービスを選択する際に環境特性、環境側面等に関する情報を利用し、環境配慮製品が市場で普及することを目的と環境コミュニケーションツールです。本講演は、ISO14024規格に基づき日本国内で唯一実施しているエコマークを通じてISO14020シリーズを紹介するとともに、ISO14000シリーズ関連規格であるライフサイクルアセスメント、環境ラベル・環境配慮型素材に関する海外の情報についても紹介します。
14:10〜14:15 休憩 
14:15〜14:45 事例紹介1 「植物由来ナイロン11 CASTLONの紹介」
  …………… ユニチカトレーディング株式会社 技術開発部 P古晋弥
 地球温暖化対策としてカーボンニュートラルの取組みが世界規模で求められる中、植物由来の原料を使用したポリエステルやナイロン等のバイオマス素材は従来の石油原料にとって代わる環境配慮型素材として開発が進められています。
 ユニチカトレーディングの「CASTLON」は唐胡麻の種子から採れるヒマシ油を原料とした100%植物由来のナイロン11繊維であり、カーボンニュートラル・生産現地の貧困改善に貢献しています。本講演では「CASTLON」の生産における環境貢献と機能性について紹介します。 
14:45〜14:50 休憩 
14:50〜15:20 事例紹介2 「生分解素材 生分解性樹脂:PBS(BioPBS)の紹介」
  …………… 三菱ケミカル株式会社 曽田直紀
 製品の「廃棄」における環境貢献の一つとして「生分解性素材」があげられる。ただし、生分解性樹脂には様々な種類があり、「土中」だけでなく、さらにほかの分解条件(高温、高湿度など)を要するものがある。
 三菱ケミカルが開発したPBS(BioPBS)は土中において常温でも生分解し、「廃棄」における環境負荷を低減することが期待出来る。
 日本においてまだまだ発展途上な「生分解素材」関して、PBS(BioPBS)の開発経緯や認証制度を交えながら製品特徴を紹介する。
15:20〜15:25 休憩 
15:25〜15:55事例紹介3 「新しい環境配慮型素材「オフコナノ」」
  ……………… シキボウ株式会社 開発技術部 辻本裕
 地球温暖化は大気中の温室効果ガス濃度の上昇によるもので、近年、頻発する異常気象も地球温暖化が原因と言われています。各国は二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスのさらなる排出削減に取り組んでいます。私たちの消費活動のなかで衣料品の廃棄について調べてみると、廃棄される衣料品のうち約70%は焼却処分されています。
 そこでシキボウは、燃焼時に発生する二酸化炭素の量を大幅に削減するポリエステル繊維 、「オフコナノ」を開発しました。
 オフコナノは、衣料品や資材用途に展開する素材で、ポリエステル繊維に炭化促進剤を練り込むことで、繊維製品が廃棄後、焼却処理される時の、CO2の排出を大幅に軽減する素材です。
15:55〜16:10 休憩 
16:10〜17:00 総合討論 ………  講師全員 (司会者:株式会社繊研新聞社 藤浦修一)
 本討論会では各講師と参加者の意見交換を行います。

〔参 加 費〕会 員(学校)7,000円,会員(企業・団体・官公庁) 10,000円,会員(学生)2,000円,非会員(学校)11,000円,非会員(企業・団体・官公庁)15,000円,非会員(学生)2,200円 ※会員は不課税,非会員は税込金額です。


第44回消費科学講座
女性のウエルネス課題をテクノロジーで解決する
〜フェムテック〜


 厚生労働省「令和2年版働く女性の実情」によると、女性の労働力人口は、労働力総人口の44.3%を占め、働く女性はこの30年間で増加し続けています。一方、女性は、生理、妊娠、更年期など、ライフステージに応じて様々な健康課題が出現します。しかし、その多くはタブー視され、課題が課題とも認識されていない状況にあると言っても過言ではありません。女性の社会進出や多様な生き方が進む中で、ライフプランとキャリアプランの整合的な併存を可能にすることは不可欠であり、ひいては社会全体にポジティブな影響をもたらすことに繋がるのではと思います。
 近年、女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」(Female+Technology)という産業が日本でも拡大しつつあり、2021年3月の経済産業省「働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本経済に与える効果と課題に関する調査報告書」では、その市場は2025年までに2兆円に昇ると予測されています。
 現在、日本でのフェムテックの認知度はまだ低く、産業としても新しい分野のため、その普及や拡大の方向性は未知数とも言えます。本講座では、女性の潜在的な健康課題を知り、テクノロジーで解決する方向性を探っていきたいと思います。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

〔日 時〕 2022年3月24日(木)13:00〜17:45<終了しました>
〔会 場〕 オンライン開催(Microsoft Teams会議使用)
〔内 容〕
13:00〜13:10 開会の挨拶

13:10〜14:40  基調講演1 女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」とは
  …………fermata株式会社 CCO兼代表取締役 中村 寛子
 「フェムテック」の成り立ち、女性の健康課題の現状とそれらを解決するために展開されているフェムテック製品やサービスを海外での事例も含めて紹介し、なぜ今、日本に「フェムテック」が必要なのかを解説します。また、今後、フェムテック産業を普及・拡大させていくにあたって必要になる承認などの諸課題についても解説します。

14:40〜14:50  休憩

14:50〜15:30  事例紹介1 生理日管理ツールから女性の健康プラットフォームへ ルナルナ20年の変遷と今後の展開
  …………株式会社エムティーアイ ヘルスケア事業本部 ルナルナ事業部 副事業部長 那須 理紗
 生理日管理ツールとして誕生し、女性の健康プラットフォームそして産婦人科と利用者をつなぐDXを実現するサービスへと発展。さらに大学との共同研究や啓発活動などを通して、女性をエンパワメントするブランドとしても拡大中です。「フェムテックの元祖」とよばれるルナルナが、どのように変遷してきたかをご紹介します。

15:30〜16:10  事例紹介2 フェムテックライン〜sign for URBAN RESEARCH〜について
  …………株式会社アーバンリサーチ 川畑 幸美
 フェムテックライン「sign for URBAN RESEARCH」立ち上げの経緯、開発秘話、展開アイテムなどの紹介、また今後の展望などについてのお話しをします。

16:10〜16:20 休憩

16:20〜17:00  事例紹介3 女性のライフイベントに寄り添ったフェムテックブランド「整TOTONO」
  ……株式会社ナイガイ 執行役員 土屋 聡子
 女性のライフイベントに寄り添ったフェムテック商品「整 TOTONO」製品の開発に至るまでと、「TERAX CARETECT(テラックスケアテクト)」特殊鉱石プリントの特徴についてお話します。

17:00〜17:40  事例紹介4 医療モールを自分をケアする場所へ 医療ウェルネスモール「Welpa」
  …………株式会社パルコ ウェルネス事業部 部長 森田幸介
 パルコは、新しいコンセプトの医療モール「Welpa(ウェルパ)」を2021年11月に開業しました。新規事業としてパルコがウェルネス事業を立ち上げた経緯や、医療モール内で「フェムテック」が果たす役割、今後事業を通じて実現したいことについてお話します。

17:40〜17:45 閉会の辞

〔参 加 費〕会 員(学校)7,000円,会 員(企業・団体・官公庁) 10,000円, 会員(学生)2,000円,非会員(学校)11,000円,非会員(企業・団体・官公庁)15,000円,非会員(学生)2,200円  ※会員は不課税,非会員は税込金額です


第43回消費科学講座
第三者認証による公正なコミュニケーション
〜サスティナブル/エシカルな製品の認証〜


 繊維産業分野を取り巻く環境は大きく変化してきており,繊維製品自体に含まれる有害物質だけでなく,製造過程での排水や排気として排出される有害物質に関する問題や,繊維製品自体の廃棄問題などがあります.また,化学繊維だけでなく天然素材においても,植物繊維のオーガニック素材の栽培から流通,動物素材は動物愛護精神の高まりとともに,コンプライアンスに則った原料の採取から適正なサプライチェーンの確立が強く求められており,業界として企業として取り組むべき重要な課題となっています.こうした法規制や社会的要請がより厳しくなるなか,持続可能な原材料の調達や環境・社会的配慮につながるさまざまな認証制度が存在します.
 現在,多くの認証制度や認証ラベルが存在するなか,何がどのような意味を持っているのか,どの分野をテーマとしているのか,またそれぞれ存在する認証についてどこに相談や申請をするのか,分かり難い状況でもあるため,それぞれの認証制度の内容や,日本国内での認証機関を理解する機会にしたいと思いますで,皆様のご参加をお待ち申し上げます.

〔日 時〕 2021年12月10日(金)13:00〜17:20<終了しました>
〔会 場〕 オンライン開催(Microsoft Teams会議使用)
〔内 容〕
13:00〜13:10 開会の挨拶
13:10〜14:10  基調講演「認定・認証について・・・進化を続ける適合性評価」
   …………独立行政法人製品評価技術基盤機構 認定センター所長  坂元 耕三
 NITEの適合性認定分野を担当する認定センター(IAJapan)は,公的認定機関として試験所・校正機関・製品認証機関・標準物質生産者を国際規格に基づいて認定し,試験・校正データの信頼性や製品の品質を支えている.
講演では,認定・認証の意義や必要性,世界の潮流,適合性評価制度の仕組みについて紹介する.

14:10〜14:20  休憩
14:20〜15:05 事例紹介「エコテックス(OEKO-TEX)の取組み」
   …………一般財団法人ニッセンケン品質評価センター ライフアンドヘルス事業本部   山崎 利明
 繊維産業の課題を「認証」という形で解決するエコテックス.1992年の発足から製品の有害化学物質に関連する評価,認証を進めてきた.最近では,環境問題への対応や労働環境,企業の社会的責任などまで含めた生産工場のサステナビリティや製品製造におけるサプライチェーンをエコテックスの認証を用いて,包括的に管理する仕組みまでエコテックスの取組みについて紹介する.

15:05〜15:50  事例紹介「Textile Exchange が所有するリサイクル及びオーガニック認証について」
   …………一般財団法人ケケン試験認証センター 認証事業部 丸茂 征也
 Textile Exchange が所有する規格は,リサイクル材料使用製品におけるリサイクル成分及び生産条件の検証であるGRS認証や,オーガニック環境で栽培された材料の使用製品についてその供給源から最終製品までを追跡するOCSの認証,動物福祉・環境に配慮した羊毛及び使用品の検証であるRWS等があるが,その中で,リサイクル,オーガニック関係の認証基準に焦点を当てTextile Exchange 認証の特徴について紹介する.

15:50〜16:00  休憩
16:00〜16:30  事例紹介「羽毛原料のトレーサビリティ認証 DOWN PASSについて」
   …………一般財団法人日本繊維製品品質技術センター 適合性評価センター 水田 陽介
 国際的な動物愛護精神の高まりとともに,コンプライアンスに則った羽毛原料の採取と適正なサプライチェーンの確立を目的とした「DOWNPASS」認証について、トレーサビリティ監査の内容も交えて紹介する.

16:30〜17:15  事例紹介「生分解性プラスチックに関する識別表示制度について」
   ………… 一般財団法人化学物質評価研究機構 東京事業所 高分子技術部 菊地 貴子
 日本バイオプラスチック協会にて制定された,生分解性プラスチック素材に対する「生分解性プラ」の識別表示制度について,識別表示の概要や評価方法について,海洋における生分解評価方法も交えて紹介する.

17:15〜17:20 閉会の辞

※認証基準保有団体の紹介
◇OEKO-TEX スイスに本部を置く欧州15ヶ国と日本の独立した検査研究機関が加盟する国際共同体
◇Textile Exchange アメリカに本部を置くNPO法人(認証基準保有団体)
 リサイクル材料使用品に対する認証規格 GRS(Global Recycled Standard)
 リサイクル品に対する認証規格 RCS(Recycled Claim Standard)
 オーガニック生産材料の使用品に対する認証規格 OCS(Organic Content Standard)
 動物福祉・環境に配慮した毛及び使用品に対する認証規格 RWS(Responsible Wool Standard)
などの認証基準を保有している.
◇DOWN PASS ドイツのDOWN PASS e.V(社団法人ダウンパス)が定めた認証基準
 羽毛原料の採取と適正なサプライチェーンに関するトレーサビリティ監査制度.
◇日本バイオプラスチック協会
 バイオプラスチック(生分解プラスチック・バイオマスプラスチック)の普及促進と試験・評価制度の確立を目的に設立された民間団体.日本における生分解性プラスチック及びバイオマスプラスチックの識別表示制度の管理・運営を行っている.

〔参 加 費〕会 員(学校)7,000円,会 員(企業・団体・官公庁) 10,000円,学生2,000円,非会員(学校)11,000円,非会員(企業・団体・官公庁)15,000円,非会員(学生)2,200円
※会員は不課税,非会員は税込金額です


第42回消費科学講座
どうなる? 繊維リサイクル


 持続可能な開発目標(SDGs)は,2016年1月から実施を開始して5年目となり,社会の中にSDGsが浸透し始めています.このコロナ禍の中でも, すべての人にとってより良い暮らしを築くために,政府のみならず,企業や市民社会組織,アカデミアなどすべての関係者のSDGsへの積極的な貢献が望まれ ます.待ったなしの環境問題,地球温暖化,資源の枯渇,さらにはG20大阪サミットで喫緊の課題として議論された「海洋プラスチック問題」などがあり,組 織として企業として取り組むべき重要課題です.
 繊維産業分野では,化学繊維のリサイクル技術が長年発展してきたことはもちろん,近年の技術開発や用途展開によって,これまで廃棄されていた製品がリサ イクル可能となったり,自社製品のリサイクルを事業としてより積極的に運用するなど,「リサイクル」が本格的に社会に実装されようとしています。また,事 業とSDGsへの貢献を継続していくためには,製品の付加価値をさらに高める視点も欠かせません。
 永年,繊維リサイクルに取り組まれてきた事例,リサイクルの最近の事例と動向,そして環境には避けて通れない海洋プラスチックごみ問題など・・・,地球 環境問題は,生活に大きな影響を与え続けています.私たちには何ができるのか,皆さんとともに考える機会にしたいと思います.

〔日 時〕 2021年7月15日(木)13:00〜17:00<終了しました>
〔会 場〕 Webinar方式(Microsoft Teams会議使用)
〔内 容〕
13:00〜13:05 開会の挨拶 

13:05〜14:00 講演「26周年を迎えたリサイクルポリエステル エコペットR」
   …………帝人フロンティア株式会社技術・生産本部 THINK ECO推進チーム   藤原 敬久
販売開始から26年の歴史を持つ、帝人フロンティアのリサイクルポリエステル エコペットR について、ポリエステルのリサイクル手法や、今までの販売事例、今後の展開についてご紹介する。

14:00〜14:55 講演「世界初・使用済みの紙おむつを新たな紙おむつに再生する」
   …………ユニ・チャーム株式会社 Recycle事業準備室 和田 充弘
 ユニ・チャームでは,使用済みの紙おむつを新たな紙おむつに再生する事業を始めている.使用済み商品を破砕し,取り出したパルプをオゾンで滅菌し,新品のパルプと同等の品質に戻す技術を開発した.紙おむつの「水平リサイクル」について事例を用いて紹介する.

―(休憩10分)―

15:05〜16:00 講演「海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて」
   …………CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)事務局 技術統括 柳田 康一
 2019年6月のG20において,2050年までにプラスチックごみによる海洋汚染をゼロにする国際目標「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を打ち出 してからおおよそ2年が経つ.CLOMAで海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて取り組んでいることや企業各社・関連団体の活動について紹介する.

16:00〜16:55 講演「未来の洋服「COVEROSSR?(カバロス)」とは?」
   ……………… hap株式会社 代表取締役  鈴木 素
 リサイクル資源効率を向上させるうえで最も大切なのは,長期にわたって衣服をご愛用いただくことであり,高品質で長く使用できる衣服を提供することがポ イントとなる.COVEROSSR?とはhap株式会社の登録商標で,1枚の布地や繊維製品に同時に10以上の快適多機能性をカスタマイズ付与出来る技術 である.長くご愛用いただくためにパーソナライズ機能製品やサービスを想像し,同時に機能付与時の水使用量を90%,化学薬品使用量を50%削減し,地球 環境負荷削減を実行するCOVEROSSR?テクノロジーを通して,人々のより良い,より健康的なライフスタイルへの貢献を目指している.

16:55〜17:00 閉会の辞

〔参 加 費〕会員(学校)5,000円,会員(企業・団体・官公庁) 8,000円,学生2,000円,非会員(学校)8,800円,非会員(企業・団体・官公庁)11,000円,非会員(学生)2,200円 ※会員は不課税,非会員は税込金額です

第41回消費科学講座
「繊維は酷暑を克服できるのか?」
−夏場の運動やビジネスシーンにおける最適な衣料とは−


 2019年に開催された「国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)」での地球温暖化対策は、市民活動家の登場もあってか、市民生活を脅かす身近な問題として認識されるようになりました。その中で、近年、身近な暑さ対策として注目を集めているのが、クーリングアイテムです。接触冷感のあるインナーシャツは、オフィスでのクールビズの普及と相まって、夏衣料の中心となりました。また、電動ファン付きジャケットは、建設業を中心に、広く活用されるようになりました。さらに、若い女性を中心に、小型のハンディ扇風機がブームとなりました。これらは、体温を直接下げる働きのあるものや、汗を素早く乾かすもの、冷たいと感じる感覚に働きかけるものなど、クーリングのレベルはさまざまです。その一方で、消費者は、労働やスポーツといった場面において、いつ、どのような場面で、これらのアイテムを使えばよいのか、判断が難しい側面もあります。特に、間近に迫った2021年の東京五輪は、夏の酷暑で行われます。競技者のみならず観戦者の暑さ対策には、産官学含めた早急な対応と、正しい知識の啓蒙が必要です。
 本講座では、暑熱関係の学識者やクーリングアイテムを開発するメーカーを交えた講演から、幅広く最新の情報を知ることが出来ます。クーリングの正しい知識を学び、厳しい夏の酷暑を乗り切ろうではありませんか。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

※この講座は、2020年5月、新型コロナウイルス感染拡大の状況をうけ、一旦開催を中止しましたが、今般、最新の内容を加え、オンラインにて開催するものです。

〔日時〕(前編)2021年5月20日(木)13:00〜16:40、(後編)2021年5月21日(金)13:00〜16:40<終了しました>
〔開催方法〕オンライン開催(Microsoft Teams)
〔内  容〕
(前編)5月20日(木)
(13:00〜13:10)開会の挨拶
(13:10〜14:40)1.基調講演「身体運動と体温制御機構」
  …………………………………………………………独協大学 依田珠江
 夏の猛暑はすでに当たり前になっており、日常生活、そしてスポーツ等の身体活動時において、暑さからいかに体を守るか、つまり体温上昇を防ぐかということが重要になっている。本講演では体温調節、特に耐暑反応を中心に概説し、スポーツ時の暑熱対策について紹介する。

(14:40〜14:50) 休憩
(14:50〜15:40)2.事例発表「酷暑対策を手助けするユニークな繊維紹介」
   ………………………………………………クラレトレーディング株式会社 小野木祥玄
 東京オリンピックのマラソン開催場所が避暑を理由に札幌へ変更されたことが記憶に新しいが、今夏も平年並みか高い予想となっている。加えて製品のサステナビリティ・環境対応が叫ばれる中、企業においても更に機能性が高く、環境負荷が低い製品が望まれている。本講演では、接触冷感性や遮熱性にフォーカスした弊社機能性繊維を紹介する。また繊維開発を通じた、環境負荷低減に向けた弊社の取り組みを紹介する。

(15:40〜15:50) 休憩

(15:50〜16:40)3.事例発表「アスリートを救え。スポーツにおける暑熱対策」
   …………………………………………株式会社アシックス スポーツ工学研究所 福田 誠
 真夏の東京五輪開催において、アスリートの暑熱対策は、競技能力の保持や体調管理を考えるうえで、極めて重要である。スポーツにおける暑熱対策は、吸汗速乾や接触冷感といった繊維材料が中心であるが、近年、アパレルの電動化やウエラブル技術に急速な進展がみられる。ここでは、アスリート向け暑熱対策として、電動ファン付きジャケットを開発した背景について、最新のトピックスを交え紹介する。

(後編)5月21日(金)
(13:00〜13:05)開会の挨拶
(13:05〜14:35)4.基調講演「現場応用を目的とした熱中症対策研究 ―ウエアラブル深部体温計の開発と実用的クーリング」
   ………………………………………………労働者健康安全機構 時澤 健
 近年多くのウエアラブル製品が開発され流通するようになったが、熱中症リスクを評価するためには、深部体温のウエアラブル測定技術が必要となる。講演者は村田製作所と共同でその開発に取り組んでおり、その一部を紹介する。また、労働現場を想定した実用的なクーリング方法についても取り組んでおり、手足冷却の効果を紹介したい。

(14:35〜14:45) 休憩
(14:45〜15:20)5.事例発表「冷却機能のあるストッキング『クールエナジー?』の開発」
   ……………………………………………旭化成株式会社  大伴 晴香
 近年、夏がますます酷暑化していく中、「はいて日常生活を送る場合にも、持続的に素肌より涼しいパンスト」というコンセプトで開発した、「冷却ストッキング」について紹介する。本開発品を着用した場合の体表面の放熱量をモデル実験により検証し、特定の凹凸を持つ構造体が非接触面を物理的に冷やすメカニズムを明らかにした。

(15:20〜15:55)6.事例発表「人工気象室“テクノラマGV”を活用した暑熱対策素材の開発」
   …………東レ株式会社  繊維加工技術部テキスタイル技術室  武舎哲矢
 近年、暑熱環境に対応するために様々な快適素材が開発されており、消費者からは実感できる素材を求められている。本講演では人工気象室“テクノラマGV”を活用した暑熱対策素材の開発として、近年ユニフォーム業界で売上げを伸ばしている電動ファン付きウェアやコンプレッションインナーの開発事例、高通気性素材“ドットエア?”や“ブリーズクール”の開発事例から暑熱環境に対する取り組みを紹介する。

(15:55〜16:00) 休憩

(16:00〜16:35)7.事例発表「夏を楽しむアイスノンの冷たさ」
   ……………………………………………白元アース株式会社  古舘由布子/渡邉 美希
 「アイスノン」は保冷枕として1965年に発売。時代とともに進化、多様化し、夏の猛暑を乗り切るには欠かせない商品ブランドとして、様々な冷却商品を取り揃えている。近年では、スプレータイプ、ウェットシートタイプ、スカーフタイプなど屋外でも手軽に涼を取れる商品へのニーズが増加している。オリンピックイヤーに当てた新商品を始め、この夏に活躍しそうな屋外用の冷却商品の開発事例を紹介する。

(16:35〜16:40)閉会の辞

〔参 加 費〕 会員(学校)9,000円、会員(企業・団体・官公庁) 13,000円、学生 3,000円、非会員(学校)13,000円、非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、非会員学生3,300円 ※会員は不課税,非会員は税込金額です.


第40回消費科学講座
新型コロナウイルス対策のために −マスク」と「抗ウイルス加工」−


 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、日常生活は様変わりし、繊維製品等に求められるニーズも大きく変化した。その中でマスクをはじめとした個人防護具と、「抗ウイルス加工」繊維製品は、大きな注目を浴びている。新型コロナウイルス感染症専門家会議の提言を受けた、新しい生活様式の実践例(厚生労働省)として、マスクの着用が感染防止の基本とされ、日常的に着用 が欠かせなくなっている。また、スーパーコンピュータ「富岳」を使ったシミュレーションによれば、マスクは感染対策として極めて有効とされている。
 「抗ウイルス加工」製品については、世間の注目が集まる中、各社が新製品の開発を行なっている。各社、各製品それぞれの特徴、開発の考え方や用途展開が異なっており、興味深い。しかし、開発や用途展開にスピードが求められる背景もあり、それぞれの製品カテゴリーにおける適切な試験評価や、販売、使用における注意点など、情報が不足し ている感がある。
 本講座では、製品開発、流通、販売に関わる方々に向け、今注目を集める製品について、求められる機能とその試験評価、販売に際する注意点などについて学び、またいくつかの事例発表から、現時点での開発の最前線を知る機会としたい。

〔日  時〕2021年2月25日(木) 13:00〜17:10<終了しました>
〔会  場〕 Webinar 方式(Microsoft Teams会議使用)
〔内  容〕
(13:00〜13:10)開会の挨拶
(13:10〜14:00) 基調講演1「感染対策用防護衣やマスク素材の抗ウイルス加工に求められる機能」
  ・・・・・・国立感染症研究所 嶋崎 典子
 感染防護は、病原体に曝露されないことが重要である。感染対策用防護衣やマスクは、病原体の感染経路を遮断するために着用する。現在、これらの防護具の JISやISO規格に、抗ウイルス加工は要求されていないが、繊維素材に対する抗ウイルス試験法は制定されている。本稿では、ウイルスの曝露形態、感染防護衣やマスクの素材の防護性能、繊維素材の抗ウイルス試験法などについて紹介し、抗ウイルス加工に求められる機能を考察する。

(14:00−14:10) 休憩

(14:10−14:50) 基調講演2「一般家庭用、医療用マスクの現状」
   ・・・・・・・・日本衛生材料工業連合会 橋紳哉
 感染予防の基本であり、使用者がほぼ100%となるマスク。ひっ迫していたマスクも現在は、輸入品、国産品とも基本の捕集機能に加えて新たな機能を競う環境となっている。マスクの現状とともに、抗ウイルスをはじめとした様々な機能を競う場合に注意しなければならない医薬品医療機器等法、景表法、不競法の視点に消費者視点を加えてマスクを販売する際の注意点を紹介する。

(14:50−15:00) 休憩 

(15:00−15:50) 基調講演3「マスクの試験評価法について」
   ・・・・・・・・一般財団法人 カケンテストセンター 齋藤 寿叙
 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で、店頭からマスクが消えたことは記憶に新しく、繊維業界でもマスク関連の動きが活発である。そこで、試験機関の立場から、マスクの試験方法について紹介する。

(15:50−16:00) 休憩

(16:00−16:30)事例発表1「抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術『クレンゼ』」
   ・・・・・・・倉敷紡績株式会社 梁井 啓史
 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、日常生活における感染対策や予防活動が求められる中、繊維製品においても抗菌、抗ウイルス機能が注目されている。そこで本講演では、クラボウの抗菌・抗ウイルス機能の繊維加工技術である「クレンゼ」を中心に、ウイルスによる感染症、繊維製品の抗菌、抗ウイルス加工の原理とその評価方法などについて紹介する。

(16:30−17:00)事例発表2「抗ウイルス素材『ヴァイアブロック』について」
   ・・・・・・日本エクスラン工業株式会社 小見山拓三
 アクリレート系素材はこれまでに、抗菌、消臭、難燃、吸水、吸湿等、さまざまな機能性素材として開発されてきた。一方、近年の医療費の増大、高齢化社会の進展などから、健康や快適な生活を指向する動きが高まっている。こうした環境下において開発した、抗ウイルス機能及び優れた多機能性を有するアクリレート系素材(ヴァイアブロック)を紹介する。

(16:40−16:50) 閉会の辞 

〔参 加 費〕 会員(学校)5,000円,会員(企業・団体・官公庁) 8,000円,非会員(学校)8,000円,非会員(企業・団体・官公庁)10,000円,学生2,000円<但し,会員【不課税】,非会員【税別】となります.>

第39回消費科学講座
アパレル産業のパラダイムシフトを考える
誰もが望んでいた 働き方・ライフスタイルが実現する社会とは


 パンデミック以降、テレワークやさまざまな行動の制限が常態化し、人々の働き方をはじめ日常生活〜社会のありようまでもが急速に変化している。在宅勤務を実施した企業は実に6割にのぼり、今後も希望する人が6割を占めるという。さらにこうした生活が続くと、数年先には異なる価値観を持つ社会が実現するのではないだろうか。
コロナ禍は企業活動全体のデジタル化を速めた(DX:デジタルトランスフォーメーション)。企業の生き残りには、業務・制度を戦略に合わせて迅速に変更できる意志決定のスピードが欠かせなくなっている。
 さらにアパレル業界においては、急速なデジタルシフトを実現させようとしている。
 販売のオムニチャネル化、EC化が注目されて数年が経ち、昨年から大手アパレル企業による独自のECサイトの展開が相次いでいた。こうした購買形態はコロナ禍をきっかけに、消費者に受入れられはじめている。
 今、企業活動、個人、社会などさまざまなレベルで、一人一人が価値の本質を問い直しはじめている。消費者の嗜好が必ずしも流行に左右されない状態となった。在宅を基本とした新しいライフスタイルや、気候変動など多様な条件に強く影響を受けるようになってきた。
 今回の第39回の消費科学講座は、オンライン講座の第2弾として第39回消費科学講座〜アパレル産業のパラダイムシフトを考える〜を取り上げる。DX「デジタルトランスフォーメーション」を軸に、時代を探り、今何をしなければならないか、基調講演3題と事例紹介3例を紹介し、その内実を探る。

〔主  催〕一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
〔協  賛〕協同組合 関西ファッション連合
〔日  時〕2020年 12月11日(金) 13:00〜16:40<終了しました>
〔会  場〕 Webinar 方式
〔内  容〕
(13:00〜13:10)開会の挨拶
(13:10〜14:00)基調講演1 「ウィズコロナ・ポストコロナの暮らしの変化」
  ……ニッセイ基礎研究所 主任研究員 久我尚子
 新型コロナウイルスは日本経済に甚大な影響を与えている。一方で新たな消費機会も生まれている。食料やゲーム、DIYなどの巣ごもり消費は活性化し、ネット通販やキャッシュレス決済の利用は増えている。診療やフィットネスなど対面が常識だったサービスまでオンライン化し、デジタル化は加速している。テレワークで通勤時間が減り、時間のゆとりも生まれている。時間や場所にとらわれない働き方が普及することで、労働市場で多様な人材が活躍しやすくなり、住まいや職業の選択肢が広がる可能性も秘めている。

(14:00〜14:10) 休憩

(14:10〜14:40)基調講演2 「「庫を制する者は粗利を制す」人口が年100万人減少する冬の時代の在庫戦略とは!
  ……フルカイテン株式会社 代表取締役 瀬川直寛
 コロナ禍で露呈したアパレル産業の在庫過多。AIを用いた需要予測は効果が無いことが浮き彫りになり、さらに団塊の世代が全員75歳以上となる2024年以降、毎年約100万人もの人口減少が続くことで国内小売市場は需要が消失していく。そんな環境下でアパレル企業が真っ先に取り組むべき在庫起点のDXについて解説する。

(14:40〜15:00)事例発表1 「スマートフォン一つで高精度な身体サイズを瞬時に提供できるAI身体採寸テクノロジー Bodygram」
 …… Bodygram Japan 株式会社 sales Director 加藤 忍 
 洋服を着たまま、前面・側面の2枚の写真を撮影するだけで、全身の身体サイズを高精度に推定採寸することで誰でも簡単に全身の測定結果を取得することが可能となる。また、本アプリは一般ユーザー向けに提供するが、企業でも自社のサービスに組み合わせた運用をすることで独自に活用することが出来る。Bodygramの製品について紹介する. 
         
(15:00−15:20)事例発表2 「世界初の裏表がないスマート肌着「HONESTIES(オネスティーズ)」(国内外特許出願中)」
  ……NSW株式会社 代表取締役 西出 喜代彦          
 「どう着ても、正しく着られる」がキャッチコピー。裏表前後が全くないことで、裏返しのまま着ても、前後どちらを着ても、きちんと正しく着られる唯一無二のアイデア商品。障害者も高齢者も着やすいユニバ−サルデザイン。EC中心、DtoCと老人ホーム・病院向けに福祉の常識を覆す物語が生まれている。

(15:20〜15:40)事例発表3 「オーダーメードスーツのD2Cブランドを展開するFABRIC TOKYO(東京・渋谷)」
   ……株式会社FABRIC TOKYO CFO/COO三嶋 憲一郎
  2020年3月6日、FABRIC TOKYOは新作のビジネス用カジュアルジャケットの販売を始めた。日本でも新型コロナウイルスの感染拡大が本格化し始め、外出自粛がささやかれ始めた頃だ。FABRIC TOKYOが大半の店舗を休業する中、オンラインだけでヒット商品を生み出せる理由は、店舗とECを統合した事業モデルによってきめ細かな顧客データを保持しているからだ。FABRIC TOKYOならではのコンシューマー視点の企業経営を知る機会としたい。
 
(15:40〜15:50) 休憩
(15:50〜16:30)基調講演3 「AIによる分析と自社のデータを利活用 今こそアパレルの自信を取り戻そう」 
  ……ニューラルポケット株式会社 古田裕介
・デジタルシフト待ったなし 過去の自社データと市場のデータの比較で、実際に投入した商品の売行きを再評価し、MD戦略を理論的に構築
・実店舗が大きく変わる ポストコロナを見据え、今こそ最先端の技術で実店舗のポテンシャルを最大化

(16:30〜16:40) 閉会の辞 

〔参 加 費〕 会員(学校)5,000円,会員(企業・団体・官公庁) 8,000円,非会員(学校)8,000円,非会員(企業・団体・官公庁)10,000円,学生2,000円<但し,会員【不課税】,非会員【税別】となります.>

第38回消費科学講座
「繊維は酷暑を克服できるのか?」
−夏場の運動やビジネスシーンにおける最適な衣料とは−


 先日閉幕した「国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)」での地球温暖化対策は、市民活動家の登場もあってか、市民生活を脅かす身近な問 題として認識されるようになりました。その中で、近年、身近な暑さ対策として注目を集めているのが、クーリングアイテムです。接触冷感のあるインナーシャ ツは、オフィスでのクールビズの普及と相成って、夏衣料の中心となりました。また、電動ファン付きジャケットは、建設業を中心に、広く活用されるようにな りました。さらに、若い女性を中心に、小型のハンディ扇風機がブームとなりました。これらは、体温を直接下げる働きのあるものや、汗を素早く乾かすもの、 冷たいと感じる感覚に働きかけるものなど、クーリングのレベルはさまざまです。その一方で、消費者は、労働やスポーツといった場面において、いつ、どのよ うな場面で、これらのアイテムを使えばよいのか、判断が難しい側面もあります。特に、間近に迫った2020年の東京五輪は、夏の酷暑で行われます。競技者 のみならず観戦者の暑さ対策には、産官学含めた早急な対応と、正しい知識の啓蒙が必要です。
本講座では、暑熱関係の学識者やクーリングアイテムを開発するメーカーを交えた講演から、幅広く最新の情報を知ることが出来ます。クーリングの正しい知識を学び、厳しい夏の酷暑を乗り切ろうではありませんか。皆様のご参加をお待ち申し上げます。
  ※新型コロナウイルス感染拡大の状況をうけ、中止(延期:開催日未定)となりました.

〔日時・会場〕
2020年5月15日(金)9:50〜17:00大阪会場(ドーンセンター5階特別会議室)
  (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
  交通アクセス:京阪天満橋・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分
2020年5月22日(金)9:50〜17:00東京会場(日本女子大学新泉山館1階大会議室)
  (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
  交通アクセス:JR山手線目白駅徒歩15分又は都営バス5分
           東京メトロ副都心線 雑司ヶ谷駅 徒歩8分
           東京メトロ有楽町線 護国寺駅 徒歩10分
[内 容]
(9:50〜10:00) 開会の挨拶
(10:00〜11:30)1.「身体運動と体温制御機構」
  …………独協大学 依田珠江
 夏の猛暑はすでに当たり前になっており、日常生活、そしてスポーツ等の身体活動時において、暑さからいかに体を守るか、つまり体温上昇を防ぐかということが重要になっている。本講演では体温調節、特に耐暑反応を中心に概説し、スポーツ時の暑熱対策について紹介する。

(11:30〜12:30)  昼休憩
(12:30〜13:50)2.「現場応用を目的とした熱中症対策研究―ウエアラブル深部体温計の開発と実用的クーリング」
  ………労働者健康安全機構 時澤 健
 近年多くのウエアラブル製品が開発され流通するようになったが、熱中症リスクを評価するためには、深部体温のウエアラブル測定技術が必要となる。講演者 は村田製作所と共同でその開発に取り組んでおり、その一部を紹介する。また、労働現場を想定した実用的なクーリング方法についても取り組んでおり、手足冷 却の効果を紹介したい。

(13:50〜14:00) 休憩

(14:00〜14:50)3.「酷暑対策を手助けするユニークな繊維紹介」
  …………クラレトレーディング株式会社 小野木祥玄
 東京オリンピックのマラソン開催場所が避暑を理由に札幌へ変更されたことが記憶に新しいが、今夏も平年並みか高い予想となっている。加えて製品のサステ ナビリティ・環境対応が叫ばれる中、企業においても更に機能性が高く、環境負荷が低い製品が望まれている。本講演では、接触冷感性や遮熱性にフォーカスし た弊社機能性繊維を紹介する。また繊維開発を通じた、環境負荷低減に向けた弊社の取り組みを紹介する。

(14:50〜15:00) 休憩
(15:00〜15:50)4.「アスリートを救え。スポーツにおける暑熱対策」
  …………株式会社アシックス スポーツ工学研究所 福田 誠
 真夏の東京五輪開催において、アスリートの暑熱対策は、競技能力の保持や体調管理を考えるうえで、極めて重要である。スポーツにおける暑熱対策は、吸汗 速乾や接触冷感といった繊維材料が中心であるが、近年、アパレルの電動化やウエラブル技術に急速な進展がみられる。ここでは、アスリート向け暑熱対策とし て、電動ファン付きジャケットを開発した背景について、最新のトピックスを交え紹介する。

(15:50〜16:00)休憩
(16:00〜16:50)5.「夏を楽しむアイスノンの冷たさ」
  …………………白元アース株式会社 古舘由布子(大阪)、渡邉 美希(東京)
 「アイスノン」は保冷枕として1965年に発売。時代とともに進化、多様化し、夏の猛暑を乗り切るには欠かせない商品ブランドとして、様々な冷却商品を 取り揃えている。近年では、スプレータイプ、ウェットシートタイプ、スカーフタイプなど屋外でも手軽に涼を取れる商品へのニーズが増加している。オリン ピックイヤーに当てた新商品を始め、この夏に活躍しそうな屋外用の冷却商品の開発事例を紹介する。

〔定  員〕 60名
〔参加費〕  会 員(学校) 9,000円, 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円, 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円, 学生 3,000円
〔申込方法〕参加をご希望の方は,申込みフォームより、必要事項を記入してオンラインでお申込みください.
 ※新型コロナウイルス感染拡大の状況をうけ、中止(延期:開催日未定)となりました.



第37回消費科学講座
「健康に生きる」〜生涯現役社会の実現〜


 日本の高齢化率は世界最高の28.4%(2019年9月)と先進国の中でも抜きん出おり、2位のイタリア(23.0%)を大き く上回っています。政府は「生涯現役社会の実現」を政策課題として掲げ、「明るい超高齢社会」の構築を目指そうとしています。高齢者は年齢に比して元気に なっており、人生100年時代に向けて、シニア世代をターゲットとした商品開発がますます盛んになることが予測されます。本講座では、元気なシニア世代を ターゲットにし、ウェアラブル、スポーツ、アシストスーツ等各分野の専門の講師からご講演頂きます。

[日時・会場] 
2020年2月14日(金)10:00〜17:00<開催され、終了しました。>
  東京会場 日本女子大学 新泉山館 2階会議室
     (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
     交通アクセス:JR山手線「目白」駅徒歩15分又は都営バス5分
        東京メトロ副都心線「雑司ケ谷」駅 徒歩8分
        東京メトロ有楽町線「護国寺」駅 徒歩10分
2020年2月28日(金)10:00〜17:00<新型コロナウイルスの感染予防のため、大阪会場は中止になりました。>
  大阪会場 ドーンセンター 4階 大会議室3
     (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
     交通アクセス:京阪・地下鉄谷町線「天満橋駅」下車 徒歩5分
[内 容]
(9:50〜10:00) 開会の挨拶
(10:00〜11:10)1.「地域高齢者の健康・見守り支援に対する異分野連携による新たな可能性」…………金沢工業大学 佐藤 進
 現在、健康寿命の延伸のための様々な取り組みがなされているが、その中で生じる課題や限界の中には、異分野・異業種の方と連携することで解決のアイディ アや糸口が見えてくるものもある。演者は、貴学会とは畑違いの健康・スポーツ分野で仕事をしている人間であるが、これまでの取り組みを紹介しながら、これ からの社会における高齢者支援に対する異分野連携のあり方や新たな可能性について,皆さんと考えることができればと思っている。

(11:10〜12:00)2.「AGpossRを用いたスマートウェアhamonRの体調管理システム」…………ミツフジ(株) (東京)小副川 博通、(大阪)三寺 秀幸
 ミツフジは1956年に西陣織帯工場として創業後、新規事業展開として銀メッキ導電性繊維AGpossRの研究と開発に取り組んできた。その後 AGpossRに特化したビジネスモデルに移行し、2016年12月にAGpossRを使用したウェアラブルプラットフォームhamonRを発表、発売を 開始した。生体データが取得できる繊維からクラウドまでをワンストップで提供するウェアラブルIoT企業へ変貌し、現在では連続した精緻な生体データを取 得できる独自のテクノロジーとそれを解析するアルゴリズムを元に、社会課題の解決を目指すミツフジのコア技術であるAGpossRと、スマートウェア hamonRを使用した体調管理システムの(または、健康社会の実現にむけた)取組みをご紹介させて頂く。
(12:00〜13:00) 昼食

(13:00〜14:10)3.「(基調講演)老後に備えて貯筋と貯金 ―使って貯めよう筋肉貯筋、使えば無くなるお金の貯金―」…………鹿屋体育大学前学長 東京大学名誉教授 福永 哲夫
 貯筋運動とは、筋力トレーニングの第一人者である福永氏が提唱する毎日行いながら「貯筋」していく道具のいらない筋力トレーニングプログラム。今後増え 続ける高齢者の虚弱、筋力低下についても警鐘を鳴らされており、病気や怪我などで一時的に寝込んでも、その後も自分で立って歩ける生活に戻れるよう、日頃 から筋肉を鍛えておこうというのが、この「貯筋」という考え方である。

(14:10〜15:00)4.「シニア世代の歩行寿命を支えるシューズ開発」…………(株)アシックス 市川 将
  シニア世代の歩行を「スポーツ工学」で支え、これまでさまざまな年代における歩行の特徴を分析しており、その結果とデータは、ライフウォーカーシリー ズの商品開発にも生かされている。本講演では、シニア世代で頻発する「転倒」や「関節疾患(変形性膝関節症、外反母趾)」の傾向とその予防・対策を目指し たライフウォーカーの設計事例について紹介する。

(15:00〜15:10) 休憩
(15:10〜16:00) 5.「パワーアシストスーツの原理・効果・市場動向・今後の展開について」…………(有)アトリエケー 北浦 基広
 “人が身に着け、パワーアシストスーツが人と一体となって人の動きを補助する製品”は、農業・建築・福祉医療・製造業・物流で急速の普及をしている。その現状と今後の展開について紹介する。

(16:00〜16:50) 6.「生涯現役社会への着るロボットによる貢献」…………(株)ATOUN 藤本 弘道
 作業支援分野への着るロボットの普及が始まっている。年齢や性別に関わらず元気に働ける現場づくりが求められている。また、健康増進を狙った着るロボットにも技術応用は可能である。生涯現役社会に着るロボットがどのように貢献できるか、ATOUNの取り組みを紹介する。

〔定員〕70名
〔参加費〕 会 員(学校) 9,000円, 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円, 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円, 学生 3,000円



第36回 消費科学講座
〜SDGsに取り組む企業の革新〜


 持続可能な開発目標(SDGs)は,2016年1月から実施を開始して4年目に突入しました.2019年はSDGsの採択後に初めて首脳会合が開かれた年であり,社会の中にSDGsがますます浸透していくことを期待しています.SDGsはすべての人にとってより良い暮らしを築くために,世界が合意した未来のあるべき姿を示しています.政府のみならず,企業や市民社会組織,アカデミアなどすべての関係者に,SDGsへの積極的な貢献が期待されています.社会貢献ではなく本業を通じたSDGsへの貢献(すなわち「SDGsの本業化」)に動き出した企業は少しずつですが,増えてきています.しかし,実際のところ,SDGsに取り組もうとする意識が向上しつつも,その方法を模索している企業も多いことかと思います.ここでは,SDGsの本業化を正面に据えて,経営組織の中にサステナビリティを根付かせていく「組織」と,社会課題解決に貢献していく「企業活動」の2つの側面から,具体的に取りうるアプローチについて一緒に考える機会にしたいと考えています.

〔日時・会場〕<終了しました>
2019年11月22日(金) 10:00〜17:00 東京会場 日本女子大学 新泉山館1階大会議室
 〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1
  JR山手線「目白」駅徒歩15分又は都営バス5分
  東京メトロ副都心線「雑司ケ谷」駅 徒歩8分
  東京メトロ有楽町線「護国寺」駅 徒歩10分
2019年11月 29日 (金)10:00〜17:00 大阪会場 ドーンセンター  5階 特別会議室
 〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49
  京阪・地下鉄谷町線「天満橋駅」下車 徒歩5分
〔内容〕
( 9:50〜10:00) 開会の挨拶
(10:00〜11:20) 1.基調講演 「SDGsの国内外の最新動向と企業取組のあり方」 
   ………………公益財団法人 地球環境戦略研究機関  小野田 真二    
 SDGs活動がコストではなく投資と見なされるためには,中長期の計画や戦略の中にSDGsの要素がしっかりと組み込まれていることが必要となります.中長期の目標あるいはコミットメントも,その中で確実に達成できるものではなく,野心的に設定されていくことが望ましいと思います.そのような計画や目標はいずれも,企業理念とビジョンが明確にあり,企業が目指す姿に向かっていくための手段として位置づけられていることが重要です.そして企業理念を頂点とする計画体系の中でSDGsのゴールあるいはターゲットが結びついていくと,社会の中での役割が明確になり,社員の仕事への強いコミットメントも生まれてくると考えられます.

(11:20〜11:30)   休憩
(11:30〜12:20) 2.講演「世界のデジタルテキスタイル動向」
  ………………(東京)大野インクジェットコンサルティング 代表 大野 彰得 、(大阪)コニカミノルタ梶@産業印刷事業部 テキスタイル事業推進部 稲田 寛樹
 サンプル生地作成やごく少量の高級品から始まったインクジェット捺染.プリンタ・ヘッド・インク及び画像処理などの要素技術が進化し,当初の想定を上回る発展をしつつあります.デジタル印刷の環境負荷低減では,化学物質や排水を大幅に削減し,短納期(約1週間)にできるため売れ残りもほとんどなくなり廃棄物も削減できると考えています.更に,デジタルデータの扱いがクラウド・スマホ・eコマース等のインフラと出会うことで,繊維産業そのものを静かに壊しつつあります.そんな現状をお伝えします.

(12:20〜13:10)   昼食        
(13:10〜14:00) 3.講演「地球環境問題に貢献する合成繊維―繊維グリーンイノベーション事業について」
  ………………東レ株式会社 繊維GR LI事業推進室 室長 寺井 秀徳  
 東レは、2011年から、地球環境問題や資源・エネルギー問題を解決し、持続可能な低炭素社会の実現に貢献していくことを目指し、「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」を推進しています。繊維事業においても、地球温暖化や脱石油、海洋プラスチック問題に対応する様々な素材の開発、展開を進めています。今回は、省エネ素材、バイオ繊維、リサイクル繊維を中心に当社の繊維グリーンイノベーション事業についてご紹介します。

(14:00〜14:10) 休憩

(14:10〜15:00) 4.講演「テキスタイルケミカルの環境対応とイノベーションへの取り組み」
  ……………日華化学株式会社 化学品部門 界面科学研究所 研究開発戦略部  齋藤 嘉孝  
 環境関連法規や化学物質規制が全世界的に強化されてきている中,日華化学ではSDGsに呼応したEHS(環境・健康・安全)重視のサステナブルな製品開発を推進しています.環境認証機関との活動にも積極的に取り組んでおり,Bluesignシステムパートナー(2013年),ZDHCコントリビューター(2018年)を,いずれも繊維用薬剤メーカーとして日本最速で認証を受けました.講演では,これら環境対応の会社活動を歴史も交えながらご説明させて頂くとともに,フッ素フリーはっ水剤・溶剤フリー水系ポリウレタンなどの薬剤安全性を配慮した仕上剤,省エネ・時短・節水・排水不可低減を可能にする各種繊維用工程薬剤など,具体的なアウトプット実例をご紹介させていただきます.

(15:00〜15:50) 5.講演「横編み機とデザインシステムの融合で総合的なものづくりの提案」
  ………………株式会社 島精機製作所  ト−タルデザインセンタ− 赤井 信之 
 当社は横編機メ−カーでありますが,サステナビリティを意識した機械と仕組みの提供を心掛けております。その一環の中でホールガーメントというカットロスを出さない機械と、同機械にて制作する商品を製品化するためのバーチャルサンプルを活用した仕組みを紹介いたします.無駄を省いたマスカスタマイズ生産を実現することにより,競争力を高めるとともにSDGsにも貢献しています.

(15:50〜16:00) 休憩

(16:00〜16:50) 6.講演『市民とつくる、市民がつくる「捨てない未来」』           
  ………………日本環境設計株式会社 会長 岩元 美智彦  
 日本環境設計は2007年に設立された環境ベンチャーの企業。世界でも類を見ない繊維製品の回収システムを構築、綿繊維からバイオエタノールを、ポリエステルはケミカルリサイクルする技術を確立しました.今まで捨てられてしまっていた使い古しの衣料品を最新技術で再資源化することで、アパレルにおける石油への依存を削減し、サステナブルな社会を目指します.

〔定員〕70名
〔参加費〕 会 員(学校) 9,000円, 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円, 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円, 学生 3,000円


第35回 消費科学講座
〜AIテクノロジーが拓くファッション産業の未来〜


 2018年経済白書を見ると,我が国経済は,アベノミクスの取組みの下,2012年末から緩やかな回復を続けており,景気回復期間は戦後2番目の長さとなるそうです.繊維・アパレル産業においても,持続的な成長を達成するためには,第4次産業革命とも呼ばれるスマートものづくりにおけるイノベーションへの取り組みが重要であり,その結果として生産性の向上や国民生活の豊かさにつなげることできると考えられます.そのためには,AIやIoTを活用した技術革新や新たなファッションビジネスを支える人材育成や労働環境を考える必要があります.
 今回は,AIテクノロジーが拓くファッション産業の未来を語り合い,AIやIoT技術を活用した繊維産業におけるマーケティングおよび企画開発などを考え、ファッションビジネスの新たな潮流を捉える機会としてもらえればと思います.

〔日時会場〕 <終了しました>
2019年5月 17日 (金)13:00〜17:30  京都会場 キャンパスプラザ京都 4階第4講義室
 〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る
 地下鉄烏丸線、近鉄京都線、JR各線「京都駅」下車 徒歩5分
2019年5月24日(金) 13:00〜17:30  東京会場 日本女子大学
 〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1
 JR山手線「目白」駅徒歩15分又は都営バス5分
 東京メトロ副都心線「雑司ケ谷」駅 徒歩8分
 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅 徒歩10分
〔内容〕
(13:00〜13:05) 開会の挨拶
(13:05〜14:25) 1.講演「デジタルとファッションの融合とその未来」 
  ………………クチュールデジタル(株)  代表取締役 森田 修史
 日本のクリエイティビティーを生かし,ファッション・オン・デマンドをコンセプトに、ITの活用によって、究極のカスタマイズを実現することが可能となります.バーチャルフィッティングや在庫を必要としないビジネスを開発し,提供しています.
(14:25〜14:35) 休憩
(14:35〜15:55) 2.講演「AIが変革するアパレル・ファッションの未来とは?」
  ………………ニューラルポケット株式会社CSO 周 涵  
 画像や映像を解析する様々なAI技術を独自のアルゴリズムで開発し,アパレル,小売,商業施設や街づくり,通信領域におけるIoT・デジタル化の促進と,それを通じた消費者のライフスタイルの革新を目指しています.ファッションの流行を人工知能(AI)で予測するシステムなど,様々な取り組みを紹介します.
(15:55〜16:05) 休憩
(16:05〜17:25) 3.講演「パーソナル人工知能が拓くファッション産業の未来」
  ………………SENSY 代表取締役CEO 渡辺 祐樹  
 顧客一人ひとりの嗜好性や購買タイミングなどを感性として学習するパーソナル人工知能「SENSY」.その「SENSY」を活用して商品需要予測の精緻化を通じ追加発注やマークダウンの最適化を行う「SENSY-MD」やパーソナライズしたマーケティングを実現する「SENSY Marketing Brain」など,ビジネスの効率化や最適化をサポートするサービスをメーカーや小売などの企業向けに開発しています.
(17:25〜17:30) 閉会の挨拶
〔定員〕70名
〔参加費〕  会 員(学校)6,000円, 会 員(企業・団体・官公庁)9,000円,非会員(学校)9,000円, 非会員(企業・団体・官公庁)12,000円, 学生 2,000円


第34回 消費科学講座
〜健康とストレッチ素材〜


 普段、静止している時、人は衣服からの圧力をあまり意識しません。しかし、歩く、走るなどの動作を行うと、圧力、束縛感を感じます。この人と衣服の間に発生する衣服圧を軽減させる方法として、ストレッチの活用が知られています。最近では、ストレッチ性を利用して着圧をコントロールし、健康管理や運動性向上に結び付ける製品が上市されています。また、着用による衣服圧、ストレスを軽減させながらも美しくフィットする製品も出てきており、ストレッチの使い方も広がりを見せてきています。一方「衣服圧には功罪があり、うまく使えば浮腫み(むくみ)の軽減や,体脂肪の燃焼促進に効果的ですが、下手をすれば体調に悪影響を与えてしまいます」と信州大学の三野たまき教授は述べられています。
 今回の消費科学講座では、この人の動きに追随するストレッチ素材について、衣服圧とはどのようなものか、三野教授に基調講演をして頂きます。また、求められる伸縮性に応じて開発されたポリウレタンをはじめとする各種ストレッチ素材について、原糸メーカー3社からその特性を紹介して頂きます。つづいて、これらのストレッチ素材がどのような商品として使用されているのか、商品の設計や縫製はどのように工夫されているのか等々、実例を通じた商品開発の最新動向についてご紹介します。
 本講座は、美と健康を意識した最新のストレッチ科学を、学術的な有用性、素材としての特性、商品としての活用という3部構成で、衣服を着る目的によって最も効果的な使い方を、素材とアパレルの両面から探るというものです。商品企画・開発・設計のご担当者から商品の品質管理・保証のご担当者など幅広い皆様のご参加をお待ちしております。

〔日時〕<終了しました>
2018年11月 9日 (金)10:00〜17:00  大阪会場 ドーンセンター 4階大会議室1 
  (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
2018年11月30日(金) 10:00〜17:00  東京会場 日本女子大学 新泉山館1階 大会議室
  (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)

〔内容〕
(9:50〜10:00) 開会の挨拶
(10:00〜11:20) 1.基調講演「衣服圧の応用−着圧ウエアへの可能性−」
  ………………信州大学学術研究院教育学系 三野たまき
 衣服圧には功罪がある。うまく使えば浮腫みの軽減や,体脂肪の燃焼促進に効果的であるが、下手をすれば体調に悪影響を与える。ヒトにとって快適な圧は体部位によって異なるが、ヒトの圧感覚だけでは製品づくりに不十分な場合もある。本講座では圧の測定法も含めて紹介する。
(11:20〜11:25) 休憩
(11:25〜12:10) 2.「ソロテックスシリーズの機能性と展開について」
  …………帝人フロンティア(株) 友滝 勇気
 衣服にとって、ストレッチ性は風合いや着心地、さらにその商品の取り扱い性を左右する重要なものである。本年消費科学フロンティア賞を受賞した “ソロテックス”の機能性の1つであるストレッチ性について、ポリマー分子構造から、用途に合わせたソロテックス商品開発による展開事例まで説明する。
(12:10〜13:00)昼食
(13:00〜13:45) 3.「ポリウレタン弾性繊維『モビロン』の特徴」
  ………………日清紡テキスタイル(株) 森下美由紀
 ポリウレタン弾性繊維はストレッチ衣類、資材に幅広く使用されている。なかでも「モビロン」は独自のストレッチ性能により、差別化を図っている。その素材特性や、商品への応用について紹介する。
(13:45〜13:50)  休憩
(13:50〜14:35) 4.「快適な着心地を実現するストレッチ素材Primeflex」
  ………………東レ(株) 繊維加工技術部テキスタイル技術室 小田直規
 スポーツ用途のストレッチ素材には、ポリウレタン弾性繊維を用いることが多いが、伸縮性に優れているものの、フィット感が強すぎる傾向があった。今回、バイメタル構造の原糸設計技術と糸加工・テキスタイルの設計技術を駆使することで、スポーツのみならずカジュアル向けにも快適な着心地を実現したストレッチ素材Primeflexについて紹介する。
(14:35〜14:45) 休憩
(14:45〜15:25) 5.「テーピング原理を応用した機能性スポーツウエアの開発」
  ………………(株)ワコール ウエルネス事業部 竹波 祥代
 今から約30年前ワコールは、これまで培ってきた下着づくりのノウハウを応用し、ストレッチ素材を組み合わせて、テーピングのような筋・関節サポートを衣類で実現する研究を始めた。こうして誕生したのが機能性スポーツウエアCW-Xである。本日は、下着メーカーならではのこだわりをかけて開発したCW-Xについて紹介する。
(15:25〜16:05) 6.「ストレスフリーなのにちゃんとホールド」
  ………………トリンプ・インターナショナル(株) 河野 智美
 コンセプトつくりから商品開発までの流れと、時代背景の説明、ほどよいホールド感を求めて行なった試行錯誤の内容、新しいラインナップを作るにあたっての、コンセプト調査やアンケート調査など一連の流れ等を紹介する.
(16:05〜16:10) 休憩
(16:10〜16:50) 7.「ストレッチ性と動きやすさを追求したスーツ『楽動スーツ』」
  ………………(株)AOKI 商品本部 産学共同新商品開発室 室長 柴田清弘
 人間工学に基づいたAOKI独自の着用快適を追求し、快適性に優れた型紙とストレッチ性素材を組み合わせ、更に肩回りにソフトな副資材を使用して、軽さと快適性を追求した。これらの特長を持ち、立体縫製され身体にフィットしたスーツ「楽動スーツ」を紹介する。

〔定員〕60名
〔参加費〕  会 員(学校) 9,000円、 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、 学生 3,000円
 


第33回消費科学講座
『心に響く情報の伝え方』
〜受け取る情報と受け取らない情報〜


 私達が日々受け取る情報は、10年前の500倍以上になったとも言われています。情報が氾濫する中で、消費者は情報に疲労し、「受け取る情報」と「受け取らない情報」を取捨選択するため、メーカーや店舗が発信する情報は受け取られにくくなっています。ただその壁を越え、消費者に受け入れられ、共感が得られれば、情報により信頼関係が構築され、絆が深まり、ファンになり、人に伝えたい、知らせたいにまで発展し、ブームを巻き起こしたりもします。
 今回の「第33回消費科学講座」では、「心に響く情報の伝え方」をキーワードとし、情報の内容や伝え方が大変重要な時代において、消費者と繋がるために、何をどう伝えるのかを実例から探ります。
 理論・実践において市場、業界や研究の最前線でご活躍されている方々を講師として迎えてご講演いただきます。基調講演の嶋浩一郎様による実践型のワークショップも用意しています。
 商品企画、商品開発設計、商品マーケティングやブランディングを担当されている皆様のご参加をお待ちしています。

〔日時〕2018年9月14日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会場〕キャンパスプラザ京都 4階第3講義室(〒600−8216 京都市下京区西洞院通り塩小路下ル)
交通アクセス:JR京都駅ビル駐車場西側ビッグカメラ前
〔内 容〕
(10:10〜11:50)1.基調講演『女性市場攻略法』
  …………株式会社三菱総合研究所 営業本部チーフプロデューサー 阿部 淳一
 働く女性が増加しライフコース選択の多様化が進む。もはや年代や世代だけで女性市場を捉えるのは難しくなった。本講演ではライフコース選択に伴う時間意識と家族意識の違いに着目し、これからの女性マーケティングのあり方を明らかにする。
(11:50〜13:00)  (昼食休憩)
(13:00〜14:0)2.「エッセンシャルブランドの価値づくりについて」
  …………花王株式会社 ヘアケア事業部 神谷 光俊
 『エッセンシャル』は1976年に発売され、厳しい市場環境の中で40年を超えるロングセラーブランドの一つである。日本のヘアケア市場では、国内競合メーカーに加え、外資系メーカーや新興メーカーなどから常に新しい訴求があり、消費者の嗜好も多様化している。変化する市場の中で、どのようにブランド価値を作っていこうとしているかをご紹介させていただきます。
(14:00〜14:10)  (休憩)
(14:10〜15:10)3.『ザ・プレミアム・モルツのブランド戦略〜価値の伝え方』
 ………サントリービール株式会社 宣伝部課長 小浦 昌子
 2003年発売当初、デフレの真っ只中でプレミアム戦略に舵を切り、世の中にプレミアムビール市場を開拓、ブランドを成長させてきたザ・プレミアム・モルツ。生活者が商品を手に取るきっかけをつくるために見つけた独自価値を、どのように届けてきたのか、ブランドの変遷をご紹介します。
(15:10〜15:20)  (休憩)
(15:20〜17:00)4.基調講演『社会記号誕生のメカニズム』
…………株式会社博報堂ケトル 代表取締役社長 嶋 浩一郎
 草食男子やおひとり様という辞書には載っていないのにみんなが知っている言葉はなぜ世の中に浸透していくのでしょう? そして、これらの言葉はマーケティング活動や企業のコミュニケーションに重要な役割を果たします。当講座では社会記号誕生のメカニズムを解明し、企業のマーケティング活動との関連性について探ります。

〔定  員〕 60名
〔参加費〕  会 員(学校) 9,000円、 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、 学生 3,000円

第32回消費科学講座
2020年に向けた暑さ対策の最前線」
−夏場の運動とスポーツ観戦における最適な衣料とは−


 夏場の最高気温は毎年最高記録を更新し,猛暑日や熱帯夜が年々増加し,熱中症のリスクも恒常化しています.夏場屋外でのレジャーやスポーツにおいては,気温の上昇に加えて,自発運動による体温上昇が引き起こされます.一方,イベントやスポーツ観戦では,日射を遮る,涼しい場所に駆け込む,水を補給するなどの機会を自由に得ることができないため,熱中症のリスクが高まります.これらのことから,暑さ対策には,天候,温湿度,冷房施設といった自己努力では変えられない外部要因と,運動,給水,着衣といった自己努力により変えられる内部要因の双方への対応が重要です.特に,夏場の都市部で開催される東京五輪では,安全・安心で確実な大会運営の観点から,暑さ対策が最重点課題になっています.
 本講座では,人の体温調整に関連した生理学,衣服学的な知見のほか,人を取り巻く空間についてさまざまな要因とその対策を探ります.また,それらの知見を応用した暑さ対策用ウエアラブルデバイスなどの最新技術をご紹介します.
 クールビズなどの冷涼感に優れたウエアのビジネスに携わる方々をはじめ,レジャーやスポーツに参加される機会の多い方々まで,幅広く皆様のご参加をお待ちしております.

[日時・会場]<終了しました>
2018年7月27日(金) 9:50〜17:00 大阪会場: ド−ンセンタ−5階特別会議室
  (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
2018年8月 3日(金) 9:50〜17:00 東京会場: 日本女子大学 新泉山館1階大会議室
  (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)

[内 容]
(9:50〜10:00) 開会の挨拶
(10:00〜11:00)1.「人の体温制御機構に関する研究」
  …………………………獨協大学 国際教養学部 依田 珠江
 ヒトの体温はからだの核心部で37℃を保つように制御されており,身体の内外の環境の変化に応じて起こる様々な調節反応について概説する.またスポーツ時には筋活動に伴い,大量の熱が発生する.パフォーマンスに影響を及ぼすこの熱の体外への放散について,そして健常者,脊髄損傷者の体温調節反応の違いと対策に関する研究を紹介する.
(11:00〜11:05) 休憩
(11:05〜12:05)2.「暑熱下の快適衣服設計―皮膚温・発汗・曲率分布からの考察―」
  ………………文化学園大学 名誉教授 田村 照子
 皮膚温(皮膚血流)と発汗は,体温調節の効果器として人体表面からの放熱量を調節する.一方,人体表面の曲率は当該部位から外気中への物理的な熱伝達・物質伝達を左右する.ここでは,暑熱時の生理反応と人体形状に基づき人体のどこからどのような熱放散を生じるのか,人体の部位に着目した衣服設計・暑さ対策・熱中症対策について考察する.
(12:05〜13:00) 昼食
(13:00〜14:00)3.「暑熱環境におけるパフォーマンスの最適化」
  ………………………立命館大学 細川 由梨(大阪)
  ………………労働者健康安全機構 時澤 健(東京)                     
 暑熱環境においては様々なパフォーマンスが低下するが,その低下を防ぐための取り組みは古くからなされている.それらの対策の先行研究,今後検証されるべき問題点,さらに将来的な展望について,講演者の研究を交えて紹介したい.
(14:00〜14:10) 休憩
(14:10〜1510)4.「心豊かな自然的空間の創造を想い見て」
  …………………………………ダイキン工業 中村 信
現在,私達の周辺には日夜,最先端技術の波が押し寄せ,生活の多くの場面で恩恵を受ける一方,生活の様式も否応なく変化し続け,息苦しく感じることさえある.こうした中,自然回帰でなく,これらの技術を活用,融合させ“ほっこりできる自然的空間”を想像(創造)してみたい.
(15:10〜15:20) 休憩
(15:20〜16:00)5.「スポーツ用具における暑熱対策」
  ……………………………………株式会社アシックス 福田 誠
 暑熱環境下のスポーツにおいて求められるクーリング機能は,スポーツ愛好家からトップ選手に至るまで,その対象や要求レベルが異なる.ここでは,スポーツ用具の暑熱対策について,素材や設計手法も含めて広く紹介する.
(16:00〜16:40)6.「ウエアラブルデバイスを用いた暑さ対策」
  ………………………ミライアプリ株式会社 渡嘉敷 守 
 スマートウオッチに専用アプリを用いることで,人の動きや位置を把握することが可能になる.温湿度センサー(IoTデバイス)と組み合わせることで,熱中症リスクを判定し,スマートウオッチで表示やアラートを行う仕組みについて紹介する.
 
〔定  員〕 60名
〔参加費〕  会 員(学校) 9,000円, 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円, 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円, 学生 3,000円


第31回 消費科学講座  
〜特殊ユニフォームの開発とビジネス価値の創出〜


 ユニフォームは他の組織と見分けるために使われる衣服やある作業を行うために安全で動き易い形状をした衣服など幅広い意味で使用される。他の組織と見分けるとは競技用のユニフォームや学生服のように見て違いが分かる衣服である。見て分かるというのは単に敵・味方の区別だけでなく、そこに人がいることを認識させるとすれば安全性向上という価値に繋がるものである。また、企業の制服・作業服は自社社員と他社社員を見分け情報セキュリティの向上を目指すという意味も含まれるが、難燃、防汚、帯電防止、耐切創性など作業者が安全で清潔、快適に仕事ができることを目的に機能性を付与されているものも多い。機能性には衣服のデザインなども含まれるが、これら機能は一般衣類にはない高い耐久性が求められている事が多い。更に消防、警察、自衛隊など特殊な環境下で使用されるユニフォームは究極まで機能を高めたものとも言える。
 より多様化し、めざましい勢いで発展し続けるユニフォームは、どのようなビジネススタイルでその価値を創出しているのか。今回は、企画設計、機能、耐久、物性、デザイン、ニーズといった商品開発にまつわる手法や、事業開発や戦略、販売促進などについて各分野のユニフォ−ム製造メーカー・アパレルから紹介いただく。さらに、その特殊な商品の品質や機能評価法を検査機関からの視点など多面的な方向からその実像に迫る。ユニフォーム業界の動きは一般衣料品を含めた繊維業界、繊維関連業界の商品開発から生産、品質管理など幅広い皆様に今後のヒントを与えるものと確信しております。

[日時] <終了しました>
大阪会場:2018年2月 9日(金) 9:50〜17:00 ド−ンセンタ−5階特別会議室
  (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
  交通アクセス:京阪天満橋・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分
東京会場:2018年2月23日(金) 9:50〜17:00 日本女子大学 新泉山館1階大会議室
  (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
  交通アクセス:JR山手線目白駅徒歩15分又は都営バス5分
           東京メトロ副都心線 雑司ヶ谷駅 徒歩8分、東京メトロ有楽町線 護国寺駅 徒歩10分
[内容]
(9:50〜10:00) 開会の挨拶
(10:00〜10:50) 1.「空調服開発のきっかけとビジネス展開について」
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(株)空調服 市ヶ谷弘司 
 15年前、ブラウン管の評価装置をタイに営業中、クーラーが完備したビルの建設ラッシュを見て、地球温暖化が加速すると思い、冷却関係事業を思いついた。試行錯誤の末、「部屋全体を冷房する必要はなく、人だけが涼しければ良い」と気付き、クーラーの小型化→空調服に至った。異業種からの参入によりその後もさまざまな課題に直面した今にいたる経緯と今後への想いを語る。
(10:50〜11:00) 休憩
(11:00〜11:50) 2「スマート消防服による熱中症リスク予知」
  ・・・・ 帝人(株)マテリアル技術本部 ソリューション開発センター 安光 玲
 消防隊員は火災から身を守るため難燃素材の消防服を着用するが、外からの熱を防ぐ反面、衣服内の熱も放熱せずに熱中症になるリスクがある。その消防隊員の体調を把握するため、スマート消防服を用いた消防隊員の安全警報システムを共同研究先の大阪市立大学と大阪消防局の協力にて開発した。今回、スマートテキスタイルの新たな実例として紹介する。
(11:50〜13:00) 昼食
(13:00〜13:50) 3「食品工場の異物混入対策ユニフォーム」
  ・・・・・・・・・・ミドリ安全株式会社 吉田 孝保
 2000年の大手乳業集団食中毒事件以降、幾度となく繰り返された食品関連事件、またSNSで瞬時に拡散されてしまう異物混入トラブルなど、これらの事件・事故が日本の食品工場ユニフォームのあり方を激変させ、進化させてきた。本講演では、独自の発展・進化を遂げた異物混入対策ユニフォームの開発思想と、最新のミドリ安全商品「プロホワイト」を紹介しながら、今後の展望と可能性を探る。
(13:50〜14:00) 休憩
(14:00〜14:50) 4「学校制服の過去、現在、未来〜社会・教育・消費者の変化と共に〜」
  ・・・・・・・・・・菅公学生服(株)原田 季典
 1879年、学習院(旧華族学校)で採用され日本に定着した学校制服は、社会情勢、教育情勢の変化とともにデザイン、機能、素材と大きく変化してきた。そして現在、少子高齢化、教育改革、地方格差等様々な変化や問題が発生する中、学校・保護者・生徒が何を求め、制服の価値がどう変化しているのかをモノ(商品開発)の視点とコト(教育サポート)の視点から具体的に解説する。
(14:50〜15:00) 休憩
(15:00〜15:50) 5「作業服・防護服に求められる機能性とその評価方法」
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ユニチカガーメンテック(株)西山 武史
 作業服には着用される用途・場面で想定される様々な危険(リスク)から身体や製品を守る為に、それぞれのリスクに対応する為の機能性(防護性)が求められる。更に機能性だけでなく、耐久性や着用者の快適性も要求される。近年では、作業服・防護服に求められる要求性能とその評価方法・基準を示した様々な規格が制定されてきており、2015年にJIS規格が制定された高視認性安全服規格は代表的な例となる。本講演では高視認・難燃・制電といった、作業服・防護服に求められる様々な機能性とその評価方法や要求性能、国内・海外基準について紹介する。
(15:50〜16:00) 休憩
(16:00〜16:50) 6「安全くつ」 
  ・・・・(株)アシックススポーツ工学研究所 フットウェア機能研究部 原野 健一
 作業用安全靴では,工業用オイルに覆われたサーフェイス上において,作業者が持つパフォーマンスを最大限に発現させるだけでなく,安全性の確保,快適性の付与も重要な要求特性となる.これら要求を実現させるため,足の動きに追従する「フィット性」や「屈曲性」,しっかりとサーフェイスを捉える「オイルグリップ性」,接地時の衝撃を緩衝する「クッション性」,様々な機能性を維持させる「耐久性」などに着目し,構造設計・材料設計が行われている.本講演では,作業用安全靴の構造・材料設計において,スポーツシューズとの差異を論じると共に,その性能について実例をもとに紹介する.

〔定 員〕 60名
〔参加費〕  会 員(学校) 9,000円、 会  員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、 学生 3,000円


第30回消費科学講座
我が商品・技術の「想い」と「こだわり」を語る
−これまでの実績とこれからの展望−


 低成長の時代には、他社の追従を許さない「ロングセラー」商品が存在することは企業にとって大きな価値があります。ロングセラー商品は、発想がユニークであることで注目を集め話題となり、その後の時代の変化に対応して生き残り今日なお存在感がある商品であり、「想い」と「こだわり」、それに「消費者動向を見る目」と「状況に柔軟に対応する姿勢」などが加わってはじめて成り立つものです。
 本講座では、誰もが知っているロングセラーとなった商品・技術を生み出した企業に、その商品や技術への想いやこだわり、現在までの経過・実績、そして将来への展望を語って頂きます。取り上げた5件の商品は、用途も技術内容も異なりますので、多彩で貴重なお話が聞ける講座になると期待しています。
・クラレには、発売50周年を迎えた人工皮革「クラリーノ」がロングセラー商品となった秘密について
・東レには、機能性加工商品開発の長い歴史の中で「ナノスケール加工技術」の意義と将来性について
・ユニチカには、長年婦人衣料用ポリエステルに注いできたこだわりと最新作のゼログの発想について
・クラボウには、天然素材「綿」へのこだわりの中で生まれた新しいライフスタイルの提案について
・花王には、ベビー用紙おむつの定義を変えることにより商品価値を広げてきた「メリーズ」について
 今手がけている商品開発の進め方に関して悩みを持っているあなたへ。良く知っている商品の開発秘話をお伺いすることにより、課題解決のための多くのヒントが得られるでしょう。
 この第30回消費科学講座で語られる「想い」と「こだわり」は、温故知新という言葉の通り、時代を超えて有益な含蓄に富む経験談として、今という時代に売れるもの、買われるものを生み出すことを考えている方々にも役立つと確信しています。 
新商品の研究・開発に携わっている方々やロングセラー商品に興味のある方々はもちろん、多くの方々の聴講をお待ちしています。

〔日 時〕<終了しました>
2017年11月9日(木) 9:50〜17:00 大阪会場ドーンセンター 5階 特別会議室
   (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
2017年11月17日(金) 9:50〜17:00 東京会場日本女子大学 新泉山館 1階大会議室
   (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)

〔受 付〕9:30〜
〔内 容]
(10:00〜10:10)開会の挨拶
(10:10〜11:10) 1.「人工皮革 “クラリーノ” ロングセラーの秘密」  
   ………………株式会社クラレ  芦田 哲哉
 「天然皮革の構造を工業的に再現する」というこだわりから生まれた人工皮革<クラリーノ>は、2015年に発売50周年を迎えた。今なお進化と拡大を続ける<クラリーノ>の、50年の想いと、今後の展望について紹介する。

(11:10〜12:10) 2.「“ナノスケール加工技術”による商品開発展開」
   …………東レ株式会社  竹下 将太
 これまで長年にわたり種々の機能性加工技術の開発を行ってきた。当社独自の「ナノスケール技術」により、処理対象、処理薬剤、処理後の構造のいずれかがナノスケ−ル(100nm以下)で自在に制御された商品は格段に機能や適用範囲が格段に向上する。開発状況と今後の展開について説明する。

(12:10〜13:15) (昼食休憩)

(13:15〜14:15) 3. 「高発色性婦人服素材“ゼログ”」
   ………………ユニチカトレ−ディング株式会社 冨路本靖弘
 ユニチカでは過去より独自の紡糸技術及び、糸加工等、各種繊維加工技術を融合することにより、様々な婦人衣料用ポリエステル素材の開発を行い、商品展開をしてきた。2016年には高発色性ポリエステル素材「ゼログ」で2016年繊研合繊賞のグランプリを獲得した。本講座では、この「ゼログ」について、特長、今後の展開等について紹介する。

(14:15〜14:20)  (休憩)

(14:20〜15:20) 4. 「綿の紡績・織布.ニット・染色加工の領域で、独自のコア技術を生かす」 
  ………………倉敷紡績株式会社 勝圓 進
 クラボウは1888年の創業以来、ソフトな風合いや吸水性を持つ紡績糸(「スピンエアー」など)の開発や、後加工による綿の改質(「イブリック」など)など、紡績・織編・染色・加工の各技術を生かした商品を展開してきた。現在は綿へのこだわりを持ち続けながらも、従来の固定観念にとらわれない繊維製品やサービスを推進しており、熱中症リスク管理システム「スマートフィット」、抗菌・抗ウイルス機能繊維「クレンゼ」の取り組みなどの事例を紹介する。
 
(15:20〜15:25)  (休憩)

(15:25〜16:25) 5.「ベビー用紙おむつの使用実態と機能〜『メリ−ズ』開発事例をもとに」
  11月 9日(大阪)………………花王株式会社サニタリー研究所 豊島 泰生
  11月17日(東京)………………花王株式会社サニタリー研究所 富田 美奈
 ベビー用紙おむつは、乳幼児の排泄物を吸収する『排泄ケア』を目的に発明されたが、今日までの進化の過程において、『乳幼児の肌に直接触れるモノ』、『日々成長する乳幼児にとっての衣服』といった具合に、紙おむつの定義自体を変えることでその提供価値の可能性を広げてきた。本発表では、ベビー用紙おむつの使用実態と機能について、特に近年重視されている乳幼児の肌への優しさに関する機能について取り上げ、その具現化技術を紹介する。

(16:25〜16:45) 6.閉会の挨拶・名刺交換会

〔定 員〕 60名
〔参加費〕会員(学校)9,000円、  会員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、 学生 3,000円


第29回 消費科学講座
『売れる、買われる仕組みの作り方』〜選ばれるブランドや店舗とは〜


 売上至上主義的な売ることを前提とした「売ることがマーケティングのゴールである」といった考え方のマーケティング戦略が、今日もなお多く見受けられます。当学会の過去2回のマーケティング講座において、商品、情報が溢れた定常状態の中では、消費者と共創、共感できる製品、売り場作りを実践しているブランドや店舗が支持されていることが明らかになり、今の時代のマーケティングは、『売れる、そして買われる仕組み』作りが大切であることを学びました。豊富な情報を有する消費者は、商品の価値だけではなく、その商品を提供している企業・ブランド・店舗の考え方、社会への影響も含めて総合的に意思決定をするというように、消費の意識や思考のパラダイムシフトが起きています。時代及び思考の変化と定量的(品質や機能、そして価格など)な価値で差別化しにくくなった状況の中で、定性的(感情など)な価値が重視され、「納得」、「共感」、「応援」が消費者と絆を深めるための重要なキーワードとなっています。また良いモノ作りや販売を前提とするのは当然であるが、どのような価値、仕掛け、体験を提供できるかが、消費者を振り向かせる大切なポイントとなっています。
 今回の第29回「消費科学講座」では、『売れる、買われる仕組みの作り方』 〜選ばれるブランドや店舗とは〜」をキーワードとし、理論・実践において市場、業界や研究の最前線でご活躍されている方々を講師として迎えてご講演いただきました.

〔日時・会場〕<終了しました>
2017年7月21日(金)10:00〜17:00 京都会場:キャンパスプラザ京都 4階第3講義室
   〒600−8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル
2017年7月28日(金) 10:00〜17:00 東京会場:日本女子大学 日本女子大学 新泉山館 大会議室
   〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕
(10:00−10:10)開会の挨拶
(10:10−11:45)1.基調講演「生活者の見えない欲望「インサイト」のとらえ方」
  ………………博報堂ケトル代表 嶋 浩一郎
企業側がニーズがあるはずだと思ってやった商品開発、マーケティング施策がまったく生活者に受け入れられないことがある。逆に、意外な商品やサービスが生活者に受け入れられたり、企業側が想定もしなかった方法で製品が使われるケースもある。生活者の真の欲望をとらえるのは難しい。なぜなら、生活者自身がその欲望に気付いていないからだ。生活者の見えない欲望「インサイト」はいかにしてとらえられるのか?

(11:45−13:00)      (昼食休憩)

(13:00−14:10)2.「消費科学から在り方の科学へ」
  ……………株式会社スマイルズ 遠山正道
 何をやっても大変な時代。何が売れるかの消費サイドを科学するのではなく、何を売りたいか、売るべきか、自らの動機など「在り方」を科学することが、楽しく、粘り強く、リスペクトされるビジネスになるコツと考える。誰にでも、どこにでも、在り方は存在する。

(14:10−14:20)      (休憩)
 
(14:20−15:30)3.「“ありえない”をブームにするニッチ戦略」
  ……………パクチーハウス東京 佐谷 恭
 飲食業勤務経験なし、いきなりパクチー。数々の専門家・コンサルタントから「ありえない」「危険」と言われて世界初のパクチー料理専門店を始めてから、パクチーブームを産むまでの10年間をダジャレと適当な感性で振り返ります。顧客中心主義では生まれえない、ゼロイチの世界。全ての人を受け入れるパクチー愛とは。

(15:30−15:40)      (休 憩) 

(15:40−16:50)4.「シェアリングが作る新しい顧客体験」
  ……………株式会社エアークローゼット 天沼 聰
 これまでにない顧客体験を生むことで、まったく新しいお客様との接点を作り、顧客意欲を高め業界全体を活性化する挑戦をはじめたスタ−トアップ立上げについて

(16:50〜17:00)閉会の挨拶

[参加費]会員(学校) 9,000円,会員(団体・企業・官公庁)13,000円, 非会員(学校)13,000円,非会員(団体・企業・官公庁)17,000円,学生3,000円

第28回 消費科学講座
「不当景品類及び不当表示防止法」
〜一般消費者の選択を歪めない表示をするために〜


 私たちは消費者として日々様々なものを購入しています。その購入を決める判断は、多くの場合広告宣伝や商品に付随する表示から判断しています。また生産者、販売者の立場では、表示は商品をPRする大事なツールでもあり、価格、品質、機能等の商品のアピールポイントやサービスの内容等を適切に表現し、一般消費者が正しく選択できる表示をつける必要があります。
 今回の消費科学講座では、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」をテーマに、一般消費者の選択を歪めない表示を行うために、事業者が取り組むべきことを今一度考える機会にしていただければと考えています。
 基調講演では、監督省庁である消費者庁から、景品表示法について、優良誤認、有利誤認、不実証広告規制等の法律の概要と最近の法律の改正についてご講演いただきます。
 具体的事例として、洗剤、柔軟剤等の繊維関連商品や、スキンケア、化粧品等多岐に渡る商品を取り扱われている花王株式会社國米氏からは、自社における適正表示の推進体制をお話いただきます。消費科学研究所安井氏からは、食品業界の立場から平成25年のメニュー表示問題とその後の対応を、最後にスポーツ業界で作成されているスポーツ用品の表示に関する公正競争規約の概要をスポーツ用品公正取引協議会からお話いただきます。
 商品を世に提供する立場として、法律や規制を遵守した上で、正しく商品をアピールするにはどのようにすればよいか、自社の対応を考え見直す良い機会になればと考え企画しました。

〔日 時〕<終了しました>
2017年5月12日(金) 9:50〜17:00 大阪会場:ドーンセンター
  (〒540-0008 大阪市中央区大手町1-3-49)
  交通アクセス: 京阪天満橋駅:地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分
2017年5月19日(金) 9:50〜17:00 東京会場:日本女子大学 新泉山館1階大会議室
  (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
  交通アクセス:JR山手線目白駅徒歩15分又は都営バス5分
    東京メトロ副都心線 雑司ヶ谷駅 徒歩8分
    東京メトロ有楽町線 護国寺駅 徒歩10分
〔内 容〕
(9:50〜10:00)開会の挨拶
(10:00〜11:30) 1. <基調講演>「不当景品類及び不当表示防止法について」  
  ………………消費者庁 表示対策課 課長補佐(企画担当) 原山 康彦
  景品表示法の改正が平成26年に行われ、行政の監視指導体制が強化されるとともに、事業者が講ずべき管理上の措置や不当表示を行った事業者に対する課徴金制度が導入された。これら最近の法改正や景品表示法の概要、過去の違反事例等について講演する。

(11:30〜11:40)  <休憩>

(11:40〜12:40)2. 「(株)レナウンの不適正表示発生 未然防止のための管理体制」 
  …………(株)レナウンアパレル科学研究所 代表取締役社長 藤吉 一隆
  レナウングループの商品については、当社で品質判定を行い合格した商品、または製品化を承認した商品のみを製品化している。繊維製品の製造販売に関する様々な法律(家表法、景表法、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律、PL法等)の法律の遵守と一定水準の品質保証がこの制度の骨子である。過去発生した不適正表示事故事例から学び、未然防止のため構築してきた管理体制を紹介する。

(12:40〜13:30)  <昼食>

(13:30〜14:30) 3.「花王における適正表示の推進体制」
  …………花王(株) 法務・コンプライアンス部門 ブランド法務部 表示法務課長 國米 弘一 
 当社の企業行動規範である花王ビジネス・コンダクト・ガイドラインには、その基本精神である消費者起点の企業理念のもと、「広告は常に事実に基づいた公正な内容と適切な表現に努め、消費者が容易に確実に理解できるように、わかりやすく説明し誤解を与えないように努める」旨が、明記されている。その考えをいかに実践するか、適正な表示を推進するための社内体制を中心に紹介する。

(14:30〜14:40)  <休憩>

(14:40〜15:40) 4.「百貨店におけるレストランメニュー誤表示問題とその後の対応」
  …………(株)消費科学研究所 大阪研究所 食品グループ グループ長 上級食品表示診断士 安井 肇
 消費科学研究所は、大丸松坂屋百貨店の品質管理を担当しており、百貨店で取り扱う商品の品質検査及び表示点検などを実施し、企業と消費者の信頼関係を築く橋渡し役として活動しております。
今回は、平成25年11月のレストランメニュー等誤表示問題における顧客からの問い合わせ対応、具体的な再発防止策、自社の景表法ガイドライン内容などを説明します。併せて、食品関係の景表法等措置命令事例を紹介します。

(15:40〜15:50)  <休憩>

(15:50〜16:50)5.「スポーツ用品の表示に関する公正競争規約の概要」
  …………スポーツ用品公正取引協議会/ミズノ(株) 桐本 昌計 
 公正競争規約とは、消費者庁および公正取引委員会の認定を受けて、表示や景品類に関する事項について、自主的に設定している業界のルールです。 スポーツ用品の表示に関する公正競争規約は、スポーツ用品の表示が適正に行なわれるよう、昭和62年に制定され、各種スポーツ用品の必要表示事項、二重価格表示の基準、特定用語の使用基準等が決められています。今回は、その概要をご紹介します。

〔定 員〕 60名
〔参加費〕  会員(学校)9,000円、 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、 学生 3,000円


第27回 消費科学講座 
〜日本のアパレル産業の今後を考える〜
日本の「縫製」が世界と伍して戦っていくために何をすべきか


 経済産業省製造産業局の「アパレルサプライチェ−ン研究会」の報告では、日本のファッション産業は早期に大ナタを振るって改革しなければ、これまでの最終製品のよいところをすべて海外勢力に取られてしまい、立ち直れなくなると警鐘を鳴らしている。そのためには、「人材育成」「設備投資」「商取引慣行の改善」を通して衣料品のクリエーションを高め、日本製品の海外展開を積極的に進めていくべきだと提言している。
 さらに「縫製」を中心とした「ものづくり」の分野では、今こそデザインやIT技術との結びつきを強めて、「糸や素材の最初の段階から工夫を凝らし、独自性やエッジの効いた製品づくりが必要である」と強調している。
 今回の消費科学講座では、「日本の縫製と最新技術」をテーマに、日本の「縫製」が世界と伍して戦っていくために何をすべきか、皆さんと考えたい。 基調講演では、まず、有識者と経済産業省で構成されたアパレルサプライチェーン研究会のメンバ−でもある経済産業省製造産業局生活製品課 課長補佐の菅野将史氏から、報告書のブリ−フィングと提言をいただく。
 次に、世界のアパレル生産の現場がどのように進んでいるのか、アジア〜アフリカに及ぶ世界の生産現場の実情を、この道(生産技術・生産管理)の第一人者で、JICAプロジェクトのスタッフとして現在もパキスタンで技術指導中の日本繊維輸入組合主任研究員 正田康博氏(元文化学園大学教授)から報告いただき、日本のファッション産業の立ち位置と「縫製」「ものづくり」のあり方を考えたい。
 また、これからの縫製工場のIoTの具体的提案について、JUKI中村宏氏から提言いただく。さらに、今話題の東大ベンチャ−企業Sapeet 築山栄治氏には、風合いまで配慮した着装シミュレ−ションの実用化について、最後に、婦人服のフランドル社長の栗田貴史氏からは、企業内組織の英知を結集して「ものづくり」を抜本改革して立ち向かっている様を語っていただく。
 日本の「縫製」が世界に伍して戦っていくためには何をすべきか。今回の消費科学講座は、その1点に絞っての開催とした。皆様の参加をお待ちしています.

〔日 時〕<終了しました>
2017年2月10日(金) 9:50〜17:00 大阪会場:大阪市中央公会堂大会議室 (〒530-0005 大阪市北区中之島1丁目1−27)
2017年2月24日(金) 9:50〜17:00東京会場:日本女子大学 新泉山館1階大会議室 (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
〔内 容〕
(9:50〜10:00)開会の挨拶
(10:00〜11:30) 1. <基調講演1>「わが国のアパレル産業の今後とあるべき姿」 
   ………………経済産業省 製造産業局生活製品課 (大阪会場)田村 富昭  (東京会場)菅野 将史
 わが国の繊維業界の強みは、高い技術力を有する糸や生地にある。これを最終製品に活かし、製品の価値向上を目指さなければならない。製品作りの事例を示しながら、皆さんと考えたい。

(11:30〜12:20)  <昼食>

(12:20〜13:20) 2.<基調講演2>「広がる東南アジアの縫製の今後」〜消費者に世界最適調達をするにはどうすればよいか〜
   ………………日本繊維輸入組合主任研究員(元 文化学園大学)正田 康博
 アパレル製品の海外生産は、長年中国が大きな生産比率を占めていたが、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマーなど東南アジアの比率がどんどん増して(チャイナプラスワン)アフリカにまで及んでいる。そしてこれらの地域は今や我が国の生産基地としてばかりでなく日本との包括的経済連携協定(AJSEP)、地域内自由経済が促進され、グローバルな市場としても大変な魅力のある地域になっている.パキスタンで縫製工場の生産技術・生産管理・品質管理高度化のためにJICAから派遣されて技術指導にあたっている正田氏に、資材調達、生産、物流など総合的な“世界最適調達”について語っていただく。

(13:20〜13:25)  <休憩>

(13:25〜14:25) 3.「縫製産業のグローバル化とJUKIスマートファクトリーの提案」
   ………………JUKI(株) 上席理事 中村 宏 
 国際アパレル機器見本市(JIAM2016)において、JUKIはこれからの縫製工場の在り方について、(1)デジタルソーイング (2)ロボットシーイング (3)スマートファクトリーの3つのソリューションを発表した。IoTによって加速される生産のスマート化の流れは、縫製工場をどのように変えるのか?そして、どのように生産現場の変化がファッション業界に与えるのか、これらについて講演する。

(14:25〜14:30)  <休憩>

(14:30〜15:10) 4.「アパレルでのRFID運用状況と今後について」
  ………………ナクシス株式会社 戦略本部 マネージャー 前田 考一
 ICタグ(RFID)はアパレルや小売の在庫管理、印刷によらないタグの簡素化による作業効率や客動線追跡等、小売内での効率化のみが語られる事が多いが、その情報を元に小売とアパレル間やさらに縫製工場との情報連携で、今後は生産の効率化や売れるものを作り、従来の「作っては残す」型から脱皮させる事の出来るシステム運用について講演いただく。 

(15:10〜15:50) 5.「CAD応用 着装シミュレーションの実用化〜3Dネット試着文化の始まり」
   ………………(株)Sapeet 代表 築山 英治
 同社はCADデータを利用した3次元CG技術及び着装シミュレーション技術を開発した。3DのCADデータを利用するため着心地を可視化する精度は高く、服のシワやフィット感を再現する。型紙デ−タを3D変換するサービスも用意している。近くユーザー企業のECサイトで利用がはじまる。服の設計から販売までのそれぞれの工程にてSapeetの技術がどのように活用されるのか、その現状と未来について、実際のサービスの説明を交えながら講演いただく。

(15:50〜16:00)  <休憩>

(16:00〜16:50) 6.「産地・メーカー様と一体となって『日本発の新しい価値』を創造する」      
   ………………(株)フランドル 代表取締役社長 栗田 貴史
 多くのアパレル(婦人服)企業は、1つのブランドに対して数人のデザイナ−の考えでものづくりを行っていることから、どうしても同質化を招く要因となっていた。その状況を打破し、消費者に魅力ある商品の継続的な提供を可能とするため、デザイナ−やパタンナ−からなる120名を一つの企画チ−ムとして、チ−ム全員でアイデアをだし、素材メ−カ−や産地などを巻き込み、プロの作り手とこれまでになかった”新しい製品を生み出すことが可能となった。信頼関係により産み出されるこだわりのMADE IN JAPANを探る。

〔定 員〕 60名
〔参加費〕 会員(学校)9,000円、 会員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、 学生 3,000円

第26回 消費科学講座  
〜アパレル製品・シューズの安全リスクを削減するために〜


 「安全性」は、人や条件によって様々に変化する相対的なもので、裏を返せば、絶対的な安全性というものは存在しないということを我々は認識しなければなりません。“安全であること”は、消費者に危害を与えないということであり、我々は危害発生の確率と危害の程度の組み合わせである「リスク」を認識し、そのリスクをミニマイズさせる必要があります。
 「リスク」として認識される要件としては、材料(主素材・副素材)および染色加工で付与される機能加工剤など化学物質に起因するもの、またゴム・ワイヤーなどによる皮膚刺激や毛羽燃焼など物理的要因に起因するものがあります。更に、昨年JIS規格となった子供服のひも仕様など製品設計に起因するもの、縫製工程での異物混入など製造工程に起因する「リスク」もあり、各要因に対するリスクアセスメントを実施し、リスクの特定とその軽減策を講じる必要があります。
 今回の消費科学講座では、アパレル製品・シューズからアクセサリーまで身に付ける物・手に持つ物の安全性を取り上げ、各事故事例から原因を分析するなど、安全リスクを多角的に取り上げ、専門の先生からご講演をいただきました。
 特に、昨年JIS規格となった子供用衣料のひも仕様に関するJIS規格のQ&Aでは、文面からだけでは判断が難しい規格の詳細を解説頂く実践的内容です。

[日時]<終了しました>
2016年11月11日(金) 9:50〜17:00 大阪会場:ドーンセンター 視聴覚スタジオ
 (〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
2016年11月18日(金)  9:50〜17:00 東京会場:日本女子大学 新泉山館1階大会議室
 (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)

[内容]
(9:50〜10:00) 開会の挨拶
(10:00〜11:30) <基調講演>1.「アパレル製品・シューズのリスクアセスメント」
  ・・・・・独立行政法人 製品評価技術基盤機構 (NITE) 長田 敏 
 アパレル製品・シューズは、品質やデザイン性が最優先されるが、しばしば安全の問題が生じることがある。ISO/IEC ガイド51では「全ての製品及びシステムにはハザードが含まれている」としているように、これらの製品にもリスクが存在する。また、アパレル製品・シューズは製造物でありPL法の対象である。リスクアセスメントの視点から、欠陥、危害シナリオ、リスクの見える化、製品に潜むリスクを低減する方策をわかりやすく説明する。

(11:30〜12:20) 2.「シューズ、バッグ、アクセサリー用のゴム・プラスチックの安全性」 
  ・・・一般財団法人 化学物質評価研究機構 菊池 貴子
 ゴム・プラスチックの材料についても様々な法規制のもと、安全性が求められている。また、配合されている添加剤にも規制がある。国内の法規制、RoHS規制及びReach規制について評価方法も含めて紹介する。

(12:20〜13:10) 昼食

(13:10〜14:00) 3.「染料・機能加工剤など化学物質の安全」
  ・・・金崎技術士事務所(元日華化学) 金崎 英夫
 繊維製品の生産は、グローバル化に伴い世界中に広がっています。コスト重視や品質重視の商品など多種多様な形態があるものの、安全性の問題は共通である。今回は、世界的に規制が始まっている染料・機能加工剤の安全性を中心に最近の動向について説明する。

(14:00〜14:50) 4.「衣料品の安全設計〜縫製仕様、縫製工程、副資材、生地特性の観点から〜」
  ・・・一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター(Qテック)  三谷 進
 繊維製品(衣料品)は、身に付けるものであり、「安全」「安心」が要求される。具体的には、縫製工程における危険物や異物などの混入、衣料品に使用される副資材(スナップ、スピンドル、ネーム、縫い糸)からの物理的な皮膚刺激の事故、また、生地特性では、毛羽燃焼や静電気などによる事故などが考えられる。本講座では、それらを現場で起きた実際の事故事例を交えながら、未然に防ぐチェックや危険物の管理方法について紹介する。

(14:50〜15:00) 休憩

(15:00〜15:50) 5.「子ども用衣料のひも仕様に関するJIS規格のQ&A解説」 
  ・・・三起商行株式会社 上田 泰三
 子ども用衣料(ひもの安全基準)の安全規格(JIS L 4129)は、昨年12月に公示され、ほぼ1年が経過している。各アパレル企業は、17年春夏物からの規格適合化を目指し、仕様を適切に改善しているが、規格本文をみるかぎり、判断に迷うケースも少なくない。本講座では、経済産業省が作成した「解釈Q&A(第二版)」について、さらに理解を深めていただくことが目的である。

(15:50〜16:40) 6.「日用品の安全」 
  ・・・一般財団法人 文化用品安全試験所 相川 泰
 我々の身の回りの日用品にも安全性が求められる。特に、福祉機器、玩具、電動玩具、幼児用家具、ガラス製品などは、安全リスクが高いといわれている。本講座では、日用品の評価試験を紹介するとともに、いくつかの基準値を紹介したい。

〔定 員〕60名
〔参加費〕  会員(学校)9,000円、  会員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、 非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、 学生 3,000円

第25回 消費科学講座
『マーケティング3.0:顧客共創のマーケティング』
〜成功事例に学ぶマーケティング戦略〜〜


 かつてメーカーはより良い製品をいち早く世に送りだして消費者に提供してきました(マーケティング1.0)、更に消費者が望むシチュエーションに対応した製品を発表して顧客満足に応えて来ました(マーケティング2.0).しかしながら今日では、(1)「SNSの発達」によって製品や製品を提供する企業の情報がネット上に溢れ、ポジテイブな情報からネガティブな情報まで消費者に届き、ネット上の情報が製品購入に影響を及ぼすまでになって来ました.(2)一方で消費者は、地球温暖化や貧困を初めとする社会課題が叫ばれ、「他者あるいは社会・世界のために自分になにができるか」を考えるようになっています。このような環境変化の中、消費者の購入における価値の機軸は『共感できるもの』、『私にマッチするもの』、『応援したくなるもの』へと変化しています。様々なデザイン、機能が溢れている成熟した市場の中で私達はいま、消費者と共創、共感できるブランド、製品、売り場作りを実践することが求められています。つまり、マーケティング3.0の発想が求められているのです。マーケティング3.0時代の企業、ブランド、商品、店舗はどうあるべきなのか、何をすべきなのかを実例から探ります.
 今回の第25回「消費科学講座」では、「『マーケティング3.0:顧客共創のマーケティング』 〜成功事例に学ぶマーケティング戦略〜」をキーワードとし、「消費者の気持ちに寄り添ったモノ作りのプロセス」、「顧客視点のデータベースマーケティング」「製品情報発信や消費者とのコミュニケーション」など、理論・実践において市場、業界や研究の最前線でご活躍されている方々を講師として迎えてご講演いただきました.

〔日時・会場〕<終了しました>
2016年7月22日(金)9:50〜17:00 京都会場:キャンパスプラザ京都 4階第4講義室
  〒600−8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル
  
2016年7月29日(金) 9:50〜17:00 東京会場:日本女子大学 新泉山館 大会議室
  〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
 
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕(講演項目等を変更する場合がありますので,あらかじめご了承ください。)
(10:00〜10:10) 開会挨拶
(10:10〜11:45)
 1.基調講演 「高感度ママたちが本当に欲しくなるクルマつくりました!」
   ………………(株)電通 前田淳子
 「あるクルマのコンセプトとデザインを編集長と一緒に開発しました」と言ったらびっくりしますか?日本を代表する編集長の持つターゲットに対する「卓越したインサイト力」」「クリーエイティブ力」「インフルエンサーネットワーク力」をフル活用し、徹底的に「消費者」の気持ちに寄り添ったクルマづくりのプロセスについてお話しします.

(11:45〜13:00) ≪昼食休憩≫
(13:00〜14:10)
 2.「技術にこだわった「よきモノづくり」 −花王ヘルシア緑茶―」
   ……………花王(株) 研究開発部門 ヘルスケア食品研究所所長 桂木 能久 
 健康に関係する社会課題の一つにメタボリックシンドロ−ムが挙げられます.内臓脂肪をためずにメタボを“予防”し、疾患リスクを下げることが医療費の削減に貢献します.本発表では、技術にこだわったヘルシア緑茶の過去、現在を紹介すると共に、将来に向けた健康の見える化を切り口とした健康改善支援への取り組みについて述べます.

(14:10〜15:20) 
3.(京都講演)「ソーシャル時代:機能価値から感情価値へ」
   ……………活ノ藤久右衛門 経営企画部長 広瀬 穣治
 京都宇治の老舗の小さなお茶屋さんがFacebook年間エンゲージメント率、国内第3位。顧客の視点は利便性から共感へ、感情価値の台頭がマーケティングの形を変えています。その価値を如何に目に見えるものに変えて伝えていくのか、無形のサービスについてお話します.
  (東京講演)「MUJI (DIGITAL) MARKETING 3.0」
   ……………(株)良品計画 WEB事業部長 川名 常海
 モバイル端末の普及、ソーシャルメディアの発達により、生活者が自ら必要な情報を得ることができるようになり、ますます強く、賢くなってきています.生活者中心の時代においては、一方通行のマスマーケティングは終焉に向かい、生活者との対話や傾聴、それらから発生する商品やサービスの開発、改善など、企業と顧客のコラボレーションにより、価値を創造する時代に突入しています.この講演では、1980年、生活者視点のブランドとして生まれた無印良品が、ブランドの活動プロセスに顧客をどのように統合し、また、デジタル時代にそれをどう加速させているのかについて解説します.

(15:20〜15:30) ≪休 憩≫ 
(15:30〜16:40)
 4.「顧客視点のデータベースマーケティング」 
   ……………CCCマーケティング(株) 佐藤 伸
 ここ数年、ビッグデータというキーワードが世を賑わし、テレビや新聞、ネットニュースなどでもこの言葉を目にしない日はない. 30年前、ライフスタイル提案をコンセプトに誕生したTSUTAYAの会員カードは様々な企業で使える日本最大級の共通ポイントカードとなり5,792万人へ普及した現在、顧客が何を考え、どんな行動を起こしているのかデータベースマーケティングから顧客のライフスタイルを読み解きます.

(16:40〜16:50) 閉会挨拶

〔参加費〕会員(学校)9,000円、会員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、学生 3,000円

第24回 消費科学講座
〜世界に誇れる日本のクオリティ“スマートテキスタイル”〜


 世界に誇れる日本のクオリティとして、「スマートテキスタイル」は、基礎研究や揺籃の時代から商業規模の応用開発、そして、今や実用化の段階に達しようとしています。
 本講座では、基調講演として、福井大学の堀照夫先生より、世界に誇れる日本発の「スマートテキスタイル」の最新動向を、スマートテキスタイル分野をメインに進めている日仏繊維WGの進捗状況および「ウェアラブルEXPO」での展示内容、さらには今後の展望ついてご講演いただきました。また、実際に研究開発を進められている企業や研究所より、実用化レベルでの最新製品をご紹介いただきました。今回は、着るだけで心拍数を計測できる「C3fit IN-pulse」、生体情報計測ウェアに適した機能性素材「COCOMI」、ストレッチ繊維を用いた伸縮する電線「ロボ電」、球状太陽電池(スフェラー)を織り込んだ発電するテキスタイル「太陽光発電テキスタイル」の開発、ICタグや金属メッキなどを活用した「マジックテープのウェアラブル用途への展開」について、ご講演いただきました。
 本講座は世界に誇れる日本の最先端テキスタイル技術を知っていただくためのよい機会となりました。

〔日時・会場〕
2016年5月13日(金)10:00〜17:00 <終了しました>
 大阪会場:ドーンセンター5階特別会議室 (〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
   交通アクセス:京阪天満橋駅・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分
2016年5月20日(金)10:00〜17:00   ※東京講演は都合により中止になりました
 東京会場:日本女子大学 新泉山館 1階大会議室 (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
   
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕
(10:00〜10:10) 開会のご挨拶 
(10:10〜11:40)1.(基調講演)「スマートテキスタイル最新研究開発動向」
   ・・・・・・・・・福井大学 堀 照夫(繊維学会スマートテキスタイル委員会委員長)
 繊維産業は大きな転換期を向かえ、製造の徹底した低環境負荷化と電子部品と組み合わせた 「スマートテキスタイル」への展開が進んでいます。本講演ではスマートテキスタイル分野をメインに進めている日仏繊維WGの進捗状況および今年2回目を迎えた「ウェアラブルEXPO」での展示内容、さらには今後この分野をどのように発展させるべきかについて紹介します。
(11:40〜12:30 昼食)
(12:30〜13:20)2.「心拍数はカラダからのメッセージ。C3fit IN-pulse」
   ・・・・・・・・・・・・・株式会社ゴールドウインテクニカルセンター 中村 研二
 C3fitのIN-pulse(インパルス)は、着るだけで例えばランニング等の激しい運動中であっても誰でも簡単・正確・快適に心拍を測定することができるウェアです。電極にはNTT(日本電信電話株式会社)の繊維導電化技術と東レ株式会社のナノファイバーテクノロジーより開発された肌へのフィット性に優れたhitoeを採用しています。本講演ではIN-pulseの特長や心拍測定のメリットについてなどを紹介します。

(13:20〜14:10)3.「フィルム状ストレッチ性導電素材、COCOMI」
   ・・・・・・・・・・・・・東洋紡株式会社 快適性工学センター 権 義哲
 COCOMIは、ストレッチャブル銀ペーストからなる高い導電性を有するフィルム状の導電素材で、スマートセンシングウェアを実現するための電極・配線材料として開発しました。容易に生地に積層でき、薄くてやわらかく伸縮性に優れているため、体や生地の伸びに追随し、着用者に自然な着心地を与えます。本講演では、COCOMIの特長と心電図計測事例を中心に紹介します。

(14:10〜14:20 休憩)
(14:20〜15:10)4.「伸縮電線 ロボ電 の特徴と用途」
   ・・・・・・・・・・・・・旭化成株式会社 中川 剛志
 旭化成せんいが世界に先駆けて開発した伸縮電線ロボ電について紹介します。まず、ロボ電の特徴である『構造と伸縮特性』『耐久特性』『電気的特性』等を紹介し、続いてロボ電の特徴が活きる用途について2つのタイプ『ROBODEN TR』と『ROBODEN TI』の特長と合わせて紹介します。

(15:10〜16:00)5.「太陽光発電テキスタイル」
   ・・・・・・・・・・福井県工業技術センター 増田 敦士
 球状太陽光発電素子(スフェラーパワー社製)を糸形状(太陽電池糸)に加工し、それをよこ糸に織り込む方法により、薄く、軽く、フレキシブルな太陽光発電テキスタイルを開発しました。このテキスタイルは、太陽電池糸の配列を変えることで、大きさやその発電性能も変更できます。今回は太陽光発電テキスタイルの特性やサンプル試作事例について紹介します。

(16:00〜16:50)6.「マジックテープのウェアラブル用途への展開」
   ・・・・・・・・・・クラレファスニング株式会社 河端 晃一
 マジックテープは株式会社クラレの面ファスナーの登録商標です。鉤状とパイル状の素子をもつテープであり、簡単に何度も着脱できることから様々な分野で幅広く使用されています。マジックテープは表と裏を分離させて袋状の空間をもたせることができ、その中に例えばICタグを入れて、面ファスナーを介して簡単に着脱する、またマジックテープに金属メッキ加工を施した開発例など、ウェアラブル用途への展開を中心に紹介します。

(16:50〜17:00) 閉会のご挨拶
〔定 員〕 50名
〔参加費〕会員(学校)9,000円、会員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、学生 3,000円

第23回 消費科学講座
〜“衣料・雑貨の副資材”縁の下の力持ち〜


 衣服や雑貨はテキスタイルだけで出来ている訳ではありません。色々な副資材と共に縫い合わされ、あるいは貼り合わされて、1つの製品が完成されます。普段、資材の事は、関係者以外の方はあまり気にされないかもしれませんが、小さなもの、内側に隠れたものでも重要な部品として製品を支えています。また、製品の“ワンポイント”として完成度を高めたり、価値を高めてくれたりもします。
 しかし、その組み合わせ方や使い方を間違うと、製品の価値を落とすどころか、クレームになり、周りに迷惑をかけ、大きな損失になりかねません。その性能・性質を知った上での製品企画、設計、使用が不可欠です。今回の講座では、数ある副資材の内でも特に普段「うっかりしがちな、情報が得られ難い」ものを集め、その基礎や特徴、注意点などを専門の方々にご講演いただき、お役に立つ「豆知識」をお届け致します。また最後に副資材に関連した事故事例も紹介致しました。

〔日時・会場〕<終了しました>
2016年2月5日(金)9:50〜17:00 
 大阪会場ドーンセンター5階視聴覚室
   (〒540-0008大阪市中央区大手前1-3-49)
   交通アクセス:京阪天満駅・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分)
2016年2月18日(木)9:50〜17:00 
 東京会場日本女子大学 新泉山館1階大会議室
   (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
   交通アクセス:JR山手線目白駅 徒歩15分又は都営バス5分
     東京メトロ副都心線 雑司ヶ谷駅 徒歩8分
     東京メトロ有楽町線 護国寺駅  徒歩10分
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕
(9:50〜10:00)開会の挨拶
(10:00〜11:00)1.「知っていただきたいブランドネームの基礎知識」
  ………………日本ダム株式会社 苅安 弘道
 「ブランドネーム」はあらゆるウエアやインテリアなどの商品に付いています。これらは価値の象徴、商品の顔としてブランドホルダーの強いこだわりを表現できることが求められ、先染め柄織り、顔料プリントなどの手法で、微細な文字、図柄、微妙な色使い、小さな面積に精度高く表現する技術が必要です。また、染色堅牢度や物性、安全性も求められ、最近は偽物防止技法も大切になっています。このようなブランドネームの基礎知識を解説します。
(11:00〜12:00)2.「効率の良い断熱の原理と中わたの性能」
  ……………………………スリーエムジャパン株式会社 宇佐美 浩一
 3MTMシンサレートTM高機能中綿素材をベースに今回は“断熱”の原理と“中わた”の性能によって保温効果の違いや、最近の中綿事情、使用上の注意点、また、最近注目されている産業向け中わたの用途やその性能などを説明します。
(12:00〜12:50)      (昼食)
(12:50〜13:50)3.「リボン・装飾テープ・レース・コードの基礎」
  ………………………………株式会社 SHINDO 山崎 貢
 婦人服のリボン、レースの様な装飾が中心のものやスポーツ衣料のコード、紐や袖口・衿のリブの様な機能や耐久性を要求されるものなど、さまざまな用途があるテープ・コード類は無くてはならない副資材の一つです。さまざまな装飾が要求される一方で、繰り返し厳しい環境での使用を想定したものづくりがされています。今回、その種類や特徴、使用上での注意点、今後の取り組み等を講演します。
(13:50〜14:50)4.「樹脂・金属(釦、ホック)」
  ……………………………モリト株式会社 江河 健一
 当社はハトメ・ホック・面ファスナー等の服飾付属品や靴の紐、アッパーなどの各種機能資材、中敷・シューケアーの流通小売商品また、カメラ資材、自動車内装産業資材等を国内外で製造・販売しています。今回の講座では特に創業以来の主力製品「カネエムブランド」のホックについて、種類、材質、表面仕上げ、安全基準、手打ち機による実演を交えた適切な使用方法、過去のトラブル事例を説明させて頂きます。
(14:50〜15:00)      (休憩)
(15:00〜16:00)5.「縫製用糸のはなし」
  ……………………………グンゼ株式会社 島廻 浩一、今村 哲也
 国内の縫製工場は年々減少する中、多品種小ロットの高額ブランドの縫製を請け負われています。シンプルな大量生産品の縫製は海外へ流れ、複雑な高付加価値商品の縫製が残っている状況ですが、当社では国内の縫製工場さんをサポートすべく素材・機能の変化に対応した縫製糸の開発をすると共に顧客への技術サービスを行っております。今回、ミシン糸全般の品質・機能、縫製トラブルの事例等についてご紹介します。
(16:00〜16:50)6.「副資材関連クレーム事例」
  ……………………………(一財)ボーケン品質評価機構 平岩 清隆
 副資材は、その種類も多く、使用目的も多岐にわたっています。衣料品をはじめとして、靴、鞄、傘などの生活雑貨にも幅広く使用されています。今回の講座では、ボーケンに持ち込まれたクレーム事故調査の中から副資材に関連するものを中心に事故事例を紹介いたします。

〔定 員〕50名
〔参加費〕(学校)9,000円、会員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、学生 3,000円



第22回 消費科学講座
〜羽毛(ダウン)製品特集・原毛から製品まで〜


 羽毛製品は、その優れた軽量性や防寒性等のゆえに、冬物製品の中で独自の地位を占めるに至っています。羽毛衣料は、アウトドア用途だけでなく、シティファッション用途でも多くの方々が年代を問わず着用されています。しかし、羽毛衣料では、原材料である羽毛の特性、羽毛衣料品独自の縫製仕様、また羽毛衣料独自のクリーニング処方など、独自の製法や取扱いが必要なため、異臭や破れ、洗濯によるかさ高性の低下など、羽毛衣料品に関する品質問題は依然として減っていないのが現状です。
 近年の羽毛原料の高騰、羽毛衣料のファッション化・カジュアル化が進み、羽毛衣料の商品企画では、羽毛特性を踏まえた開発設計が不可欠となります。今回の講座では、原材料である羽毛の精製工程と各種評価方法、最近の羽毛衣料のファッション傾向と要求性能、クリーニングやメンテナンスまで、一貫したテーマで、専門の講師の方からご講演いただきました。また、今回は、羽毛寝装品についても、併せてその特性についてご講演いただきました。

〔日時・会場〕<終了しました>
2015年11月6日(金)9:50〜17:00 大阪会場:國民會館 小ホール
2015年11月20日(金)9:50〜17:00 東京会場:日本女子大学 新泉山館 2階会議室
〔内 容〕
ご挨拶 9:50〜10:00
(1) 「羽毛の種類と精製工程について」 10:00〜11:30
 ・・・・・・・・・・・・・河田フェザー(株)河田 敏勝、河田 みう
 同社は世界的にも優れた独自の品質管理手法をとる羽毛精製メーカーです。今回は、羽毛製品に使用される代表的な鳥の種類や原産地、また、臭気原因の要素と言われる羽毛精製工程(洗浄⇒乾燥⇒選別)、羽毛特性などについて講演します。
(2) 「最近の羽毛衣料〜ダウンジャケットのファッションと機能」 11:30〜12:30
 ・・・・・・・・・・・(株)デサント  下平 佳宏 
 同社はMarmotブランドで羽毛衣料を製造販売しています。わが国のスポーツ用ダウンジャケットの市場動向、最近のアウトドア羽毛衣料品の開発の現状や機能性について講演します。
(昼食 12:30〜13:20)
(3) 「羽毛寝具〜羽毛布団の現状」 13:20〜14:20
 ・・・・・・・・・・・西川リビング(株) 吉兼 令晴
 寝具の役割と要求される基本特性について説明し、商品紹介と羽毛寝具の特徴、最近の開発事例について説明します。
(4) 「羽毛の特性、品質評価、事故事例について」 14:20〜15:50
  ・・・・・・・・・・(一財)日本繊維製品品質技術センター(Qテック) 中部事業所 杉山 昌之
 「JISL1903羽毛試験方法」に規定された羽毛組成混合率(ダウン、フェザー等)、かさ高性(JISかさ高性、フィルパワー、異臭等に関連する清浄度、油脂分、酸素係数など評価法を詳細に説明の上、羽毛製品の吹き出し事故事例、製品吹き出し試験と対策、また近年話題となっている羽毛トレーサビリティにも言及します。
(5)「ウェットクリーニングと羽毛衣料の洗濯について」 15:50〜16:45  
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 白栄舎 宇井 直樹
 最近の羽毛衣料品のクリーニングについて、ウェットクリーニング技術をベースに説明します。また消費者段階での適正なメンテナンスについても触れます。
〔定 員〕50名
〔参加費〕会員(学校)9,000円, 会員(企業・団体・官公庁)13,000円, 非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円, 学生3,000円

第21回 消費科学講座
〜「データ、市場、売れている商品から読み解く、ヒットに必要なこと」〜


  マーケット全体が大きく成長する時代の終焉とともに、現在の市場は、売れているものと売れていないもの、強いブランドと弱いブランドといったように、2極化がますます顕著になっています。またデフレ経済のなかで、市場や消費が冷え込み、「商品が売れない」や「若者が消費しない」といった声を多く聞きましたが、市場や消費を分析してみると、それほど市場や消費は冷え込んではおらず、実は「売れている」モノや伸びている「ブランド」があることが分かります。
これまでの市場や消費とは確実に変化しており、これまで通りのメーカー発信のやり方やモノ作りでは、うまくいかないことは明らかで、情報が氾濫する市場のなかで、消費者に伝え、購入につなげるためにメーカーがすべきことや手法は変わりました。この変化した市場や商品の実態を把握し、マーケティングやモノ作りのあり方や情報の伝え方を変革することが求められています。
 今回の第21回「消費科学講座」では、「データ、市場、売れている商品から読み解く、ヒットに必要なこと」をキーワードとし、「市場動向:なぜ、日本人はモノを買わないのか?」、「市場分析:定常期における生活者の価値観と消費観」、「強いブランド研究:良品計画、スノーピーク」をテーマに、理論・実践において市場、業界や研究の最前線でご活躍されている方々を講師として迎えてご講演いただきました。これらの最新情報から消費者が「何を考え」、「何を求め」、「どう行動しているのか」を的確に把握し、知る事で、ヒット商品を企画・開発・マーケティング・ブランディングするヒントを学んで頂けたと確信します。

〔日時・会場〕<終了しました>
2015年7月24日(金)9:50〜17:00 
  京都会場:キャンパスプラザ京都 5階第1講義室
2015年8月6日(木)9:50〜17:00 
  東京会場:日本女子大学 新泉山館 1階大会議室
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕(講演項目等を変更する場合がありますので,あらかじめご了承ください。)
(9:50〜10:00)あいさつ
1.(10:00〜11:20)「なぜ、日本人はモノを買わないのか?」
  ……………(株)野村総合研究所 主任コンサルタント 松下 東子
 生活者1万人に対するアンケート調査から消費の実態を分析し、4つの消費スタイルとそれぞれの志向や特徴を導き出した。また成功事例の分析から『情報疲労時代』において、消費者が望んでいること、重視していることを明らかにし、マーケティング戦略の方向性を示す。
(11:20〜11:30)      (休憩)
2.(11:30〜12:50)「定常期における生活者の価値観と消費観」
  ……………………………(株)博報堂 研究開発局 主席研究員 手塚 豊
 長く続いた成長の時代を終え、日本は確実に定常期を迎えつつある。それにも拘わらず、依然「成長期のモノサシ」で生活者の意識を測ろうとするところに、今日のマーケティングの大きな落とし穴がある。定常期における新しい価値観・消費観・企業観・社会 観について、若者を先行指標として解き明かす。

(12:50〜13:40)      (昼食)
3.(13:40〜14:40)「スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営」
  ………………………………(株)スノーピーク 代表取締役社長 山井 太
 アウトドアが会社と人をつなぐ.「仕事後にキャンプ!」のワークスタイル.重要事項は星空の下、五感を研ぎ澄ませて.決断ユーザー目線に徹し「ほしいモノ」だけ作る.夜を焦がす焚火を前に、顧客とトコトン語る.など、スノーピークの特徴的な経営スタイル、モノづくりへのこだわり等をお話させて頂く。
(14:40〜14:50)      (休憩)
4.(14:50〜15:50)「生活が美しくなれば社会は良くなる 良品計画」
  ……………………………(株)良品計画 代表取締役会長 金井 政明
 「無印良品は最良の生活者を探求するために作られた」と初代アートディレクターの田中一光が語っているように、無印良品は、普遍的な価値観という太いテーマを持って活動している。
 アノニマスデザイン=何代にもわたって使いやすさや、あるいは合理的に作る方法も含めて、脈々と磨き上げられてきた形、そういう形を私たちは探り当てていきたい。

(15:50〜16:00)      (休憩)
5.(16:00〜16:40) パネルディスカッション …………(司会)繊研新聞社 藤浦 修一
6.(16:50〜17:50)ワンコイン懇親会
  (株)良品計画の金井会長、(株)スノーピークの山井社長等講演者を交えて、1時間のワイン&ソフトドリンクと軽食のワンコイン懇親会を行います。(事前申込み、500円当日払い)  

〔定 員〕80名
〔参加費〕会員(学校)9,000円,会員(団体・企業・官公庁)13,000円,学生3,000円,非会員(学校)13,000円、非会員(団体・企業・官公庁)17,000円


第20回消費科学講座
“こだわり”の商品開発 第二弾
〜身のまわりの繊維製品は、このようにして開発された!〜


 私たちの身のまわりには、ファッション性、利便性、快適性、安全性など様々なテーマを追求した多くの繊維製品があります。これらの製品には消費者の生活をより良くするものは何か、顧客の求めるものは何かを追求した様々な“こだわり”による創意工夫が施されています。
 各メーカーがどのような発想と着眼点で製品開発を行ったのか、その“こだわり”を知ることが商品開発の1つのヒントとなるとして、昨年2月“こだわり”の商品開発 第1弾と銘打った消費科学講座を開講しました。
 今回の消費科学講座は、“こだわり”の商品開発第2弾として企画、消臭機能を瞬間消臭まで究極を目指した加工技術、着るだけで生体情報測定を可能にする機能素材“hitoe”の開発,衣料用素材としてはプルミエール・ヴィジョンでグランプリを受賞したファッション素材など話題の製品を紹介しました。
 また、生活・資材素材としては赤ちゃんがはじめて履くファーストシューズ、医療器具となる人工血管、中空糸膜フィルターを用いた家庭用浄水器、止水ファスナーを含む特殊なファスナーなど幅広い“こだわり”の製品を紹介させて頂きました。

〔日時・会場〕<終了しました>
2015年2月20日(金)10:00〜16:30
 大阪会場:ド−ンセンタ−5階特別会議室(〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
2015年2月27日(金)10:00〜16:30
 東京会場::日本女子大学 新泉山館(〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
〔受付〕9:30〜
〔内容〕
10:00〜10:10 開会の挨拶
10:10〜10:55 「瞬間消臭性を有する布帛、及び商品の開発」
   …セーレン(株) 研究開発センター商品開発第2グループ 不破 順清 
 「デオエスト」は、臭いに悩む全てのお客様が効果を実感できるよう消臭性能にこだわった商品です。下着類、介護・寝装資材、医療資材、車輌資材等に幅広く展開しており、即効消臭性、多種の臭いへの対応、洗濯耐久性の高さを有しながら、肌触り、色、強度、堅牢度などもバランス良く満足できるよう商品設計を工夫しています。今回は消臭設計の基本的な考え方と、具体的な開発事例について紹介します。 

10:55〜11:40「ウェアラブル電極素材“hitoe”の開発と実用化について」(仮題)
   ……大阪会場 東レ(株)テキスタイル・機能資材開発センター 加工技術開発室 室長 竹田 恵司
      東京会場 東レ(株)宇繊維加工技術部 テキスタイル技術室 担当課長 佐藤 雅伸
 生体電極“hitoe”はNTTと東レで共同開発したウェラブル電極素材です。導電性樹脂であるPEDOT-PSSをナノファイバーニットに含浸させることで、優れた導電性と実用に耐えうる耐久性、また、肌への密着性を付与することが出来ました。今回の報告では“hitoe”電極の基本的な構成、ウェア開発のポイント、データ計測事例、具体的な商品展開状況などについて紹介します。

11:40〜13:00 ―昼 食 ―

13:00〜13:45 「プルミエール・ヴィジョン(PV)と素材開発について」
   …………小松精練(株)ファッション企画室リーダー 瀬川 陽子
 小松精練では、今後の新しいビジネスモデルを構築するために、プルミエール・ヴィジョン(PV)向けの素材を商品開発してきました。プルミエール・ヴィジョン(PV)は毎年2回開催される、国際的な繊維と服地の見本市です。昨年の展示会で、同社の3層構造素材「ムニュ」が日本で初めてPVアワードグランプリを受賞しました。今回は、これらの素材の紹介とともに、商品開発のポイントなどを紹介します。

13:45〜14:30 歩き始めから約3ヶ月間の赤ちゃんのためだけに開発した「ファーストシューズ」
   ……アシックスジャパン(株) フットウエアプロダクトマーケティング部 江島 れい子
 赤ちゃんの成長は感動の連続です。よちよち歩き出してから、わずか半年でとことこ走れるようになってきます。日々成長し変化していく、そんな赤ちゃんの歩きを、足と動作の両面から科学的に解析し、子ども靴「スクスク」を開発しました。今回はその中から、特に「つまずきにくさ」に細部までこだわって開発した「ファーストシューズ」を紹介します。

14:30〜14:45  ― 休 憩 ―

14:45〜15:30 家庭用浄水器「クリンスイ」の開発 
   ……三菱レイヨン(株)豊橋研究所 アクア開発センター 竹田 はつ美
 1984年、三菱レイヨンは世界初となる中空糸膜フィルターを搭載した浄水器「クリンスイ」を発売、それ以来パイオニアとして事業を展開し、今年で30周年を迎えました。浄水器の心臓部である中空糸膜は、1970年代半ば、布団綿用ポリプロピレン繊維の不良品(白化現象)から発想を得て生まれた技術です。安心でおいしい水を通して、世界の人々の暮らしを豊かにするための「クリンスイ」のこだわりについて紹介します。

15:30〜16:15「ファスナーの歴史と特徴あるファスナーの開発」
   …………YKK(株)ファスニング事業部商品開発部 草山昌洋
 ファスナーは1891年、アメリカ人ジャドソン氏が靴紐を結ぶのが面倒で考えたものが起源と言われています。当社は昨年創業80周年を迎えましたが、長い歴史の中で大きな転機となる商品や特徴ある商品を開発し、提供して参りました。そのような中から止水ファスナーをはじめ,皆様に興味を持っていただける商品を紹介します。
16:15〜16:30 閉会の挨拶
〔定 員〕60名
〔参加費〕会員(学校)9,000円,会員(団体・企業・官公庁)13,000円、非会員(学校)13.000円、非会員(団体・企業・官公庁)17.000円、学生3,000円

第19回 消費科学講座
〜健康関連製品と薬事法〜


 繊維業界やアパレル業界では、消費者の健康・安心志向の要求の高まりに対応できるよう、これらに関するさまざまな健康関連商品が開発されています。ご承知のように、我が国では薬事法が昭和35年に制定され、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質や有効性及び安全性の確保を目的としています。したがって、健康関連商品を開発する場合は、同法律を順守することが大前提となっています。
 薬事とアパレル製品をめぐる色々な疑問の中には、「薬事法とはどのような法律か?」、「医療機器としての衣料品開発にどのように取り組めばよいか」、また「一般衣料品で、人体への効果をどこまで表示できるのか」というものがあります。
 今回の「第19回消費科学講座」では、基本的な薬事法の概要をご理解していただいたうえで、最近のメディカルテキスタイル素材、健康関連商品などの開発事例、薬事に関する適正表示を紹介しました。

〔日時・会場〕<終了しました>
2014年11月14日(金)9:50〜17:00 大阪会場:ドーンセンター4階会議室3
2014年11月28日(金)9:50〜17:00 東京会場:日本女子大学新泉山館 2階3・4会議室
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕
9:50〜10:00 開会の挨拶
10:00〜11:40 1.「薬事法の基礎知識〜繊維業界との関連〜」
   ………………大阪弁護士会所属 弁護士 浅野 永希
 薬事法は、長年にわたり、わが国の医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質や有効性及び安全性の確保を実現する法律として運用されてきました。本講座では、薬事法の概要を説明するとともに、繊維業界との関連にも言及したお話、特に、薬事承認のメリットや最近の薬事法改正についてもご紹介します。

11:40〜12:40 昼食

12:40〜13:40 2.「薬事承認アパレル製品の開発事例〜弾性ストッキング」
    ………………………………岡本株式会社 庄 健二
 岡本株式会社では1999年に弾性ストッキングの開発を開始し、医療機器製造業・医療機器製造販売業の取得、品目届の提出、人材招聘・育成、販売先病院の開拓等を行い、2011年に医療機器業界へ本格参入しました。製品開発だけにとどまらない開発事例を紹介したいと考えます。

13:40〜14:40 3.「敏感肌に対する繊維製品の必要性」
   ……………………………アトピー協会 倉谷 康孝
 同協会の概要ならびに推薦品マーク制度を説明ののち、アトピー性皮膚炎についてご説明します。その後、敏感肌を代表される患者さん方の繊維製品(特に肌着や体操服・学生服など)の嗜好や問題点、また着用を避ける素材など、素材や縫製などについて説明します。併せて、抗菌消臭等の薬剤や染料、洗濯洗剤などの関連性のある部分における症例等の紹介する予定です。

14:40〜14:50 休憩

14:50〜15:50 4.「アレルキャッチャーのヘルスケア分野への展開」
   ……………………………ダイワボウノイ株式会社/信州大学 築城 寿長
 アレルキャッチャーは、消臭、抗菌、抗アレル物質、抗ウイルスなどヘルスケア分野に不可欠な機能を持った繊維材料です。一方で、薬事法に制限された表現の問題があり、伝えたいことがなかなか伝えられず、本来使ってもらいたい消費者に使ってもらえないジレンマにさいなまれてきました。その中から具体的な事例を紹介します。 

(15:50〜16:50 5. 「スポーツ用品の薬事に関する適正広告表示ガイドラインの紹介」
   ………………日本スポーツ用品工業協会 安全対策委員会 桐本 昌計(ミズノ株式会社)
 同協会では、一昨年前より都道府県の主要な薬事課に、衣料品の適正広告表示に関する相談を行い、スポーツ業界の薬事に関する適正表示ガイドラインラインを作成しました。分野は、(1)サポーターの機能、(2)タイツ・ストッキングの機能、(3)抗菌・抗ウイルス機能、(4)アレルギー・アレルゲン対策の機能、(5)UVケア・暑さ対策の機能、(6)遠赤外線・保温の機能、(7)化学物質成分の配合による機能、(8)ダイエット(スリム効果)、(9)マイナスイオン効果、癒し効果、静電気、防虫加工の9分野です。今回は、その適否事例を紹介を予定しています。

〔定 員〕60名
〔参加費〕会員(学校)9,000円,会員(団体・企業・官公庁)13,000円,非会員(学校)13.000円 非会員(団体・企業・官公庁)17.000円 学生3,000円



第18回 消費科学講座
〜売るためのヒント、消費者の気持ちを掴むためのアプローチ〜


 消費者が物を買わなくなり、消費者の意識や商品購入の目的が物質的な豊かさの充足から、精神的・生活的な豊かさの充足へと移り変わった時代背景の中で、「どう作り、どう売れば、もっと売れるのか?」、これは現在「物作り」に携わる全ての人が直面している解決しなければならない課題です。
 第18回「消費科学講座」では,「売るためのヒント、消費者の気持ちを掴むためのアプローチ」をキーワードとし、「市場動向:いま市場で売れている商品」、「消費行動分析:商品開発のための消費行動分析」、「市場分析:消費者心理の“なぜ”を探る」、「需要創造・市場創造:どう伝わったら買いたくなるのか」、「身体情報の活用:身体データを商品化」をテーマに、理論・実践において市場、業界や研究の最前線でご活躍されている方々を講師として迎えてご講演いただきました。
 これらの最新情報から消費者が「何を考え」、「何を求め」、「どう行動しているのか」を的確に把握し、知る事で、ヒット商品を企画・開発・マーケティング・ブランディングするヒントを学んで頂けたと思います。

〔日時・会場〕<終了しました>
2014年8月29日(金)9:50〜17:00 
  大阪会場:ド−ンセンタ−(〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
2014年9月5日(金)9:50〜17:00 
  東京会場:日本女子大学 新泉山館(〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
   交通アクセス: JR山手線目白駅 徒歩15分又は都営バス5分
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕(講演項目等を変更する場合がありますので,あらかじめご了承ください。)
(9:50〜10:00)あいさつ
1.(10:00〜11:00)「サチ(幸)作り・トキ(時)揃え〜ファッション・ビジネスに見る今の消費」
   ………………繊研新聞社 事業局部長 中村 善春
 3.11後の消費のキーワードは「丁寧な」「程よい」「ハリがある」…。顕在化する「生きている実感を重視する消費」に作り手や売り手がどう応えていくのか、成熟社会における消費の2極化に対応したビジネスを考えます。

2.(11:00〜12:20)「商品開発のための消費行動分析:女性のライフスタイル分析」
   ………………(株)JMRサイエンス シニア・コンサルタント 川島 隆志
 マーケティングのスタートは、生活者を理解することからです。ではどのように理解すればよいのでしょうか? ひとことで、「ライフスタイル」といっても、どのように分析・記述すればよいのでしょうか?また、それをどのように商品開発に繋げていけばよいのでしょうか?ライフスタイル分析とその情報を企業の中でどのように活用していけばよいかをご紹介します。

(12:20〜13:10)      (昼食)

3.(13:10〜14:30)「消費者心理を踏まえた効果的なマーケティングの考え方」
   ………………早稲田大学 教授 守口 剛
 「買うつもりはなかったのに、目にとまった商品を衝動的に買ってしまう」「限定という言葉に惹かれて、後で冷静に考えたら必要ないものを買ってしまった」など、消費者の意思決定や行動には合理的には説明しにくい、特徴やクセが存在します。これらの特徴を整理して把握することは、効果的なマーケティングやプロモーションを考える上で、とても役立つヒントになります。本講演では、消費者行動や行動経済学などの領域における近年の研究成果を整理した上で、実務的な示唆を抽出します。

(14:30〜14:40)      (休憩)

4.(14:40〜16:00)「需要を創造する‘‘次世代IMC(統合型マーケティング)’’」
   ………………株式会社インテグレート 代表取締役 藤田 康人
 デジタルデバイスやソーシャルメディアの普及により、情報環境の変化はもちろん、生活者の消費・購買行動や価値の在り方は大きく変化しています。消費者の心のスイッチを押し需要を創造するためには、消費者の心の奥底にある本音だけでなく、消費者に影響を与える「メディア」「有識者」「流通」の4つのインサイトを探りながら、すべてのステークホルダーが幸せになるようなマーケティング・ストーリーを描くことが重要です。需要創造・市場創造を実現するIMC(総合マーケティング)の考え方と実践プログラムについて、事例を交えながら説明します。

5.(16:00〜16:50)「オムロン式美人のブランディングと、それに付随する通信対応の婦人体温計」
   ………オムロンヘルスケア株式会社 商品事業企画部 プロダクトマネージャー 下瀬 陽子
 「健康で美しくありたい」という女性の思いをサポートするために、オムロンヘルケアの女性社員が自発的に取り組み始めたプロジェクト「オムロン式美人」。「美も健康もちょうどよく」をコンセプトに、操作性や機能面だけでなく、“うれしい、かわいい“といった感性にもこだわりながら活動しているオムロン式美人のブランディング手法と、それにまつわる婦人体温計などの女性向け商品開発の誕生秘話をご紹介します。
(16:50〜17:00) 閉会

〔定 員〕60名
〔参加費〕会員(学校)9,000円,会員(団体・企業・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円,非会員(団体・企業・官公庁)17,000円,学生3,000円


第17回 消費科学講座
〜アパレル製品の付加価値を高める最新2次加工技術と課題〜


 近年,アパレル製品の高機能化・高感性化には目覚ましいものがあります。その商品開発設計においては,革新的な素材開発やパターン開発に加えて,製品の用途や特徴に叶う数々の最新の付加価値表現技術が用いられています。婦人服・子ども服・スポーツ衣料などの分野では,製品の付加価値をより高めるために,高感度の刺繍やスパンコール加工,多彩なデサイン性の高い顔料プリント加工やマーキングなどの熱接着プリント加工,近年革新的に発展したインクジェットプリント加工,短納期小ロットを実現した昇華プリント加工,無縫製による製品化を実現した高周波などの接着縫製加工などが幅広く使われています.
 今回の第17回「消費科学講座」では,これらの最新付加価値表現技術を具体的に取り上げ,その開発背景,加工工程の詳細,技術的課題など,さまざまな切り口から最新情報を紹介します.具体的には,「顔料プリント加工技術」「昇華プリント加工技術」「最新の刺繍加工」「熱接着マーク加工技術」「接着縫製加工技術」「インクジェットプリント加工技術」をテーマに,最前線でご活躍されている方々を講師として迎えてご講演いただきます.
 これらの最新情報は,より高度な付加価値を追求する皆様やより品質の安定にこだわる皆様にとって,対象となる製品は異なっても考え方は同様であると確信します.是非,商品開発設計,品質管理,生産管理を担当されている皆様のご参加をお待ちしています.

〔日時・会場〕<終了しました>
2014年5月16日(金)9:50〜17:00 
  大阪会場:ド−ンセンタ−(〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
   交通アクセス:京阪天満橋駅・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分
2014年5月23日(金)9:50〜17:00 
  東京会場:日本女子大学 新泉山館(〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
   
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕
( 9:50〜10:00) 開会の挨拶
1.(10:00〜10:45)「顔料プリント加工の最新技術」
   ………………株式会社松井色素化学工業所 ○松井 紀明
 顔料プリントは,あらゆる分野のアパレル製品に多用されています.顔料プリント開発の歴史は,生地開発との競争といっても過言ではありません.素材のはっ水加工,素材の伸縮性,ポリエステル素材の分散染料の色移行など,様々な問題を乗り越えて今に至っています.本講演では,顔料プリントの基本的な生産工程を紹介するとともに,諸問題の解決事例,品質不良が生じる原因をはじめ,今後のプリント技術動向を紹介します.  

2.(10:45〜11:30)「昇華プリント加工技術について」
   ………………株式会社パデック 吉村 豊和
 昇華プリントは分散染料を使用した熱プリント加工で,近年はアパレル製品に多く使用されています.本講演では,昇華プリント加工技術の考え方や加工機器を紹介するとともに,同加工の長所と問題点を説明します.また,アパレルで商品開発,生産管理に携わる方が配慮すべき点も詳細に説明します.
  
3.(11:30〜12:15)「刺繍テクニックと刺繍ビジネスの傾向」
   ………………タジマ工業株式会社  岸本 孝士
 一言に「刺しゅう」と言っても様々な種類やテクニックがあります.「刺しゅうは」消費者に購買意欲を掻き立たせるための重要な付加価値アイテムとして古くから親しまれてきておりますが,昨今そのテクニックも高度化し,プラスワンの工夫を要求されてきております.基本的な刺しゅうの分類,またプラスワンのテクニック,そして昨今における刺しゅうビジネスの傾向について,刺しゅう製品をご覧頂きながらご説明します.

(12:15〜13:05) 昼食
 
4.(13:05〜13:50)「熱接着マーク加工技術について」
   ………………ジャパンポリマーク株式会社 久保 浩章
 熱接着マークは,接着専用プレス機を用いて,あらかじめ離形紙に印刷した柄状の樹脂を熱と圧力によって製品に定着させる加工技術です.今回は,同社製「ポリマーク○R」の製造工程を紹介するとともに,熱接着マークの技術的要件を説明します.また併せて,幅広い用途開発の事例を併せて紹介します.

5.(13:50〜14:35)「接着縫製加工技術について」
   ………………クインライト電子精工株式会社 那須 英誉
 アパレル製品への接着縫製加工は,スポーツウェア用途を中心に始まりましたが,最近では一般衣料にも活用されています.縫い糸を使用しない生地の接合であることから「無縫製加工」とも呼ばれています.本講演では,同加工技術と一般縫製技術との違いを説明するとともに,接着手法技術と接着専用機器について紹介します.

(14:35〜14:45) 休憩

6.(14:45〜15:30)「高速インクジェットプリント加工技術について」
   ………………セーレン株式会社 ビスコテックス研究部 高坂 貴浩
 近年染色業界で使用されているインクジェットプリントの登場は捺染技術の常識を変えました.本講演では,同社の高速インクジェットプリント加工「ビスコテックス」を通して従来の捺染技術との違いや特性を説明します.また,表現の多様化した最新の「ビスコテックス」技術も併せて紹介します.

7.(15:30〜16:50)(総括講演)「アパレル製品の付加価値を極める」
   ………………元株式会社ディアルヴュー 金城 臣作
 最近のアパレル製品の高機能化や高感性化には目にみはるものがあります.上記1〜6の技術はもちろん,製品の洗い加工,特殊な染色加工,プリーツ加工なども代表的な2次加工であると言えます.ここでは,商品開発設計における付加価値向上のための2次加工技術や手法を,総括して説明します.

(16:50〜17:00) 閉会
〔定 員〕60名
〔参加費〕会員(学校)9,000円,会員(団体・企業・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円,非会員(団体・企業・官公庁)17,000円,学生3,000円

第16回 消費科学講座
〜進化する繊維分野における多機能加工―そのブレークスルーポイントと発想の原点を語る〜


 近年,繊維製品の新商品には高機能化や多機能化が求められています。多機能化も単なる機能の足し算ではなく、これまでは両立が難しいとされてきた相反する機能の両立を実現(二律背反の機能の実現)する商品が今注目されています。二律背反の機能を同時に実現するには極めて高度な技術力が要求されますが,実現されれば人々の生活を豊かにし商品価値が高く、繊維産業の発展にも大いに寄与します。
 今回の消費科学講座では,繊維分野における多機能・二律背反する機能の実現を目指した研究開発の歴史と具体的な開発事例を取り上げ、ブレークスルーポイントとその発想の原点、その商品が市場にもたらすインパクトなどさまざまな切り口からとらえて最新情報を紹介します。具体的には,「透湿防水機能膜」「超撥水・超撥油加工技術」「炭素繊維コンポジット」「難染性繊維の可染化技術」「最新再帰性反射素材」「高視認性衣料の原理と評価技術」をテーマに,最前線でご活躍された方を講師をお迎えし講演いただきます。
 これらの最新情報は,これまでの商品とは全く違う画期的な新商品企画や商品開発を目指している方々にとって、対象とする商品の領域は異なっても、考え方は大いに役立つものと確信します。多数の皆様方のご参加をお待ちしております。

〔日時・会場〕<終了しました>
◆2014年2月7日(金)9:50〜17:00 大阪会場:ドーンセンター 5階 視聴覚スタジオ
  (〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
◆2014年2月14日(金)9:50〜17:00 東京会場:日本女子大学 新泉山館 2階会議室
  (〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
〔受 付〕9:30〜
〔内 容〕(講演項目等を変更する場合がありますので,あらかじめご了承ください。)
( 9:50〜10:00) あいさつ
1.(10:00〜10:30)(基調講演)「繊維分野において二律背反する機能を実現した技術の事例とそのインパクトについて」
   ……………………………………… 元東洋紡葛Z監 原田 隆司
 繊維分野における多機能・二律背反機能を目指した研究開発の歴史を開発事例を通じて紹介とともに、新商品開発において、技術のブレークスルーを実現するためのポイントを解説していただきます。

2.(10:30〜11:20)「透湿防水機能膜」
   …………………………………… 日本ゴア(株) プロダクション&テクニカルセンター  久保 徹也
 水を通さず、水蒸気は通過させる多孔フッ素樹脂膜“ゴアテックス(GORE-TEX)は、繊維分野で最初に実用化に成功した二律背反の透湿防水機能膜です。開発経緯、特徴、試験方法や商品展開例などの最新動向を紹介頂きます。

3.(11:20〜12:10)「超撥水・超撥油技術―フルオロアルキル基を2鎖型で有する新規界面材料」
   ……………………………………… 京都工芸繊維大学 教授 川瀬 徳三
 超撥水・超撥油性評価法、付与技術の基本理論とC6タイプ移行に伴う性能低下をカバーできる新しい撥水撥油加工技術、例えば、二鎖型フッ素系等の最新技術について紹介いただきます。   
(12:10〜13:20) 昼食

4.(13:20〜14:10)「炭素繊維コンポジットの最新技術動向」
   ………………………………………(一社)日本繊維技術士センター 理事長 井塚 淑夫
 世界をリードする炭素繊維の用途別需要動向と航空機用途や風力発電用ブレーなどの成形技術を通じて二律背反機能を克服した炭素繊維コンポジットの最新技術動向と量産自動車への適用するための課題を紹介いただきます。
 
5.(14:10〜15:00)「難染性繊維の可染化技術の最新動向」
   ……………………………………… 福井大学 産学官連携本部 客員教授 堀 照夫
 PPは夢の繊維として登場して久しいが、未だにこれを堅ろう性良く染色できる方法はない。また、アラミド繊維やその他のスーパー繊維と言われる合成繊維の染色加工も決定打は見当たらない。本講では超臨界流体を媒体とする染色法や電子線グラフト加工などによる改質により染色・加工する方法等について解説する。アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの難染性繊維の可染化技術について、超臨界染色加工技術を含めた最新動向を紹介いただきます。
(15:00〜15:10) 休憩

6.(15:10〜16:00)「再帰性反射素材の原理と応用例」
   ………………… ユニチカスパークライト(株) 営業部東京営業所 課長 蓮見 隆哉
 夜間、自動車ヘッドライトからの入射光を光源の方向にまっすぐ戻すことのできる再帰性反射素材の原理と応用例などの最新動向について紹介して頂きます。

7.(16:00〜16:50)「高視認性衣服の評価試験及び蓄光素材の発光原理と評価試験」
  …………(一財)ニッセンケン品質評価センター 防災・安全評価グループ グループ長 竹中 直
  防災・安全の観点から反射素材、蛍光素材、蓄光素材などを活用した高視認性衣服が注目されている。ここでは高視認性衣服の評価試験と蓄光素材の発光原理と評価試験についての最新動向を紹介いただきます。

(16:50〜17:00) 閉会
〔定 員〕60名
〔参加費〕会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,学生2,000円,非会員13,000円

第15回 消費科学講座
〜危害を防ぐ―ウイルス/花粉などの防御性・バリア性機能について〜

 最近,鳥インフルエンザ,ノロウイルス,麻疹などのウイルス感染症,病原細菌,かび毒による健康被害,花粉,ダニ死骸に起因するT型アレルギー疾患,微小粒子状物質(PM2.5)による呼吸系・循環系疾患,紫外線や放射線の人体・肌に対する健康被害などのさまざまな危害に遭遇します。繊維分野においても,これらの危害を防ぐためのリスク回避策の構築が急務となっております。
 今回の消費科学講座は,さまざまな危害から人体・肌を守るための最新情報を紹介します。具体的には,基調講演では,高麗先生から,「危害物質と,その人体への影響について」詳しく解説して頂きました。
 そして,「防護テキスタイル」「ウイルス」「花粉」「ダニ」「紫外線」をテーマに,日常生活で遭遇する代表的な危害を防ぐための着眼点と商品開発の紹介を各分野の最前線でご活躍の講師をお迎えし講演いただきました。
 これらの最新情報は,清潔,安全・安心をキーワードとする新商品企画や商品開発の取り組みに役立つものと期待します。

〔日時]<終了しました>
 2013年11月22日(金)9:50〜17:00 大阪会場
 2013年11月29日(金)9:50〜17:00 東京会場
〔会場〕
 大阪会場:ドーンセンター(〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
 東京会場:日本女子大学 新泉山館(〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1)
[受 付]9:30〜
[内 容]
( 9:50〜10:00) あいさつ
1.(10:00〜11:30)(基調講演)「危害物質と,その人体への影響について」
   ………………徳島大学 名誉教授・前日本防菌防黴学会長 高麗 寛紀
 ウイルス,カビ,花粉,ダニ等の代表的な危害物質の事例を紹介していただいた上で,それらの人体や皮膚への影響,作用機構及び防御対策の基本を解説いただきました。

2.(11:30〜12:20)「防護テキスタイルの最新動向」
   ………………テキスタイル・ジャーナリスト 米長 粲
 放射線や放射性物質から身を守る放射線防護服,有毒気体(いわゆる毒ガス)や病原体となるウイルスなど付着や吸引を防ぐための化学防護服,難燃,防炎,耐熱防護服などの防護テキスタイルの国内外の最新動向を紹介いただきました。
(12:20〜13:30) 昼食
3.(13:30〜14:15)「抗ウイルス機能加工技術“クレンゼ”シリーズ」
   ………………倉敷紡績(株) 技術部開発課課長 勝圓 進
 他の生物の細胞を利用して増殖するウイルス(virus)や真菌、細菌対応加工技術として注目されている抗ウイルス機能加工技術“クレンゼ”シリーズの開発事例を紹介頂きました。

4.(14:15〜15:00)「花粉対策繊維“カウンターペインP”」
   ………………シキボウ(株) 開発技術部部長 辻本 裕
 スギ花粉で代表される植物の花粉が,鼻や目などの粘膜に接触することにより引き起こされる発作性反復性のくしゃみ,鼻水,鼻詰まり,目のかゆみなどの花粉症(pollenosis)を軽減するための花粉対策繊維製品の実用化状況と機能性繊維製品の最新情報を紹介いただきました。
(15:00〜15:15) 休憩
5.(15:15〜16:00)「防ダニ加工」
   ………………住江織物(株) 技術・開発本部 テクニカルセンター センター長 源中 修一
 日常生活環境で遭遇するダニの種類,有害性を解説して頂いた上で,防ダニ加工繊維製品の市場動向,防ダニ加工技術,防ダニ加工商品開発事例や防ダニ加工マーク制度などの最新情報を紹介いただきました。

6.(16:00〜16:45)「紫外線の基礎知識と最新の日焼け止め技術」
   ………………(株)資生堂リサーチセンター 阿部公司
 紫外線(UV : Ultra Violet)の種類,日焼け(紅斑;サンバーン,黒い日焼け;サンタン),光劣化等の紫外線の功罪を解説頂き,化粧品分野における日焼け止め等の紫外線対策の最新情報を紹介いただきました。
(16:45〜17:00) 閉会

〔定員〕各60名

第14回 消費科学講座
〜消費者ニーズから商品開発へのアプローチ〜

 “売れる商品”を目指しアパレル各社では市場動向、販売情報、ファション情報、消費者ニーズ情報を分析して作り上げた商品コンセプトに基づいて、マーケティング戦略を策定しています。消費者ニーズ研究においては、未充足ニーズ発掘のため、グループインタビュー、人間行動観察、感性研究などのさまざまな手法が用いられており、各社ともここに大きな労力をつぎ込んでいます。
 今回の消費科学講座は“消費者ニーズ研究から商品コンセプト開発”までの幅広い分野における種々の手法をご紹介しました。具体的には「脳科学からの流行予測」「行動観察を用いた商品開発」「気付く力」の3つの視点から講演を行ないました。また,上記3つの視点とは異なりますが、オリンピックのようなビッグイベントに対し企業として総合的に関与していくことも商品価値を高める上で重要であるとの観点から、スポ−ツアパレルの最前線でご活躍の現役役員から消費者にアピールできるマ−ケティングについて紹介いただきました。
 様々な着眼点や意外な発想から生まれた製品開発事例に触れることで、商品開発のヒントが得られたものと思います。世の中の変化が激しい中で消費者の潜在的なニーズを適格に把握し商品開発につなげる方法として、商品企画・商品開発者に有益な講座となったものと思います。

〔日時・会場〕<終了しました>
2013年7月26日(金)9:50〜17:00 大阪会場:ド−ンセンタ−5階 特別会議室
2013年8月2日(金)9:50〜17:00 東京会場: 日本女子大学 新泉山館2階会議室
〔受  付〕9:30〜 
〔内  容〕
(9:50〜10:00)あいさつ
1.(10:00〜11:30) 「感性マーケティング −女の感性と男の感性、巡る感性トレンド」
 ヒトの脳の潜在域で起こるとっさの快・不快のありようを知りマーケティングに活かす「感性マーケティング」。男女脳差と感性ベクトルの違い、飽きっぽい脳の特性から巡る感性トレンドとその周期など、豊富な研究事例とともに、ファッション市場の見方やデザインの流行予測につながる知見を分かりやすく解説いただきました。
 「怪獣の名前はなぜガギグゲゴなのか」などで知られる感性研究の第一人者・黒川伊保子氏に師事する手塚祐基様より、その感性理論に加え、女性デザイナー目線からの興味深いアプローチによる研究の一端をご紹介いただきました。
  …………株式会社 感性リサーチ 感性アナリスト・プロダクトデザイナ− 手塚 祐基
2.(11:30〜13:00)  「スポーツマーケティングと世界戦略」
 オリンピックや各種ワールドカップなど世界的イベントをスポーツ企業がサポートすることは、セールスプロモーション活動の一環として重要であり、商品価値を高める大きな要素です。今回の講座では、具体的な事例を示しながら、消費者にアピールできるマーケティングの一端をご紹介いただきました。
  …………株式会社 デサント 取締役 戸井田 朋之
(13:00〜13:45)           <昼食>
3.(13:45〜15:15) 「行動観察を用いた商品開発」
 「行動観察」は人材開発・商品開発などの分野で活用されている手法です。この手法は体系に基づいた観察で得られた気づきを「人間工学」「社会心理学」「環境心理学」「エスノグラフィ−」などの科学的根拠をもって分析することで、商品開発に有効な潜在ニーズがことを倫理的に証明していただきました。
  ………………株式会社 エルネット インタラクティブ・マーケティング事業部 マーケティングソリューション推進部長 越野 孝史
(15:15〜15:25)   <休憩>
4.(15:25〜16:55) 「気付く力がヒット商品を生み出す」
 新商品を生み出す効果的な“しくみ(道具)”を使い「成功商品・ヒット商品」をどのように開発するかについて、その手法やステップを説明します。特に消費者の潜在ニーズの発掘の仕方や、「良い商品」と「売れる商品」の違いなどを分かりやすく説明・紹介いただきました。なお、小山由朗氏は、かつてワコ−ルでCW−Xのコンセプトづくりから売り場構築にいたるまで、全にわたってMDとして関わってこられた方です。
  ……………………株式会社 連由 代表取締役社長 小山 由朗
〔定員〕各50名
〔参加費〕会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,学生2,000円,非会員13,000円


第13回 消費科学講座
こだわり”の商品開発 第一弾〜身のまわりの繊維製品は、このようにして開発された!〜

 繊維は衣料品以外にも多く用いられており、今やその使用量は繊維全生産量の約80%を占めています。これら非衣料品では、顧客から求められる安全性や快適性を付与するため、様々な角度から素材の研究・開発がなされる一方で、メーカーならではの創意工夫によるモノ作りが行なわれています。商品開発のための徹底した市場調査、永年培われた製品開発の複合的なノウハウ、性能の裏付けとなる新たな評価計測技術の構築など、モノ作りの“細やかな気づかい”、“新たな視点や手法”を知ることは、衣料用テキスタイルやアパレル製品の商品開発においても大いに参考になるものです。
 今回の消費科学講座では、「使用価値」の視点から製品を開発する新しい手法の1つである「デジタルヒューマン技術」について、(独)産業技術総合研究所持丸正明氏より基調講演いただき理解を深めた上で、マスク、寝具、衛生用品、シューズ,自動車用シート等、身のまわりの繊維製品について、各分野から商品開発事例をご紹介いただきました。
 ユニークな発想、面白い着眼点、意外な開発のきっかけ、から生まれた製品開発事例に触れることで、商品開発のヒントが得られたものと思います。

〔日時・会場〕<終了しました>
 2013年2月1日(金)9:50〜16:50 大阪会場: ドーンセンター5階 特別会議室
 2013年2月15日(金)9:50〜16:50 東京会場: 日本女子大学
〔受  付〕9:30〜 
〔内  容〕
(9:50〜10:00)あいさつ
1.(10:00〜11:45)■基調講演■                   
「使用体験に訴えるデザイン −高機能、低価格に替わる価値−」
   …………(独)産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター長 持丸 正明
 高機能・多機能製品が売れる時代が終わり、低価格製品が市場を席巻していますが、低価格競争から抜け出してリピーターを獲得する方策として、品質、価格に替わる第三の価値である「使用価値」を提案しています。使用価値のある製品とは、ユーザーに新たな使用体験を与える製品のことであり、それを開発する手法の1つとして「デジタルヒューマン技術」を紹介します。ユーザーの特性を観測し、それをモデル化して、製品開発に繋げる技術です。いくつかの製品開発事例とともにそのガイドラインや認証の国際標準化動向についても合わせて紹介します。
2.(13:00〜13:40)安全性と快適性を両立するマスク作り
   ………………クラレクラフレックス(株) 製品販売部 岩本 拓也
 クラレクラフレックス(株)では様々な自社のフィルター製造技術やグループ会社の機能性素材を活用しながら、業務用を中心としたマスク製品の企画・販売を行っています。本講座では当社が製造・販売している高機能マスクについて、安全性や快適性を両立させる為の工夫やこだわりについて、具体的な開発事例を交えながら紹介します。
3.(13:40〜14:20)寝床内気象を考慮した寝具:整圧敷きふとん
   ……………………西川産業(株) 日本睡眠科学研究所 中村 勤
 寝具は、睡眠と密接に関わるもので、快適な睡眠を得るためには、就寝中に起こる寝床内の温熱的環境や物理的環境(体圧分散、寝姿勢など)を配慮した商品作りが求められます。睡眠を考えていく上で、寝具・寝環境の良否は良質な睡眠への重要な要因となります。当社のロングセラー商品「整圧敷きふとん」、多層構造体商品「エアーサイクロン」を中心に、寝具開発における寝床内気象へのこだわりについて紹介します。

(14:20〜14:30)  <休憩>

4.(14:30〜15:10)日常をトレーニングにするシューズ
   …………………………ミズノ(株) 尾田 貴雄
 歩くこと,それはヒトの生活の一部です.しかし,文明の発達に伴って,ヒトは歩かなくなりました.歩くことによって,現代社会が抱えている問題を解決するチカラがあるのでは?ヒトは人間らしさを取り戻せるのでは?日常をトレーニングにすることで,“脚が本来持つ機能を蘇らせ,活性化させ,脚を強くするシューズ“を紹介します.

5.(15:10〜15:50)ポリオレフィン系自発伸張繊維の開発と生理用ナプキンへの展開
   …………………………花王(株) サニタリー研究所 仲野 幸弘
 紙おむつや生理用品といったサニタリー商品には、基本性能として「漏れない、肌にやさしい、装着性・装着感が良い」が求められます。今回、新規な自発伸張性を有する芯鞘複合繊維を見出し、それを不織布に展開することで繊維間距離の広い不織布に仕上げました。当該不織布を生理用ナプキンの表面材に用いたところ従来にない吸収力が得られ、現在当社生理用ナプキン(ロリエ)に展開しています。開発経緯も含め技術の概要を紹介します。
6.(15:50〜16:30)触感特化合皮「ブレスレザー」の開発
   …………………………東洋紡(株) 松井まり子
 近年、自動車の付加価値として、車室内空間の「居住性」向上が求められています。そのため、本研究では自動車内装材に求められる触感を把握し、自動車内装材用合成皮革の触感評価法の検討に取組みました。また、この触感評価法を用い、合成皮革の製品設計を行い、「ブレスレザー」を開発しました。

〔定員〕各50名
〔参加費〕会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,学生2,000円,非会員13,000円

第12回 消費科学講座
「繊維製品の安全性と化学物質―グローバルな規制化に向けた最近の動き」

 我が国の繊維製品の更なるグローバル展開を考える際,消費者が理解しやすい機能性訴求とあわせて,最終製品の安全性への訴求が不可欠です。ホルマリン問題や染料の選定のみならず,機能性素材や機能加工繊維製品に使用されている薬剤など,種々の化学物質の持つ機能とリスクを理解した上で,皮膚障害の低減や,地球環境汚染に対して配慮することが世界から要求される時代になりつつあります。
 既に世界では、欧州を中心として製品安全性に関する規格の制定作業が急ピッチで進んでおり、その動向を正しく把握してその対処方法を確立しておくことが我が国の繊維産業界に課せられた急務であります。
 今回の消費科学講座では,避けて通るわけにはいかない繊維製品に求められる安全性について,化学物質の国内外の規制化に向けた最近のさまざまな動きと課題を取り上げました。具体的には,改正化審法、家庭用品中の化学物質安全性評価、欧州における製品安全性についての解説に加えて、皮膚貼付試験について解説しました。あわせて、グロ−バルな規制化に沿った機能性繊維製品マーク制度について解説しました。
 機能性素材や機能加工に代表される我が国の繊維製品を,安心して世界の消費者に提供するために不可欠な安全性評価を理解するよい機会とすることができました。

[日時・会場]<終了しました>
 2012年11月 8日(木)10:15〜16:35 大阪会場:ドーンセンター (午前) 5階特別会議室  (午後) 5階視聴覚室
 2012年11月29日(木)10:15〜16:35 東京会場:日本女子大学 新泉山館2階会議室
[内  容]
開会の挨拶(10:15〜10:25)
1.(10:25〜11:50)「家庭用品に含まれる化学物質と安全性評価について」
   ・・・・・・・・・国立医薬品食品衛生研究所 療品部/日本生活協同連合会 鹿庭正昭
 家庭用品に含まれる各種化学物質と皮膚障害の事例,特定芳香族アミン類(発がん性染料),抗菌加工剤や抗かび加工剤の健康被害などの事例を通じて,化学物質のリスク評価の考え方や繊維製品の安全性評価のあり方について紹介した。

  (11:50〜13:00) 昼  食

2.(13:00〜14:00)「欧州における繊維製品の安全性:Oeko Tex と Reach」
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本繊維技術士センター 安部田貞治
 安心して使えるテキスタイル商品の選択の目安として世界的に普及しているエコテックスマークの試験・認証システムとして,エコテックス基準100と欧州における新しい化学品規制Reach規制:Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals の最新動向を紹介した。

3.(14:00〜14:40)「化学物質の安全性評価と繊維製品の皮膚貼付試験について」
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・株式会社生活科学研究所 松尾 篤信
 化審法GLP=Good Laboratory Practice:優良試験所規範 レベルに該当する代表的な試験機関の一つとして,化学物質(加工剤)の安全性評価の概要と加工繊維製品などの皮膚貼付試験やヒトパッチテストの実績を紹介した。

(休 憩 15分)

4.(14:55〜15:35)「繊維製品の皮膚貼付試験(河合法・閉塞法)について」 
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本産業皮膚衛生協会(河合産業皮膚医学研究所)五十嵐亮介
 皮膚に接触する商品又は原材料の有効性・有用性・安全性を評価して、生産者および消費者の皮膚衛生に貢献している皮膚貼付試験として河合法、閉塞法について実績を紹介した。

5.(15:35〜16:15)「機能性繊維製品のマーク制度の現状と改正された安全性認証基準について」
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一般社団法人繊維評価技術協議会 須曽紀光
 機能性繊維製品のマーク制度の現状と,2012年4月に改正された安全性認証基準の内容について紹介した。

閉会の挨拶・名刺交換会(16:15〜16:35)

[定員]各50名
[参加費]会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,学生2,000円,非会員13,000円

第11回 消費科学講座
「節電時代における夏の衣服の着方とあり方を探る」

 2005年には地球温暖化対策の一環として環境省を中心に室温設定28℃対応の「クールビズ」が提案され,「ノーネクタイ・ノージャケット」キャンペーンや,ドレスシャツ用途の吸汗速乾素材などが話題となりました.この,汗をすばやく吸い取り外気に放散することを謳う「吸汗速乾素材」の開発は30年近くの歴史があります.当初は大量の汗をかくスポーツウェア中心に展開されましたが,こうした状況の中,肌着などより多くの用途へと広がっています.
 今年の夏は特に国内のエネルギーが逼迫する状況が予想され,節電が切羽詰まった深刻な課題となっています.オフィスや家庭,外出などの日常生活において,衣服の着方を適切にすれば節電にも役立つことが期待されます.そこで,改めて夏の衣服のあり方について,その着方を含めて考える講座を企画しました.
 今回の消費科学講座では,文化学園大学教授・田村照子先生より,人体の生理メカニズムに立脚した快適性という観点から,夏を健康に過ごす衣服の着方とあり方について解説があります.次いで各社から,長い開発の歴史を踏まえ開発思想やそれを検証するデータもまじえながら,節電時代に合う進化した最近の夏の衣服について新商品の紹介をして頂きました.
 暑熱時における衣服の着方とあり方を基本から理解するとともに,最近の具体的商品を理解するよい機会となりました.

[日時・会場]<終了しました>
 2012年7月13日(金)10:00〜16:45  大阪会場:ドーンセンター 5階特別会議室
 2012年7月20日(金)10:00〜16:45  東京会場:日本女子大学 新泉山館2階会議室
〔定員〕 両会場とも50名
〔参加費〕 会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,学生2,000円,非会員13,000円
〔内 容〕
 開会の挨拶(10:00〜10:10)
1.(10:10〜11:40)基調講演「この夏を快適・健康に過ごすための衣服を考える」
 −人体の生理メカニズムから見た夏の衣服の役割と機能−
      ……………………文化学園大学 田村 照子  
(11:40〜13:00)  昼  食

企業講演(各社 30 min)
2.(13:00〜13:30)「春夏向けインナーの機能性について」……………旭化成せんい(株) 吉澤 知佐
 ベンベルグは,綿から生まれた再生セルロース繊維であり,高い吸湿性となめらかな肌触りを有し,快適な衣服内環境を提供しうるものです.このベンベルグと合成繊維との複合技術の開発により,清涼性を実感できる点が認められ,春夏インナー用の素材として多く採用いただいています.本講演では、ベンベルグ複合素材を用いたインナーの清涼特性と,着用機能評価例をご紹介します.

3.(13:30〜14:00)「冷感素材 ビスクールHPについて」 …………………セーレン(株) 坪田 俊弘
 冷感素材「ビスクール」,および加工時の耐熱温度を向上させることにより,種々の合成繊維との複合が可能となった耐熱版の冷感素材「ビスクールHP」の特徴などについてご紹介します.

4.(14:00〜14:30)「“フィールドセンサー”に代表される機能性インナー素材」…………… 東レ(株) 伊達 寛晃
 東レの吸汗速乾素材“フィールドセンサー”に代表される各種機能性インナー素材について,その技術と性能,商品についてご紹介します.
(14:30〜14:45) 休   憩
5.(14:45〜15:15)
夏の節電対応インナ−「部屋テコ」(大阪会場)………………(株)ワコール 赤野 美紀
 デザイン性を向上し,素材機能と設計にこだわり,従来のステテコのイメ−ジを一新した『部屋テコ』.レディ−スインナ−で培ったノウハウを活かして,日本の蒸し暑い夏も頑張る男性に向けた快適インナ−『部屋テコ』を解説します. 

夏の快適肌着 スゴ衣「天綿」(東京会場) ……………………(株)ワコール 塩入 直樹
 節電時代に暑い夏でも快適に過ごせる肌着を紹介します.肌着を着る事の効用と,ワコールが推奨する肌着の中で,綿100%に拘った天然肌着「スゴ衣天綿」について、マテリアルそのものの機能性や環境実験結果について紹介し,「スゴ衣天綿」ならではの快適優位性を解説します.
 
6.(15:15〜15:45)「ファイバライブの開発と展開」  ……………………帝人ファイバー(株) 安井 聡
 ファイバライブは,汗を吸うと伸び乾くと縮む糸を用いた自己調節機能テキスタイルです.本講演では,ファイバライブの開発経緯と展開商品について発表させて頂きます.ファイバライブ2Dタイプと3Dタイプの開発経緯とそれぞれの特徴,およびスポーツ衣料を中心にこれらの展開状況をご説明します.

7.(15:45〜16:15)「ニット生地からなるビジネスシャツ「Zシャツ○R」」
 (大阪会場)…………東洋紡スペシャルティズトレーディング(株) 森井 浩之
 (東京会場)…………東洋紡スペシャルティズトレーディング(株) 宮武 裕之
 Zシャツ○Rニット生地からなるビジネスシャツです.近年,従来の織物シャツに無い特徴が注目され,多くの採用をいただいております.本講演では,Zシャツ○Rの特徴などについてご紹介します.

第10回 消費科学講座
機能性素材の評価方法の最前線

 合成繊維にしろ,天然繊維にしろ,昨今は「機能性」を付与した素材が多く出回っていて,衣生活を豊かにしてくれています.機能性素材の良し悪しは,見たり触ったりしただけでは判らず,評価結果がポイントとなります.商品企画に従事する人や販売する人にとっても,また消費者にとっても,「機能性素材」とその「評価方法」を正しく理解することは非常に大切なことです.
 一口に「機能性」といっても多様のものがあり,内容の範囲が人によっても異なります.そもそも衣服を着ることの基本的な意味には,「装う」と「被う」の2つがあります.「装う」は自己を表現することを,「被う」は外界から身を守ることを意味します.前者の「自己表現」に関する内容は「感性」といわれることが多く,これに対し「機能性」は後者の「身体保護」に関する内容を指すことが多い.そこで「機能性」を「身体保護に関する内容」と捉えることとします.
 本講座では,「身体保護をうたった素材」の「評価方法」について解説します.実際に機能性素材が消費される状況では多くの要因が複雑に絡みますので,評価方法も単純ではありません.機能性素材の評価方法の難しさは,消費実態に即した評価方法であると同時に,再現性がよい評価方法である必要があることにあります.
 繊維産業の国際化に伴い評価方法も国際化が求められISO化が進められていますし,また新たな機能をうたった素材の開発に伴いこれまでにはない評価方法も提案されるなど,機能性素材の評価方法は固定化されたものではなく流動的です.本講座のタイトルを「最前線」とした理由はここにあります.
 講師は,機能性素材について,評価方法はもちろん製造方法についても詳しいこの領域の第一人者である繊維評価技術協議会の越智清一氏です.本消費科学講座では,テキストとして,本学会誌2011年12月号より掲載の「機能性素材の評価方法」を使用しますが,講座の際には図表を多用するなど聴講者に判りやすいような工夫をして頂きました.

〔日 時〕大阪会場  2012年2月3日(金)13:30〜16:45<終了しました>
     東京会場  2012年2月10日(金)13:30〜16:45<終了しました>
〔会 場〕大阪会場:ドーンセンター
     東京会場:地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター
〔定 員〕両会場とも50名
〔参加費〕会員5,000円 非会員 7, 000円 学生2, 000円

〔内 容〕(両会場とも)
13:30〜16:15 講演「機能性素材の評価方法の最前線」 (途中で休憩10分)………………繊維評価技術協議会 越智 清一
  「機能性」の具体的内容
   1.人体(皮膚)を清潔に保つ [清潔]  (抗菌,消臭,防カビ,防汚,撥油)
   2.有害物を遮蔽する [安全・安心]  (紫外線遮蔽,防ダニ,抗ウイルス,花粉付着防止,アレルゲン沈静化,電磁波シールド)
   3.危害から人体を守る [安全・安心] (帯電防止,燃焼・防炎,摩擦溶融,遊離ホルムアルデヒド,皮膚障害)
   4.雨,風を防ぐ [快適性] (撥水,防水,透湿・防水,防風)
   5.冬の寒さを防ぐ [快適性] (断熱保温,吸湿発熱,遠赤外線放射,太陽光蓄熱保温)
   6.夏の蒸し暑さをしのぐ [快適性] (吸湿性,吸放湿性,吸水性,吸汗・速乾,蒸散性,通気性,接触冷感,太陽光遮断)
16:15〜16:45  質疑応答


第9回 消費科学講座 「製品検査の基礎講座」
〜海外アパレル商品の品質・品位を維持するために〜

 現在市販されているアパレル商品は,縫製工場や検品工場などで,製品検査や検針が実施されていますが,その詳細は関係者でも案外知られていないのが現状です.近年,わが国のアパレル産業界では,海外生産のウエイトが高く,現地で品質管理が徹底できないため,多くのアパレルメーカーは製品検査に多くのコストと時間をかけていますが,「検品・検針」方法は品種別,メーカー別などでチェック内容や検査基準が異なり複雑化しています.
 以上のような背景を踏まえ,今回,日本繊維製品消費科学会では「製品検査」に焦点を当て,もう一度基本に戻って品質・品位を維持できるよう,その重要な工程である「製品検査」をテーマとした基礎講座を下記内容で大阪と東京の2会場で開催致しました.アパレル製品に携わる川上から川下の初心者からベテランの方々まで,この機会に基礎から本講座に参加され,問題点の再認識など勉強して頂ければと考えての企画でした.

〔日 時〕<終了しました>
 大阪会場 2011年11月24日(木)13:00〜17:00
 東京会場 2011年12月 2日(金)13:00〜17:00
〔場 所〕
 大阪会場:大阪ドーンセンター 5階 視聴覚スタジオ (〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
  東京会場:日本繊維製品品質技術センター 総合試験センター(〒108-0023 東京都港区芝浦3-13-16)
〔定 員〕両会場とも50名
〔参 加 費〕  会員5,000円 非会員 7, 000円 学生2, 000円
〔内 容〕
13:10〜14:10 1.「総論:製品検査の基礎知識」
  キーワード:検査の種類,検査項目,抜取り検査,欠点の種類と名称,検査場所,検査報告・記録
   ……………… 一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター 西部事業所 宮崎 博司
14:10〜15:30 2.「各論:製品検査の実際と知識」
  キーワード:検査チェックポイントとリスト,縫製仕様書の照合と寸法測定,製品検査の手順,表示チェック
   ……………… 一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター 西部事業所 三谷 進
休 憩 (15:30〜15:45)
15:45〜16:45 3.「各論:検針の実際と知識」
  キーワード:検針機の原理,検針機の種類,精度校正,X線異物検査
   ……………………………………………… 株式会社ハシマ 角田 敦司


第8回消費科学講座 
「これなら使えるスーパー繊維」

 炭素繊維やアラミド繊維などの「スーパー繊維」と呼ばれる高性能・高機能繊維は,上市以来そのほとんどが産業用に用いられてきました.それは伸びない,染まらない,繊度が大きい,高価など汎用繊維としての要求を必ずしも満足できていないからでしょうか.しかし,強い個性をもった素材を巧みに複合して使うことで,意外に衣料・インテリア分野でもこれまでにない商品として活躍の場が広がってくる例も最近では出てきています.せっかくの「スーパー」な長所をうまく活かす道を確かにする時代に入ってきたのではないでしょうか.今回の講座では敢えてそのスーパー繊維に焦点を当て,スーパー繊維の新しいバリエーション展開と衣料・インテリア製品向けの品質改良についてメーカーから紹介すると共に,有効な使い方やその可能性の拡大について改めて全員で検討を進めました.

〔日時・会場〕 2011年 7月14日(木)11:00〜16:30  大阪会場:ドーンセンター 5階特別会議室<終了しました>
〔定    員〕  80名
〔参 加 費〕  会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,非会員13,000円,学生2,000円

〔内   容〕
11:00〜12:00
(1)スーパー繊維概論  「これでバッチリ!スーパー繊維とは」
  今回講演のないものも含めたスーパー繊維各素材の製法及び性能から,その特徴と用途展開までを具体的な商品事例紹介を含めて解説します.
   …………………………………… 株式会社クラレ 武田 康宏
13:00〜13:45
(2)パラ系アラミド繊維 「こんなところにアラミド繊維が!」
 パラ系アラミド繊維ケブラーの性能と特徴,すなわち,原糸の製造プロセス,高次加工素材(衣料分野への展開にも適用可能な新規加工技術によるものを含む)び衣料・インテリア分野を含めた商品展開について紹介します.
   ……………………………東レ・デュポン株式会社 中村 英夫
13:45〜14:30
(3)超高分子量ポリエチレン繊維 「強いだけじゃない!スーパーポリエチレン繊維」
 ダイニーマの高い熱伝導性を利用した冷感生地アイスマックスの物性と用途及び商品展開(シーツ,枕カバー等)について紹介します.
   ……………………………………東洋紡績株式会社 前田 徳一
14:30〜15:15
(4)メタ系アラミド繊維の特徴と用途展開 「熱に強い!メタアラミド繊維」
 メタ系アラミド繊維の耐熱性能と,メタアラミド繊維を用いた特殊防護服などの性能評価法や商品展開について紹介します.
   ……………………………………帝国繊維株式会社 前田 昭夫
15:30〜16:30
パネルディスカッション 「スーパー繊維を上手に使うには?」
  スーパー繊維を衣料・インテリア用途にもっと展開するにはどうしたらいいか?について講師・参加者の双方向で議論します.
   ……………………………………パネラー:各講師  司会:株式会社クラレ 伊勢智一

第7回 消費科学講座
アパレルの品質苦情に学ぶ(part2)
アパレル製造ならびにクリーニングに起因する品質苦情


 第1回(2009年1月23日、大阪)と第3回(2009年8月7日、東京)の消費科学講座で、アパレルの品質苦情に関する第一人者である松尾 繁氏を講師に迎え、「繊維特性に起因するアパレルの品質苦情」を取り上げましたところ、聴講頂いた多くの方々に、内容が充実しており判りやすかったと大好評でした。
 そこで前回には紹介されなかった「アパレルの製造(商品企画、延反、裁断、芯地、裏地、ミシン掛け、アイロン・プレス掛け、付属品、商品情報表示など)に起因する品質上の問題点と対策」と、「クリーニング(家庭洗濯を含む)に起因する品質苦情」について、同じ講師をお迎えし、技術の基礎と関連させながら苦情事例を具体的に紹介して頂きました。
 本学会誌の2010年10月号、11月号に、「アパレルの品質苦情に学ぶ――アパレルの製造に起因する品質上の問題点と対策」が、2011年1月号には「アパレルの品質苦情に学ぶ――クリーニングに起因する品質上の問題点と対策」が掲載されました。本消費科学講座ではこのシリーズをテキストとして使用し、聴講者が理解しやすいように実物や写真、図を多用し、紙面の制約で掲載できなかった内容も織り込んで、たっぷりと語っていただきました。前回と今回の分を合わせますと、アパレルの品質苦情の全てとなります。併せて、「品質苦情を処理する手順について」も講演して頂きました。

日 時<終了しました>
 [大阪会場] 2011年2月4日(金) 13:30〜16:30 場所:ドーンセンター 4階大会議室3
 [東京会場] 2011年2月9日(水) 13:30〜16:30 場所:日本女子大学新泉山館

内 容 (両会場とも)
13:30〜16:00
 講演「アパレルの製造に起因する品質上の問題点と対策」
    「クリーニングに起因する品質苦情」(仮題)
    「品質苦情を処理する手順について」
   ……………………… 技術士・繊維部門(元帝人、元大丸) 松尾 繁
16:00〜16:30 質疑応答

〔参加費〕会員:4,000円、非会員:6,000円、学生2,000円


第6回 消費科学講座 
「人工皮革・合成皮革に関する消費科学」
--人工皮革・合成皮革をよく知り,品質事故をなくすには- -

  第6回「消費科学講座」では,「人工皮革・合成皮革」を取り上げました.生活繊維製品(アパレル製品やインテリア製品など)で使用される繊維素材の中で独自の地位を占める人工皮革・合成皮革ですが,その事故事例,皮革の種類と製法,評価法,消費性能などの研修を通して,品質事故の低減につながることを目的とした企画です.
〔日時・会場〕<終了しました>
 2010年12月3日(金)10:00〜17:00  大阪会場:ドーンセンター 5階特別会議室
 2010年12月9日(木)10:00〜17:00  東京会場:日本女子大学新泉山館
〔定 員〕各会場共 80名
〔参加費〕会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,非会員13,000円,学生2,000円

〔内   容〕
10:00 〜10:40 (1) 衣料用人工皮革・合成皮革の事故事例 (流通業界から)    
 人工皮革・合成皮革製品の小売・流通・消費者段階での品質事故事例,消費者への対応などについて,流通の立場から紹介する.
  ………………大阪 (株)消費科学研究所 西川哲二
  ………………東京 (株) 東武百貨店 小川きぬえ 

10:40 〜11:30 (2) グッズ用人工皮革・合成皮革の事故事例(メーカーから)  
 人工皮革・合成皮革製バッグ,シューズ,手袋などについて,小売・流通・消費者で発生する品質事故事例を業界の立場から紹介する. 
  ………………ミズノ(株) 桐本 昌計
  
11:30〜12:20 (3) 人工皮革・合成皮革製衣料品のクリーニング
 人工皮革・合成皮革製衣料品の一般的なクリーニング処理方法を紹介するとともに,クリーニングトラブルの実例を紹介する.また,取り扱い表示の現実と望ましい取り扱い表示について,クリーニング業界の立場から提言する.
  ……………… 大阪府クリーニング研究所 桑野富夫

<昼食>12:20〜13:20

13:20〜 14:30 (4) 人工皮革・合成皮革の種類と製法,評価方法
 天然皮革と人工皮革・合成皮革の違いは何か,また人工皮革と合成皮革の違いは何か.ポリウレタンの性能や皮革の構造を踏まえ,当該素材はどのように作られるのかを説明する.また,衣料やインテリアなど用途別の一般的な評価方法も合わせて紹介する.                
  ………………名古屋女子大学短期大学部 榎本雅穗

14:30 〜15:30 (5) 人工皮革の特性と消費性能
 人工皮革製品の特性と消費性能を,衣料やインテリアなどの用途別設計の観点から紹介する.また,消費者が正しく取り扱えるよう,人工皮革メーカーからみた適正な取り扱い,アパレルメーカーに望む消費者に提供すべき情報などについて説明する.
  ………………(株)クラレ 芦田哲哉

<休憩>15:30〜15:45

15:45 〜16:45 (6) 合成皮革の特性と消費性能
 合成皮革製品の特性と消費性能を,衣料やインテリアなど用途別設計の観点から紹介する.また,消費者が正しく取り扱えるよう,合成皮革メーカーからみた適切な取り扱い,アパレルメーカーに望む消費者に提供すべき情報などについて説明する.
  ………………東洋クロス(株) 馬場健一


第5回 消費科学講座 
--拡大する無縫製の最新技術--

 長年,アパレルメーカーは,衣料品製造時には生地パーツ裁断後に多種の専用ミシンを用いて生地同士を縫い合わせてきました.しかし,近年,「無縫製」と呼ばれるいくつかの「ミシンを使わない製造方法」が登場し,「美しいシルエット」,「新規性のある外観」,「今までない機能」などの理由から,多方面から大きな関心を得ています.先のバンクーバーオリンピックなどでも,これらの製法による製品が使用され,今後ますます拡大するものと推察します.
 今回の講座では,応用講座として,これらの主要な製造方法を紹介し,大学関係者をはじめ企業開発担当者らが積極的に活用できる情報を大阪地区と東京地区で提供しました.

〔日時・会場〕<終了しました>
 2010年7月23日(金) 10:00〜17:00    大阪会場: ド−ンセンタ− 4階大会議室3
 2010年7月29日(木) 10:00〜17:00   東京会場: 日本女子大学 新泉山館2階会議室
〔定 員〕各会場共 80名
〔参加費〕会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,非会員13,000円,学生2,000円

〔内 容〕
10:00〜11:10 1.「丸編 成型製品について」
  ………………株式会社ヤマトコーポレーション 和田 正人
 近年の健康志向ブームを反映し多様化する補正機能商品や,温暖化対応への製品差別化も多様化する中でのボディサイズ・シームレス丸編み機ならではの種類と特性,用途展開の現状と可能性についてお話します.

11:10〜12:20 2.「無縫製衣料用経編機の最新技術と今後」
  ………………日本マイヤー株式会社 山本  長蔵
 世界の経編市場の約9割を占めるカール・マイヤー社グループに属する日本マイヤー社が開発する無縫製衣料用経編機の最新技術を紹介します.経編無縫製衣料の生産は,日本及びイタリアが世界をリードしており,経編無縫製衣料の将来性はもとより,経編無縫製技術を使った新たな用途展開の可能性についても紹介します.

昼食 12:20〜13:10

13:10〜14:20 3.「接着縫製機器とその特性」
  ………………クインライト電子精工株式会社 那須 英誉
 近年,アパレル布帛製品で用途が拡大している高周波溶着機,超音波溶着機,熱風溶着機,溶着縫製機器などの溶着縫製機器について,種類と特性,用途展開などについて,詳しく説明します.

休憩 14:20〜14:30

14:30〜15:40 4.「ホールガーメントニットの特徴」
  ………………株式会社島精機製作所 吉原 正二(大阪) 、雑賀 透(東京)
 1995年ミラノで開かれた国際機械展示会(ITMA)で鮮烈なデビューを果たした「ホールガーメント横編機」は,完全無縫製という今までに無い全く新しいモノ作りの領域を誕生させました.従来のニット製品の工程には欠かせないリンキング・縫製作業を不要にし,労働集約型のモノ作りから知識集約型へ転換する画期的な技術です.また,完全無縫製であることで,着心地のよさ・美しいシルエットを実現し,カットロスをなくした地球と人に優しいモノ作りが可能となりました.

15:40〜16:50 5.「断ち切り仕様インナーについて」
  ………………グンゼ株式会社 山崎 貴広
 縫製における縫目(シーム)は,着用上快適性を損なうと共にアウターに響きシルエットを損ないます.シームレス商品の快適性評価や機能,ニット製品でありながら何処を切っても解れる事のない断ち切り仕様が可能となった技術を,開発の経過,商品化の内容をまじえて紹介します.


第4回 消 費 科 学 講 座
―アパレル商品の縫製不良に関する知識―

 
 日本繊維製品消費科学会は、商品の企画・設計から生産・販売までの基礎知識、及び、最近の動き(トピックス)に関し、ものごとの本質を理解するための催しとして「消費科学講座」を企画しています。
 第1回消費科学講座では、基礎知識として「繊維特性に起因するアパレルの品質苦情」、第2回は最近のトピックスとして「ナノテクノロジーにより進展が著しい機能性加工」を取り上げました。(第3回は第1回と同じ内容で東京開催)
 今回(第4回)は、ものづくりの基礎知識の2回目としてアパレル商品の「企画から生産まで」と「生産機器」それぞれの立場からお話していただきました。一言で縫製といっても、「紳士」「婦人」「ニット」とアイテムが違えば大きなものづくりの流れは同じでも、商品を縫い上げていくときのポイントは違ってくるでしょう。アパレル商品は、「使用材料」「パターン」「縫製仕様」このすべてがベストマッチングしたときに、最高の衣服が出来上がります。しかし、その中でこれらいずれかの完成度が低いときにさまざまな不具合が生じることがあります。また、よい商品を作り上げるためには縫製設備も重要です。
 今回の講座では、まずアパレル生産をすべて国内で行っていた頃と現状の違いを理解し、その上で縫製不良の事例を挙げながら、アパレル生産工程でのさまざまな創意・工夫についてお話いただきました。 また、生産設備の立場からも品質向上に繋がる事例をお話しいただきました。これまでアパレル生産に関する講演で、設備に踏み込んだ内容のものはありませんでした。限られた時間の中でそのすべてを網羅することは困難ですが、企画、生産それぞれの立場の方が、お互いの領域のことを理解し合える内容としての企画でした。
  
〔日時・会場〕
2010年2月19日(金) 10:00〜17:00 大阪会場:ドーンセンター 4階大会議室1 <終了しました>
  (大阪市中央区大手前1-3-49 TEL:06-6910-8500)
2010年2月26日(金) 10:00〜17:00 東京会場:文化女子大学 A095教室 <終了しました>
  (東京都渋谷区代々木3-22-1)
〔定 員〕各会場共 80名
〔参加費〕会員(学校・官公庁)7,000円、会員(団体・企業)10,000円、非会員 13,000円 学生2,000円
〔内 容〕
10:15〜11:35  「アパレル生産に於ける構造の変化がもたらす問題点」
 アパレル生産は、市場の変化、カジュアル化、そして大半の製品を海外生産に委ねる等、その構造は大きく変化している。OEM生産は、価格・納期優先される可能性もあり、近年、品質を重視する動きはあるが、日本の従来型の品質管理とは基本的に異なる。これらの点についてのアパレル生産の構造変化、問題点を解説する。
  ………………………文化ファッション大学院大学 稲荷田 征
    
12:30〜13:50  「紳士服、婦人服の企画から生産に至る過程で発生する不良とその要因」
 トータル技術者不在のメーカーでは、OEM生産の「もの作り」をいわゆる「丸投げ」している場合が多く、安全性管理をはじめ、素材から検査に至る品質管理が疎かになっている。製品の企画から生産の過程で、なぜ問題が発生するのか、何故「検査会社が大はやり」なのか、ケースによっては、不良率30〜40%といわれる生産の現状をふまえて解説する。
  ………………………豊島株式会社 品質管理室 三島 良弘
    
13:50〜15:10  「ニット、カットソー製造時に発生しやすい不良と原因・対策」
 インナーは、より美や快適性を求めファッション化、機能化が進行。素材、仕様の複雑化が進み、設備、品質管理、不良内容も変化している。昨今の素材の特徴とインナーウエア製造時の不良と対策について事例を紹介する。
  ……………株式会社  インナーウエア事業本部 下村 昭二、 メンズ&キッズカンパニー 小澤 七洋
      
15:20〜16:40 「最新の縫製設備を用いた生産と品質について」
 アパレル生産工場で使用される最新の工業用ミシンの技術・機能・性能等について概説する。またそれらが具体的にアパレル生産における品質、生産性等の問題点の解決とどのように結びついているかについて述べる。
  ……………………………JUKI株式会社 工業用ミシン事業部 縫製研究所 石橋 信一


第3回 消費科学講座(東京開催)
繊維特性に起因するアパレルの品質苦情

 第1回消費科学講座は,この1月大阪で開催しましたところ大変好評でした.そこで,各界の皆様からのご要望にお応えして東京開催でも開催しました。
 品質苦情を「繊維特性に起因する」という観点から取り上げました。市場の要求が多様化するなかで、その用途でこれまでは使われてこなかった繊維素材が使われたり、素材の多様化・複合化が進んだりしています。商品企画をするときに、取り上げた繊維素材にはどんな特性があり、その性質が原因となってどんな消費者苦情に繋がる可能性があるかという知識が必要となります。また、消費者側では購入するときに参考にできる情報として組成表示がありますが、組成表示を見て消費過程でどのような問題が発生する可能性があるのかを知りたいと思うこともあるでしょう。これまでの消費者苦情に関する解説書は、ほとんどが現象別に説明されており、このような観点で編集されたものはありませんでした。本学会誌では、素材メ−カ−である帝人並びに百貨店の大丸において繊維特性と品質に関する業務に長年携わってこられた松尾 繁氏にこの観点から「アパレルの品質苦情に学ぶ―繊維特性に起因する苦情から―」を執筆頂きました。その松尾氏を講師に迎えての消費科学講座の東京開催です.

大阪での参加者のご感想の一部を記してみます・・・.
# 講師は,広範囲に及ぶ知識がおありで,今までこのような講習を受けたことがありませんでした.大変勉強になりました.
# 繊維特性を理解して,衣服の企画から製造・販売していくことの必要性を強く感じました.
# 昨今,多種混素材が増えており,合繊メ−カ−としても天然繊維や再生繊維のことも十分知る必要があるため,大変参考になりました.
# あらゆるパターンの品質苦情が紹介されていたのでわかりやすかったです.今回の資料は永久保存にしたいと思いました.
# 非常にわかりやすい説明でした.販売側だけでなく消費者側にも製品について勉強する必要があることを痛感しました.特に,消費者クレ−ムをまともに受けるクリ−ニング業者にとって,この領域の勉強は必須だと感じました.
# 学校でTES講座を開いていますので,事例の最適教科書になると思いました.特にデメリットを出して話をすると学生の理解を深めることが出来ると感じました.

[日 時] 2009年8月7日(金)13:30〜16:30 <終了しました>
[会 場] 大妻女子大学(東京都千代田区三番町12) 
[内 容]
 13:30〜16:00 講演「繊維特性に起因するアパレルの品質苦情」
 16:00〜16:30 質疑応答
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・技術士・繊維部門(元帝人・大丸) 松尾 繁
[定 員]80名

第2回 消費科学講座
−ナノテクノロジーが拓く「機能性」加工の最前線−

 消費科学会は、商品の企画・設計から生産・販売までの基礎知識、及び、最近の動き(トピックス)に関し、ものごとの本質を理解するための催しとして消費科学講座を企画しました。
 第1回消費科学講座では、「繊維特性に起因するアパレルの品質苦情」を開催しましたが、第2回は最近のトピックスとしてナノテクノロジーにより進展が著しい「機能性」加工を取り上げました。消費者の多様な、そして高度な要求に答えるために新たに開発された「機能性」加工にはどんな技術があるのでしょうか?
 今回は、第一線で開発に従事しておられる講師の方々を迎え、綿を中心としたセルロース繊維とウールに対する機能加工、ポリエステルを中心にナノ加工の現状とこれらの開発商品について解説していただきました。さらにそれらに対応する試験法とその在り方について、講演をしていただきました。

【日 時】 2009年7月22日 13:00〜16:30 <終了しました>
【会 場】 大阪産業創造館 6階会議室E(大阪市中央区本町1-4-5  TEL:06-6264-9800(代))
【受 付】 12:30〜12:50
【内 容】
13:00〜13:50 (1)セルロース繊維の「機能性」加工 ……………………東海染工(株) 武藤  真理子
 綿を初めとする植物繊維(セルロース繊維)は,我々にとってもっとも身近な衣料素材であり,その長所を活かし,弱点を補強するため,或いは新規な性能を付与するためなど様々な目的で加工が行われてきた.ここでは、セルロース繊維に機能を付与する加工について紹介する.
13:50〜14:40 (2)ウールの「機能性」加工 …………………………………日本毛織(株) 田先  慶多
 ウールには羊が厳しい気候から身を守るためのさまざまな機能が備わっており,仕立て映えを含めて非常に優れた衣服素材といえる.そのようなウールの特性をさらに高めた機能加工を中心に報告する.

休憩(14:40〜14:50)

14:50〜15:40 (3)ナノスケール加工技術の展開について……………東レ(株)テキスタイル開発センター 竹田  恵司
 繊維高次加工における「ナノ加工」の現状を総説するとともに,当社のコンセプトである『見てわかる』『着てわかる』を体感できる新しい開発商品群について解説する.
15:40〜16:30 (4)繊維素材の「機能性」試験法の現状と課題…………………(社)繊維評価技術協議会 越智  清一
 繊維素材と「機能性」加工の対象を述べた後,「イージーケア性」「清潔」「安全安心」「吸水速乾」などの機能カテゴリー別に,代表的な機能加工と対応する試験法について各種の事例を総説する.その上で,今後の機能性試験法のあり方について解説する.

【定  員】   60名
【参 加 費】  会員5,000円 非会員 7, 000円 学生2, 000円

第1回 消費科学講座
繊維特性に起因するアパレルの品質苦情

 世の中は目まぐるしく変化しています。このような世相で求められるのは、ものごとの本質を理解し見極める眼であると思います。2008年度の事業企画委員会では、商品の企画・設計から生産・販売までの基礎知識および最近の動き(トピックス)に関し、ものごとの本質を理解するための催しとして新たに消費科学講座(仮称)を企画しました。
 第1回は、学会創立以来のテーマである「品質苦情」に関することです。品質苦情を「繊維特性に起因する」という観点から取り上げました。昨今市場の要求が多様化するなかで、その用途でこれまでは使われてこなかった繊維素材が使われたり、素材の多様化・複合化が進んだりしています。商品企画をするときに、取り上げた繊維素材にはどんな特性があり、その性質が原因となってどんな消費者苦情に繋がる可能性があるかという知識が必要となります。また、消費者側では購入するときに参考にできる情報として組成表示がありますが、組成表示を見て消費過程でどのような問題が発生する可能性があるのかを知りたいと思うこともあるでしょう。これまでの消費者苦情に関する解説書は、ほとんどが現象別に説明されており、このような観点で編集されたものはありませんでした。
 今回の消費科学講座の講師には、素材メーカーである帝人並びに百貨店の大丸において繊維特性と品質に関する業務に長年携わってこられた松尾 繁氏を迎え、品質苦情問題の基本とともに、繊維の性質と苦情事例を関連付けて具体的に紹介して頂きました。
 本学会誌に「アパレルの品質苦情に学ぶ―繊維特性に起因する苦情から―」と題する松尾 繁氏の解説が2008年10月号よりシリーズで掲載されています。本講習会ではこのシリーズをテキストとして使用しました(講習会では最終回分まで配布)が、聴講者が理解しやすいように実物や写真を多用し、紙面の制約で掲載できなかった内容も折りこんで、たっぷりと語って頂きました。

[日 時] 2009年1月23日(金)13:30〜16:30 <終了しました>
[会 場]大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)4階 大会議室(1)
  大阪市中央区大手前1-349  TEL:06-6910-8500
  (京阪天満橋駅・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分)
[内 容]
 13:30〜16:00 講演「繊維特性に起因するアパレルの品質苦情」
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・技術士・繊維部門(元帝人・大丸) 松尾 繁
 16:00〜16:30 質疑応答
[定 員]60名
[参加費]会員4,000円,非会員 6,000円,学生 2,000円

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